- 時計Begin TOP
- 特集
- 60~99万円台グランプリ時計2020はブライトリング リ・エディション待望の第二弾!
2021.02.22
60~99万円台グランプリ時計2020はブライトリング リ・エディション待望の第二弾!
熱狂的ファンを唸らせるリ・エディション待望の第二弾!!
各社が人気モデルを揃える価格帯のノミネートは、復刻やロングセラーで占められた。勝者となったのがブライトリングだ。時計好きの関心も高いリアルウォッチの魅力とは?
復刻、パイロット、手巻き式クロノに軍配
総評については、まずこの価格帯についてあらためて考えてみたいと思う。
般的にアンダー30万円といえば、エントリーをはじめとした、日常的な実用性を重視するデイリーウォッチが中心だろう。そして30〜59万円ともなれば、より個性を表現し、時計に趣味性を求める傾向は増す。いわばパーソナルウォッチということだ。
これらに対し、60〜99万円という価格帯に位置するのは、時計好きが最も興味や関心を持つリアルウォッチではないだろうか。実用性と趣味性に加え、所有する充足感にふさわしい本格派の内容を併せ持ち、けっして憧憬だけではなく、購入も視野に入る。だからこそ評価は厳しくなり、各ブランドも代表作を投入する。そんな活気ある価格帯だ。ノミネート作も、ブランドのヘリテージを再評価した復刻や、熟成を重ねて完成度を増したロングセラーなどタイムレスなモデルが占めた。
セイコーのダイバーズウォッチやゼニスのA3818は、ヘリテージとともに初代オリジナルを忠実に再現した。一方オメガのコンステレーションやタグ・ホイヤーのカレラは、当時のスタイルをベースに、最新鋭の技術と現代的なアレンジを加えて進化させた。それ以外のモデルにしてもすべて名だたる名作揃いで、いまや定番人気とはいえ、リバイバルものがこれだけ集中する価格帯は他にはない。
その中でグランプリモデルに選んだのが、ブラントリングのAVIだ。
自社アーカイブの復刻パイロットという人気スタイルに、オリジナルのケースサイズや、さらに手巻き式クロノグラフにまでこだわり、現代に甦らせた。そして”普段使いのできるヴィンテージ”という、時計愛好家にとって長年の夢を現実にした点でもまさに”リアル”なウォッチなのだ。
この先のブライトリングを示唆するモデル(柴田)

手巻き式に込められたヘリテージへの思い
昨年のナビタイマーに続く、リ・エディション第二弾はコ・パイロットの名で知られる1953年製クロノグラフを復刻した。デザインやサイズを忠実再現し、ムーブメントも01ベースの手巻きを搭載。自動巻き。径41㎜。SSケース。カーフストラップ。90万円。問い合わせ:ブライトリング・ジャパン
グランプリモデル
ブライトリング
BREITLING
AVI REF. 765 1953 リ・エディション
受賞の理由
①キャリバー01を手巻きに
②ケースもオリジナルを継承
③1953本の限定モデル

アビエーター8 同様にオンボードクロックからインスピレーションを受ける。オリジナル(上)との違いは、非防水から3 気圧に向上し、ダイヤルにGENEVAの刻印がないこと。

オリジナルと同位置の3 つのビスで留められた回転ベゼルには、アラビア数字が刻印される。’50年代パイロットの代表的なデザインだ。縁のビーズ装飾もマニア心をくすぐられる。
この価格帯の見どころ
一般的にも知名度の高い機械式時計ブランドがしのぎを削る主戦場であり、それぞれの人気シンボルモデルにオリジナリティを注ぐ。自社製ムーブメントをはじめ、次世代のスタンダードを目指す技術や機構が盛り込まれ、その多様性も楽しめる。
ニューサイズでよりスポーティに
オメガ
コンステレーション
ベゼル左右の爪やケース上下にハーフムーンのアイコニックなデザイン。第5世代にセラミックベゼルの新サイズが加わった。自動巻き。径41㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。70万円。問い合わせ:オメガお客様センター
ブルーグレーのダイバーズの始祖
セイコー プロスペックス
1965 メカニカルダイバーズ 復刻デザイン SBEX009
1965年に登場した国産初のダイバーズウォッチをベースに、10振動ムーブと耐蝕性に優れたSSを採用。世界限定1100本。自動巻き。径39.9㎜。SSケース。シリコンストラップ。65万円。問い合わせ:セイコーウオッチお客様相談室
ブランドの顔がモダンに進化
タグ・ホイヤー
タグ・ホイヤー カレラ 160周年 シルバーダイヤル リミテッドエディション
2447Sと呼ばれる1964年の3カウンターをモチーフに、キャリバー ホイヤー02を搭載。自動巻き。径39㎜。SSケース。レザーストラップ。69万5000円。問い合わせ:LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー
実用的かつスタイリッシュに
カルティエ
パシャ ドゥ カルティエ
1985年の初代デザインのまま、高耐磁、ブレスのクイックスイッチシステムで実用性を向上。自動巻き。径41㎜。SSケース。アリゲーターストラップ(SSブレス付属)。71万円。問い合わせ:カルティエ カスタマー サービスセンター
最新ムーブ搭載のコンパクトサイズ
IWC
ポルトギーゼ・オートマティック 40
王道の3 針スモセコに、待望のケースサイズが復活した。セラミックを採用したペラトン機構の進化形ムーブメント82200で中味も充実。自動巻き。径40.4㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。72万5000円。問い合わせ:IWC
セラミックを大胆に切断接合
シャネル
J12 パラドックス
コレクション誕生20周年を飾る、シンボルのブラックとホワイトのバイカラーは、2色のケースを組み合わせる。自動巻き。径38㎜。セラミック×SSケース&ブレスレット。86万5000円。問い合わせ:シャネル カスタマーケア
ブルー文字盤のレアモデルも復活
ゼニス
クロノマスター リバイバル A3818 ”カバーガール”
1971年に登場し、ブランドの書籍表紙を飾ったことから名づけられた。ブルー文字盤にラダーブレスを装備する。自動巻き。径37㎜。SSケース&ブレスレット。88万円(完売)。問い合わせ:LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス
選定員はこの人!
ライター 柴田 充氏
時計もさることながらブランドにグランプリを
この中から1 本を選ぶのは至難の業で、時計ではなく、むしろブランドを選ぶのに近い作業でした。ブライトリングは、2017年の新体制から難しい舵取りを着実に進めています。ブランドの真価を見極め、未来につなげる。ブレない姿勢が伝わります。

Profile
1962年東京生まれ。時計、ファッション、クルマ、デザインなどのジャンルを専門に、広告や編集ほか、メンズライフスタイル誌を中心に執筆。
[時計Begin 2021 WINTERの記事を再構成]