2019.01.24

【IWCの工房へ行ってきた!!】全製造部門を集約した「見せる前提」の新ウォッチ工場とは?

一般ユーザーでも製造プロセスを見学できます!

150周年を迎えたIWCは、その記念事業の一つとして新ファクトリーを完成させた。
外観も内部もモダンに設えて見学者を歓迎し、製造工程のほぼすべてをユーザーに開示する。

行ってきたのはココ!

見学者を受け入れるモダンな新工場
新工場IWCマヌファクトゥール・ツェントルムは、シャフハウゼン郊外の緑豊かな丘陵地に立つ。建物外観もホワイト×ブラックに統一。大きなガラスのファサードが、内部に豊かな陽光を届けてくれる。

 

組み立て部門も、ガラス越しに見学が可能。「見せる工場」とのコンセプトは、彼クリストフ・グランジェ・ヘアCEOのアイデアだ。

 

新工場のために新たにバス停も開設
工場の目の前には路線バスの停留所があり、シャフハウゼンの駅からおよそ20分で到着する。ここで働く人や見学者には、便利な足。

 

美意識を行き渡らせた“見に行ける”新工場

全面にガラスを巡らした建物はモダンで開放的である。エントランスを抜けファクトリー内に至ると、壁や床、さらには工作機械まですべてが白と黒、グレーに統一されている。2018年8月27日、シャフハウゼン郊外に竣工したIWCの新工場「IWCマヌファクトゥール・ツェントルム」は、隅々にまで美意識が行き届く。その理由は、一般の見学者を積極的に受け入れることを前提としているからだ。

このプロジェクトを先導したクリストフ・グランジェ・ヘアCEOは、「年間で1万人の見学者を受け入れる予定」だと語る。工房取材すらNGという時計ブランドが少なくない中で、IWCは一般ユーザーに製造工程のほぼすべてを開示するというのだ。

IWCは、シャフハウゼン駅近くにある本社に加え、ライン滝で知られる隣町ノイハウゼンにケースとムーブメントの製造拠点を持ち、その周囲にサポート的な4つの小工房を有していた。この新工場は、本社以外の製造部門を集約。ベースムーブメントとケースの製造・組み立てを担い、本社ではモジュール製作やケーシングが行われる。

新工場の建物は、地上2階・地下1階で延床面積約1万3500㎡と巨大。屋根にはソーラーパネルが整備され、地下水を用いたヒートポンプによる空調設備など環境にも配慮されている。IWCの美しい新ファクトリーは、地球にも、そして見学者にも優しい。

 

IWCを支えた偉人たち
エントランスの壁には、創業者F.A.ジョーンズ氏やペラトン氏などIWCを語る上で欠かせない9人の肖像が。

 

クラウス氏最後の晩餐?
生ける伝説クルト・クラウス氏とその弟子がテーブルに集う。『最後の晩餐』のパロディ画を壁に発見。

 

CNCマシンはすべて淡いグレーに再塗装
ガラスの壁に沿って、地板用のCNCマシンがズラリと並ぶ。どれも外装が薄いグレーに統一されているため、パッと見では工作機械とはわからない。手前のデスクではバリ取りや、抜き取り検査を行う。

 

自然の緑に囲まれた地球環境に優しい建物
断熱性に優れ、視覚的にも美しい屋上緑化を実施。計2000㎡ものソーラーパネルが並び、ここで得た電気は地下水の汲み上げなどに使われる。

 

開放的な野外テラスは、ランチ後の社員たちの憩いの場。周囲は、緑が豊富だ。

 

明るく開放的な社員食堂も完備
建物の最上階に社員食堂を開設。数種類のランチメニューと、豊富なドリンクメニューが用意されている。左上の写真の屋外テラスへもここから出られる。働く人に優しい環境は、製品の品質の高さへとつながる。

 

 

青に華やぐ7日巻き
ビッグ・パイロット・ウォッチ〝プティ・プランス〞
プティ・プランス=星の王子様とのコラボ専用のブルーダイヤルに、自社製の7デイズ自動巻きCal.79320が潜む。3時位置にその残量計を置くダイヤルは繊細なサンレイ仕上げで、色が一層鮮やか。自動巻き。径46.2㎜。SSケース。カーフストラップ。145万5000円。

秒針の赤が効く青クロノ
パイロット・ウォッチ・クロノグラフ〝プティ・プランス〞
デイデイトを備えるクロノグラフは、汎用ムーブメントを高精度になるようモディファイ。耐磁用の軟鉄製インナーケースを含め、外装はすべて自社製で、裏蓋にはマントをはおった星の王子様の姿を刻印した。自動巻き。径43㎜。SSケース。カーフストラップ。59万円。

白い数字が青に映える
パイロット・ウォッチ・マーク XVIII〝プティ・プランス〞
1948年誕生の名機マークXIから受け継ぐ、明確なコントラストによる優れた視認性は、ブルーになっても変わらない。ブレスレットも、自社製。細やかな5連仕立ては、しなやかに腕にフィットする。自動巻き。径40㎜。SSケース&ブレスレット。57万5000円。

<strong>青に華やぐ7日巻き</strong><br />ビッグ・パイロット・ウォッチ〝プティ・プランス〞<br />プティ・プランス=星の王子様とのコラボ専用のブルーダイヤルに、自社製の7デイズ自動巻きCal.79320が潜む。3時位置にその残量計を置くダイヤルは繊細なサンレイ仕上げで、色が一層鮮やか。自動巻き。径46.2㎜。SSケース。カーフストラップ。145万5000円。
<strong>秒針の赤が効く青クロノ</strong><br />パイロット・ウォッチ・クロノグラフ〝プティ・プランス〞<br />デイデイトを備えるクロノグラフは、汎用ムーブメントを高精度になるようモディファイ。耐磁用の軟鉄製インナーケースを含め、外装はすべて自社製で、裏蓋にはマントをはおった星の王子様の姿を刻印した。自動巻き。径43㎜。SSケース。カーフストラップ。59万円。
<strong>白い数字が青に映える</strong><br />パイロット・ウォッチ・マーク XVIII〝プティ・プランス〞<br />1948年誕生の名機マークXIから受け継ぐ、明確なコントラストによる優れた視認性は、ブルーになっても変わらない。ブレスレットも、自社製。細やかな5連仕立ては、しなやかに腕にフィットする。自動巻き。径40㎜。SSケース&ブレスレット。57万5000円。

 

 

[時計Begin 2019 WINTERの記事を再構成]
写真/岸田克法 文/髙木教雄 構成/市塚忠義