VACHERON CONSTANTINの芸術性

特別な顧客へのオーダーメイドだったり、あるいは渾身のハイコンプリケーションだったり、ヴァシュロン・コンスタンタンには、この世に1点だけの希少な時計も数多い。工芸技法を駆使したモデルも同じ模様は2つとない。メゾンの真の実力は、芸術性にも表れる。

1点物の超絶ハイコンプリケーション
2014年秋発表された「メートル・キャビノティエ・アストロノミカ」。ダイヤルはダブルフェイスで、トゥールビヨンやミニッツリピーター、永久カレンダー、均時差、日の出/日の入など15の複雑機構を積む。ケースは18KWGで限定1本。

機構と外装の高度な職人技が生み出す世界に2つとない時計

唯一無二の価値を持つ特別な機構と工芸技術

複雑時計で述べたように、ヴァシュロン・コンスタンタンは、特別な顧客のオーダーに古くから応えてきた。そして現在も、世界の直営ブティックでオーダーを受け付けている。2006年にスタートしたのは「アトリエ・キャビノティエ」スペシャル・オーダー。ケースやダイヤルといった外装はもちろんのこと、ムーブメントまで一から設計し顧客の希望を叶えてくれるサービスは、他に類を見ない。
そして2014年秋には、アトリエ・キャビノティエのノウハウを用いた、いわばプレタポルテ的な1点製作品「メートル・キャビノティエ・アストロノミカ」も発表。
時計の価値を高めるのは、特別な機構だけではない。工芸的技法もまた、手仕事であるがゆえ個々に異なる表情を持っている。遡れば、創業者はエングレービングを得意とし、その子孫もエナメルやギョーシェを駆使した。19世紀半ばから逸早く宝飾にも取り組んでいるヴァシュロン・コンスタンタンは、工芸技法においても技術を伝承し研鑽してきた歴史を持つ。それを今に残すのが、2004年にスタートした「メティエ・ダール」コレクションである。細密なギョーシェやエングレービング、あるいは多色使いのエナメル、象がん細工、宝飾、スケルトンなど様々な技巧が、ダイヤルで、ケースで、そしてムーブメントでも美を競い合う、美術工芸品と呼ぶにふさわしい特別なモデルだ。これほど多様な工芸技術を持つのも、老舗メゾンならではといえる。
機構や外装で技術の粋を凝らした芸術的な時計の数々は、唯一無二の価値がある。


繊細な手彫りが表す緻密なアラベスク
2015年の「メティエ・ダール・メカニカル・グラヴェ」。ダイヤルはムーブメントの地板そのもので、古代ギリシャ建築に用いられたアカンサスの葉が織りなすアラベスク模様をエングレービングで表した。ケースはプラチナ製。

多様な技巧が一つの時計に集約
2014年発表の「メティエ・ダール・ファブリュ・オーネマン」。スケルトン・ムーブメントを覗かせるオフセットしたダイヤルの周囲に、エナメルや宝飾、彫金など様々な技巧が華やぎを添える全₄モデルを展開した。

17の機構を備えるオーダーメイド品
オーダーにより、アトリエ・キャビノティエで製作された1本。ミニッツリピーターやトゥールビヨン、複数の天文表示など17もの機構を一つに収めた。ケースサイドには、干支がハンドエングレービングされている。

分単位の時は、リピーターで知る
これもアトリエ・キャビノティエ製作モデル。針は24時間表示の時針1本しかなく、分単位の正確な時間はミニッツリピーターで知る仕掛け。何とも優雅にして贅沢な複雑時計は、オーダーメイドならでは。

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