2019.09.04

ユリス・ナルダンのブランドイメージを一新する新作“X”とは?

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ジャン=クリストフ・サバティエ
ユリス・ナルダン プロダクトマーケティング部長。1970年フランス・ディジョン生まれ。ビジネススクールを卒業後、自動車業界、スキー用品業界で経験を積んだ後、2002年にボーム&メルシエに入社し、時計業界でのキャリアをスタートさせる。2011年にケリンググループに移り、ブシュロンの時計部門でディレクターを務め、2016年にプロダクト・ディレクターとしてユリス・ナルダンに入社。

プロダクト責任者が語る新しい世代に向けたニューモデル

ユリス・ナルダン2019年新作の中核を成すのは、2つの“X”だった。メゾンのプロダクトマーケティング部長を務めるジャン=クリストフ・サバティエ氏が「ミレニアム世代を意識した」と語るそれらの外観は、なるほど若々しい印象に仕上がっている。とりわけ「スケルトンX」は、それまでのユリス・ナルダンにはなかった、その名の通り透明感豊かでモダンなスケルトン・ウォッチとなっている。

「スケルトンXは、ムーブメントとケースとの融合をテーマとしました。どこまでがケースで、どこからがムーブメントなのか分からないテクノロジーとデザインの融合です。ダイヤルは透明で、ムーブメントが宙に浮いているかのように全容を見せています。そして機械式を象徴するテンワは、より目立つよう通常よりも大型サイズを採用しています」

スケルトン X/長方形とXとによるスケルトン構造が、実に斬新。透明なダイヤルに、新型手巻きムーブメントCal.UN-371のほぼすべてのパーツを露わにする。12時位置の香箱は、放射状の装飾で審美性にも優れる。シリシウム製のテンワは、ブレード構造で歩度調整用のウェイトも取り付けられている。新素材カーボニウム製ケースの質感も目新しい。手巻き。ケース径43mm。カーボニウムケース。カーフストラップ。243万円。

ダイヤル中央にある四角いフレームと、その周囲に取り付けられた4つの巨大なローマ数字とでムーブメントの各パーツを支える構造。6時位置で毎秒6振動のロービートを刻む大型のテンワは、シリシウムで作られている。加えてひげゼンマイ、脱進機もシリシウム製だ。

「我々はシリシウム技術において、スイスで最も長い経験を持っています。そしてその技術を多様なパーツに転用できないか、研究を進めてきました」

シリシウム製のテンワには、ロジウムコーティングを施した真鍮製のウェイトが備わり、理想の慣性モーメントを得ている。シリシウム製ひげゼンマイも、メゾン独自のカーブで振動時の偏りを解消。同じくシリシウム製のアンクルと脱進機は大振りで、大胆なスケルトンダイヤルから、その動きが鮮明に見える。

このシリシウム製テンワを最初に採用したのが、「フリーク」コレクションだった。その新作が、2つ目の“X”。通常の自動巻きローターをはじめて用いた新型Cal.UN-230を搭載した「フリーク X」である。

「ムーブメントが分針を兼ねるフリークもまた、テクノロジーとデザインとの融合が図られたコレクションです。その脱進機は、シリシウムでしか作れない形状とし、より効率を高めています」

フリーク X/ムーブメント自体が時分針となり、1時間で1周する独自のカルーセル機構の最新作。機構をシンプルに設計し直し、かなり身近な価格設定をかなえた。シリシウム製テンワのダイヤル中央側に、独自形状のシリシウム製脱進機の姿が見えている。同機構初の通常ローターによる自動巻きで、やはり初めてケースサイドのリューズが装備された。自動巻き。ケース径43mm。カーボニウムケース。アリゲーターストラップ。278万円。

2つの新作“X”には、軽量な新素材カーボニウムをケースに用いたモデルがラインナップされる。

「素材でも、新鮮さを出したかったのです。カーボニウムは、航空機の機体に使われるカーボンをリサイクルして作られたエコな新素材。比重はアルミニウムの半分と、非常に軽量なのでスケルトンXやフリークXのような透明感のあるモデルには、まさにふさわしい」

ムーブメントも外装も、新素材で新境地を開く。

写真/谷口岳史 取材・文/高木教雄

 

問い合わせ先:ソーウインド ジャパン ℡03-5211-1791

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