【2018 時計グランプリ】人気カテゴリー「復刻部門」は今年も大接戦！

復刻部門グランプリ

毎年多くのモデルが投入される、時計界きっての人気カテゴリーがこちら。今年も各ブランドが自らの歴史をアピールすべく、魅力的な新作を発表。中でもセイコーの忠実な復刻ぶりを各審査員は高く評価した。

セイコー　プロスペックス１９６８ メカニカルダイバーズ 復刻デザイン

講評 ▶ 吉田 巌

ワンピース構造に加え10振動ムーブまで再現！マニアックさに痺れた

オールドセイコーは海外でも人気が高く、多くの熱狂的なコレクターが存在する。そんなマニアに応えるためか、近年の復刻は毎年凄まじい完成度。今作も当時と同じワンピースケースを再現し、ムーブもオリジナルにならった10振動型に。時計好きでこれに痺れない人はいないだろう。限定１５００本。自動巻き。径44・8㎜。ＳＳケース。シリコンストラップ。３００m防水。55万円。お問い合わせ先：セイコーウオッチお客様相談室

冒険家・植村直己も愛用した1968年製モデルを復刻。サイズこそ若干大きくなったものの、サイドを表と裏からファセットカットした複雑な造形のワンピース構造ケースや、クラシカルで視認性に富んだ文字盤デザインまで、忠実にオリジナルを踏襲する。搭載するムーブメント（Cal. 8 L55）もオリジナルと同様の10振動のハイビート型だ。

決定! 2018 時計グランプリ

一番の激戦ジャンルは今年も超のつく力作揃い

中里　今年も復刻モデルは多かったですね。歴史あるブランドは必ず出していたんじゃないですか。

まつあみ　デザイン的には、新しさより古さを求める人のほうが多いのかな。

髙木　時計の主な購買層が我々のような年齢だからじゃないの？　昔憧れた時計も、今の財力なら買える（笑）。

吉田　時計はやっぱりこういうデザインのほうが“らしい”と考える人が多い気がする。あと装いに合わせやすいというのも大きい。

島津　「ポラリス・メモボックス」は２回目の復刻ですね。

市塚　10年前に復刻で一度出ました。あっという間に完売したから、この再復刻を待ち望んでいた人も多いと思いますよ。ちなみに本作ではアラビア数字やインデックスを若干大きくして視認性を向上させています。

松山　僕は初代「シーマスター」の復刻が良かった。小ぶりながっしりしたケースをはじめ、初代の面影が非常に忠実に再現されている。

柳町　若干ミリタリーウォッチ的な味わいも感じますね。

髙木　もともとオリジナルが英国軍に納入していたモデルをベースに開発したものだから。

吉田　このセンターセコンドバージョンも良かったですよ。

岸田　ＩＷＣは伝説の懐中時計のデザインと機構を、腕時計で復刻してきました。

柴田　とてもきれいなデザインですよね。搭載するムーブメントも優秀。3枚のディスクが完璧に連動して、パワーロスが少ないんです。

中里　ミドーもいい雰囲気。

松山　ミドーはしばらく日本に入ってなかったから知らない人も多いと思うけれど、昔の「マルチフォート」と言えばこういう小ぶりで可愛らしい時計だったんだ。懐かしいね。

市塚　ブローバはどうです？回転ベゼル付きのクッションケースといい、夜光を下に敷いた立体的なインデックスの造形といい、’70年代らしい近未来チックなデザインが好きなんですが。

吉田　限定のオレンジ文字盤のほうだと、よりそんなイメージだよね。

まつあみ　ゼニスはエイジング加工を施したケースやベルトと、茶のグラデーションダイヤルがぴったりマッチ。

島津　でもこうしてノミネート作を見渡すと、オリジナルの再現性はセイコーがずば抜けていませんか？

髙木　確かにそうかも。ムーブメントの出し入れが面倒な裏蓋のないワンピース構造をしっかり踏襲し、そのムーブもちゃんと10振動としている。

岸田　細かいところですが、顔に対して細めのベルトで、そこに施されたピラミッドパターンまでそのままというこだわりにも痺れます。

松山　オメガも相当再現性が高いと思うけれど、機械の振動数まで当時に揃えたというところで、このジャンルはセイコーに軍配が上がるかな。

復刻部門ノミネートモデル