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2021.02.12
アンダー30万円以下のグランプリ時計2020はロンジン ヘリテージ ミリタリーに決定!
アンティーク派も見逃せない
ゴールドオパーリンの〝枯れた〞質感
この価格帯は、時計ファンの裾野を広げる重要なカテゴリー。だからこそ、各社とも採算を度外視して魅力的なモデルを繰り出す激戦区に。中でもロンジンの新作は頭ひとつ抜けた仕上がりだった……
この独特の色味がたまりません(吉田)

グランプリモデル
ロンジン
LONGINES
ロンジン ヘリテージ ミリタリー
オールドロンジンの外観に最新鋭ムーブ搭載!
1947年にロンジンがフランス海軍に向けて製作したモデルの復刻版。アンティークと言っても通じる迫真のエイジング演出がなされながら、シリコン製ひげゼンマイを採用した最新のL888.5を搭載しているのが面白い。自動巻き。径38.5㎜。SSケース。レザーストラップ。24万円。問い合わせ:ロンジン
選定員はこの人!
ライター 吉田 巌氏
ガンガンつけ倒しても安心な今買えるオールドタイマー!
よくぞここまで細やかにオリジナルの雰囲気を再現してくれました。文字盤には古い時計に見られる黒い斑点まであり、アンティーク店に並んでいても違和感がない。初心者にもディープな時計好きにもオススメの1 本です。

Profile
時計のほか、服、靴、鞄、革小物など男の物欲をくすぐるアイテムについて各雑誌&WEBで執筆。バイク好き。
この価格帯の見どころ
エントリー的価格帯ながら、じつはツウも唸る良機がゴロゴロ。シリコン製ひげゼンマイ採用機や、COSC認定をパスした高精度機も購入可能。外装の仕上げも高級化が著しく、セラミックやブロンズなど最新素材を用いたモデルも狙える。
元祖デジタル時計を超マニアックに再現
ハミルトン
ハミルトン PSR
世界初のLEDデジタル時計「ハミルトン パルサー」。今作は1973年発売の「P2」のデザインを完全再現したもの。クォーツ。40.8×34.7㎜。SSケース&ブレス。9万円。問い合わせ:ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン
ブレスとストラップを同梱したシック3針
ティソ
ティソ ジェントルマン オートマティック ジャパン リミテッドエディション
1960年代製モデルに範を取ったシックなデザインに、〝POWERMATIC 80 SILICIUM〞を搭載したシリーズの日本限定作。自動巻き。径40㎜。SSケース&ブレス(カーフストラップ付属)。日本限定500本。10万円。問い合わせ:ティソ
一世を風靡したアート時計が見事復活
アイクポッド
メガポッド 101 ROB
2019年に鮮烈復活を遂げたアイクポッド。鬼才マーク・ニューソンのデザインを堅持しつつ、ぐっとリーズナブルな価格を実現してくれた。自動巻き。径46㎜。SSケース。シリコンストラップ。14万5000円。問い合わせ:大沢商会
電波ソーラーでもミニマルを貫く
ユンハンス
マックス・ビル メガ ソーラー
バウハウス最後の巨匠マックス・ビルによる名作が、遂に電波ソーラー化!太陽電池を内蔵するため凸面ダイヤルも新開発されている。クォーツ。径38㎜。チタンケース&ブレス。15万8000円。問い合わせ:ヨーロパッション
日本にしかできない〝藍〞を纏ったマンタ
カシオ
オシアナス マンタ Japan Indigo ~藍~
白蝶貝文字盤とクロコダイルストラップを天然阿波藍で着色、奥行きあるブルーを表現した限定500本モデル。スマホとの連携機能も搭載。クォーツ。径42.3㎜。チタンケース。21万円。問い合わせ:カシオ計算機お客様相談室
ヴィンテージな風格をアップ
モーリス・ラクロア
アイコン ベンチュラー ブロンズリミテッド
’19年登場したダイバーズタイプに、旬のブロンズケースを初採用。グリーンとの相性も抜群で、非常にトレンディな仕上がり。自動巻き。径43㎜。ラバーとカーフストラップ同梱。500本限定。26万5000円。問い合わせ:DKSHジャパン
美しくて屈強なここらしいGMT
ボールウォッチ
ロードマスター マリンGMT
日本に初上陸した「ロードマスター」 のGMTモデル。第2 時間帯の設定は非常に簡単だ。もちろん十八番のマイクロガスライトも搭載。自動巻き。径40㎜。SSケース&ブレス。29万円。問い合わせ:ボール ウォッチ・ジャパン
ティソの日本限定をはじめ高コスパなモデルが多数
コスパに優れたモデルが並ぶ中、極めてお買い得に感じたのがティソの「ジェントルマンオートマティック」だ。もともと同シリーズは高級感ある外装だが、日本限定では十字ラインを配したサンレイ文字盤とストラップをグレーで統一し、よりシックかつモダンな雰囲気に。最大80時間パワーリザーブ&シリコン製ひげゼンマイと性能面も高く、これをSSブレスのオマケまでつけながら10万円でリリースするのは明らかにバーゲン価格。もしストラップを簡単に交換できる流行りのシステムを搭載していたら、間違いなく部門グランプリに輝いていただろう。
またこの価格帯だからこそデザインで遊びたい人には、〝ハミルトンパルサー〞の復刻版や、まさかの復活を遂げたアイクポッドのメガポッドもおすすめしたい。とくに前者はサイズを含めてオリジナルのレトロフューチャリスティックなデザインを忠実に再現。今どきのスポーツMIXなスタイルとも相性抜群で、キャラ的にも人気絶好調のメタル外装G -SHOCKのライバルとなるんじゃないだろうか。
そのほか、遂に電波ソーラー化したマックス・ビル、ブロンズケースを採用したモーリス・ラクロア、日本の藍染めの技を使ったカシオ、ボールウォッチの新たなGMTモデルもお得感が高いが、総合的に考えるとやはりロンジンの「ヘリテージミリタリー」が頭ひとつ上かもしれない。
機械式エントリーに相応しい小ぶりの3針スタイルながら、焼けたようなベージュ文字盤をはじめ、随所に年季の入った時計ファンにブッ刺さりの迫真のエイジング演出がなされている。しかもムーブはシリコンひげゼンマイ採用の最新の自動巻き。もっと上の価格帯のメゾンが行う復刻と並んでも、まったく引けを取らない会心の出来だ。
受賞の理由
①アンティーク風の文字盤
②現行品にはない渋いロゴ
③何気にムーブはシリコン

経年変化したような質感と色合いのゴールドオパーリンダイヤルを装着し、ブランドロゴや、その下にあるフランス向けの〝FAB.SUISSE〞(スイス製)表記も、オリジナルを忠実に再現。

裏蓋はねじ込み式。オープナーであけるときの刻みまで丁寧に再現しているのがすごい。内部にシリコン製ひげゼンマイを採用したCal.888.5を搭載。パワーリザーブは約64時間。
[時計Begin 2021 WINTERの記事を再構成]