2018.11.27

ロンジンの“ウチの薀蓄”「ウチの復刻モデルは超リアル」

情熱のもとに作り上げた完璧なオリジナルの再現

近年の復刻時計ブームを牽引するロンジン。同社が誇る復刻モデルはヘリテージラインに一括されているが、なかでも最も有名なのが「リンドバーグ アワーアングルウォッチ」だろう。

本作のオリジナルは、1927年に初の大西洋単独横断飛行を達成したチャールズ・リンドバーグが、その偉業後に構想したナビゲーション時計。航空に必要なグリニッジ標準時を秒単位まで正確に読み取る工夫が施され、針ではなくインナーダイヤルを回転させて秒を合わせる画期的モデルだった。

この歴史的名作はその後も製作され続け、もちろん現在もラインナップする。現行では、内部機構などに現代の使用に合わせたアレンジを加えつつも、デザインは’31年の初代を忠実に踏襲。ポリッシュ仕上げのホワイト文字盤には、外側から順に、レイルウェイのミニッツサークル、ローマンインデックス、経緯度計測用の180度計、そして最大の個性である回転インナーダイヤルを並べ、エレガントなブルースチール針を備える。特殊表示の回転ベゼルやグローブのまま操作可能な大型リューズも含め、オリジナルと区別がつかぬほど見事に再現されている。

これほど精度の高い復刻は、たんに歴史が長く、名作が多いという理由のみではなしえない。ロンジンは本社内にミュージアムを備え、過去の作品、設計図、資料といったアーカイブを大切に保存。そのうえ、もし復刻のオリジナル品が手もとにない場合は、スタッフが世界中を飛び回って入手し、必ず実物をもとに復刻を行う。こうした情熱に支えられて、時計好きを唸らせるリアルな再現が実現するのだ。

リンドバーグ アワーアングルウォッチ
歴史的名作の現代バージョン

1931年誕生のナビゲーションウォッチを忠実なデザインで再現。文字盤の内側に無線時報に秒針を合わせるための回転式ダイヤル、その外側に180度計、外周に均時差調整用の特殊回転ベゼルを装備。自動巻き。径47.5㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。3気圧防水。57万2000円。
お問い合わせ先:ロンジン

 

スケッチ、設計図のみで実物がないモデルは復刻しない

1931年製オリジナル

 

現行品

復刻モデルの精度を上げるため名門が自らに課した厳格なルール
185年以上にわたる歴史のなかで製造された膨大な作品は、設計図などのアーカイブとともに、同社内に併設されたミュージアムに保管。それゆえ完成度の高い復刻が可能となるわけだが、仮に対象モデルがミュージアムにない場合でも、スケッチや設計図のみで復刻することはせずに、スタッフを世界中に派遣して実物を手に入れる。いずれにせよ、実物をもとに復刻作業を行うのがこのブランドのルールである。

 

リンドバーグの直筆によるアイデアスケッチも保存

偉人の要望により生まれた名作
上はリンドバーグ本人が描いたアワーアングルウォッチのスケッチ。本作は1927年のウィームスモデルをもとに、リンドバーグのアイデアをロンジンが製品化することで’31年に誕生。飛行中のパイロットたちの経緯度計算を容易にし、地理的な位置の測定を可能にした。

 

ロンジンミュージアムに保管される膨大な名作アーカイブ

ロンジンの歴史が丸わかり
サンティミエの本社内にあるミュージアム。2012年に新装オープンしたこの施設には、過去の名作や主要モデルのほか、写真、ポスター、映像などの貴重な資料が収められ、同社の歴史を一望することができる。

 

 

[時計Begin 2018 AUTUMNの記事を再構成]
写真/小澤達也(Studio Mug)、岸田克法、谷口岳史 文/髙木教雄、岡崎隆奈