2019.08.19

【ヴァシュロン・コンスタンタンの工房へ行ってきた!!】厳格なジュネーブ・シールの検査室に潜入取材!

ジュネーブ・シール検査室には厳格な空気が張りつめていた

ヴァシュロン・コンスタンタンの審美眼は、ジュネーブ・シール取得によって証明される。新たに追加された精度に対する厳格な検査は、本社工場内の専用の部屋で行われていた。

 

ムーブメントの検査機をアトリエ内に発見!

24時間体制で厳格に精度を計る
ケーシングされた状態でマシンに設置し、7 日間にわたりモニタリングによる精度検査が行われる。データはすべてジュネーブ・シール事務局が管理。付加機能の動作状況や防水性も、ここで検査される。

 

クロノメーターより厳しいケーシング後の精度検査

2013年、ジュネーブ・シールは新たな規格へと生まれ変わった。ムーブメントの仕上げに関する既存の規格に加え、防水性やパワーリザーブ、精度に関する規定が追加されたのだ。美を重んじるヴァシュロン・コンスタンタンにとって、ジュネーブ・シール取得は一つの誇り。むろん、新規格発足時にもいち早く対応した。そして本社内には、精度検査を行う専用の部屋が新設された。そこにあったのが、事務局が設置した検査マシン。ケーシング後、7日間にわたりこれで精度を計り、トータルで±1分以内が合格基準だ。クロノグラフの場合、最初の24時間は機能させなければならず、負荷が大きく合格は困難。ジュネーブ・シールは美の証だけではない。高精度であることの証明でもあるのだ。

 

個別の認証コードを発行
ジュネーブ・シール取得モデルには、証明書が発行される。事務局は立法・執行・司法の各機関で構成され、検査には一切の妥協はない。認証コードを入力すれば、ネットで検査結果が見られる。

 

ケースのマークが新基準の証
2013年の新規格で、防水性という外装の性能も追加。以降、ジュネーブ・シールはムーブメントに加え、ケースにも打刻されるようになった。そのマークは、ジュネーブ州の紋章だ。

 

SSモデルでも審美性を怠らない
フィフティーシックス・デイ/デイト

SSモデルでも、ジュネーブ・シールを取得。インダイヤル式のデイデイト+パワーリザーブ計は実用性が高い。V字型の4 つのラグでマルタ十字を象る。自動巻き。径40㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。180万円。

鮮烈なネイビーを纏うベーシック機
パトリモニー・オートマティック

中3針+日付のベーシックな機構を装備。サンレイで鮮烈さを放つネイビー文字盤が華やかな新作。自動巻き。径40㎜。18KPGケース。アリゲーターストラップ。281万円。

パトリモニー・オートマティック
22金製自動巻きローターの、ギョーシェ装飾が見事だ。

<b>SSモデルでも審美性を怠らない<br>フィフティーシックス・デイ/デイト</b><br>SSモデルでも、ジュネーブ・シールを取得。インダイヤル式のデイデイト+パワーリザーブ計は実用性が高い。V字型の4 つのラグでマルタ十字を象る。自動巻き。径40㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。180万円。
<b>鮮烈なネイビーを纏うベーシック機<br>パトリモニー・オートマティック</b><br>中3針+日付のベーシックな機構を装備。サンレイで鮮烈さを放つネイビー文字盤が華やかな新作。自動巻き。径40㎜。18KPGケース。アリゲーターストラップ。281万円。
<b>パトリモニー・オートマティック</b><br>22金製自動巻きローターの、ギョーシェ装飾が見事だ。

 

[時計Begin 2019 SUMMERの記事を再構成]
文/高木教雄 写真/岸田克法 構成/市塚忠義