復刻系ダイバーズとの主導権争い！ モダンダイバーズの逆襲

オメガは今年、「シーマスター 300」の復刻モデルを一新した。と、同時にモダンな「ダイバー 300M」の新作にも注力。初めてフルブラックのアバンギャルドな外観で、時計関係者を驚かせた。

復刻時計は、1980年代から試みられたマーケティング手法である。それらは長くニッチな存在で、限定モデルとして試みられてきた。しかし次第に人気が高まると、復刻時計は1つのカテゴリーとして認知されレギュラー化されるようになってゆく。当初は高級機が多かったが、2015年ごろから次々とダイバーズの復刻系が登場。ファッションでもレトロがトレンドとなったこともあり、たちまち市場を席巻することとなる。

現行のダイバー300Mの登場は、2018年。この時セラミック製のダイヤルに、波模様がレーザー加工によって復活した。新作のフルブラックは、この技術をセラミック製ベゼルにも応用。レーザーで荒らし加工した上にインデックスを立体的に浮かび上がらせた。レトロさでファッション的に評価される復刻系とは異なる、先進の技術素材の融合が可能とした新たな表現が、モダンダイバーズの真骨頂。またモダンダイバーズの多くは実際に潜水士が海で使用することを想定し、開発されている。その証拠にダイバー300Mは、ヘリウムガスエスケープバルブを装備。その円錐形のバルブもリューズもセラミック製である。

オメガ以外からも、新モダンダイバーズが登場。デザイン性も高く、ファッショナブルに装える。