2018.05.15

【オークション落札!】A.ランゲ&ゾーネの世界限定1本の時計は果たしていくらに?

【速報! 5/15】
世界でただ1本の『1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”』スティールエディションがCHF 852,500(日本円換算9000万円超)という記録的な金額で落札されました。

オークションに出品されたA.ランゲ&ゾーネの腕時計では、過去最高額を記録したことになります。今回のオークションの収益金は、心身に障害をもつ青少年の活動を支援するチルドレン・アクション財団(Children Action Foundation)に寄付されます。

速報ここまで。以下、オークションの概要を伝える記事です。

 

今年5月、ジュネーブの「フィリップス」にて開催されるオークションにA.ランゲ&ゾーネの「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”」が出品され、オークションの収益金は、心身に障害をもつ青少年の支援活動を展開するチルドレン・アクション財団に寄付される。

出品作のオリジナルは、2017年1月に亡くなったウォルター・ランゲ氏に捧げられた1本。最大の特徴は、内部に搭載した特殊な“ジャンピングセコンド”機構だ。2時位置のプッシュボタンを押すと、文字盤センターの専用針がスタートし、一般的な秒針のように小刻みに動くのではなく、1秒刻みのステップ運針を行う。この機構はフェルディナント・アドルフ・ランゲが1867年に発明し、ウォルター氏の祖父エミールの時代に実用化され、氏にとってお気に入りのひとつだったという。

今回、従来の金無垢のケースはSS製に、シルバー文字盤はブラックエナメル仕上げに変更された。そして生前、不遇な環境におかれた若者の健全な成長と幸福を願った同氏の遺志を継ぎ、世界で1本のみの限定品として提供される。はたして、この貴重なユニークピースがどのくらいの価格で落札されるのか、興味深いところである。

<–4月11日追記–>
ちなみに、フィリップスのウェブサイトを確認すると、「The Geneva Watch Auction: SEVEN」は5月12日に開催予定。オンラインでオークションの状況がリアルタイムに配信されることに加えて、登録を済ませれば入札も可能のようです。
>> https://www.phillips.com/detail/A-LANGE–SOHNE/CH080118/233

<–5月10日さらに追記–> ※オークションの詳しい実施時間がわかりました
■ 日時:現地時間 2018年5月13日 18:00(日本時間:5月14日午前1:00)スタート
■ 出品モデル:1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”スティールエディション
■ ロット番号:233
※5月13日は、ロット番号161よりスタート。ロット番号233は、スイス現地時間で19:00~20:30頃(日本時間:5月14日午前2:00~3:30)出品の見込みです
※当日は、こちら:https://live.phillips.com/より、オークションの様子が閲覧できます

<–追記ここまで–>

今回オークションを取り仕切るのは、時計専門家のオーレル・バックス氏(中)。シュミットCEOとともにオークション出品を告げた。

世界でたった1本のブラックエナメル


A.LANGE & SÖHNE
1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”

5/12~13開催のオークションに出品される世界限定1 本の特別モデル。SS製のケースおよび、艶のあるブラックエナメル文字盤を採用した。手巻き。径40.5㎜。アリゲーターストラップ。価格はオークションにて決定。


こちらは2017年末発表のオリジナル
「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”」

伝統的な自社開発機構“ジャンピングセコンド”を搭載。手巻き。径40.5㎜。18KYGケース。限定27本。534万円(予価)。9月以降発売予定。お問い合わせ先:A.ランゲ&ゾーネ Tel.03-4461-8080

A.ランゲ&ゾーネを復活させた、ウォルター・ランゲの軌跡


第二次世界大戦後、東ドイツ政府によりA.ランゲ&ゾーネは国有化され、一時はその名が人々の記憶から消え去ってしまう。しかし1990年、創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲの曾孫で、西ドイツで時計師として活動していたウォルター・ランゲにより、ブランドは復興を遂げる。’94年には、復興後のファーストコレクションとして「ランゲ1」「サクソニア」「トゥールビヨン〝プール・ル・メリット〞」など4モデルを発表。ザクセン高級時計の伝統を受け継ぐデザインと贅沢な外装、手作業で仕上げた高品質な自社製ムーブメントを擁し、たちまち一流ブランドの仲間入りを果たす。その後もブランドの象徴として精力的に活動したが、昨年惜しまれつつ他界した。

関連記事:ウォルター・ランゲ氏が考えたであろう“完璧な”時計とは?(https://www.tokeibegin.jp/news/14811/)