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2025.09.10
Gショックは叩いて強くする!? ヤワな時計達に魂の「鉄槌」を
Gショック最上級ラインMR-Gから日本の伝統を生かした新作が登場。ベゼルとバンドに匠が手作業で鎚起(ついき)を施したこのモデル。機械ではなしえない精緻な職人技と個性的な味わいが楽しめる!
個性的で美しい外観に宿る手仕事による日本の伝統技
外装をフルメタルで統一しつつ、構造と機能から素材、色、仕上げにいたるまで、妥協せずこだわりつくしたG-SHOCK最上級コレクション「MR-G」。その最新作となる「MRG-B5000HT」は、初代を受け継ぐ八角形ケースをベースに、日本伝統の“鎚起”と呼ばれる技術を投入した1本だ。
「並ばず乱れず」それが1点モノの極意

【鎚起】薄い金属板を鎚で打つ伝統工芸・鍛造技術。古来より甲冑や銅器などの金属製品に用いられてきた。ひとつ一つのパーツに職人が手作業で鎚目仕上げを施すことで、重厚な中に美しい輝きを生み出し、1点ずつ異なる味わいに。
“鎚起”とは、古来より武士の甲冑や銅製品などに使われる技術であり、金槌で金属の表面を叩いてランダムな鎚目模様を施すもの。今回はこの道の匠である渡邉和也氏を起用して、伝統的な鎚起を小さな腕時計に再現した。

1978年新潟県生まれ。2001年長岡造形大学工芸デザインコース卒業後、銅器製作の老舗玉川堂に入社。’05年に鍛工舎を開設し、第43回日本現代工芸美術展新人賞、第47回同美術展現代工芸賞他を受賞。
本作はケース&ベゼルに純チタンの約2倍の硬度をもつ「64チタン」を採用。さらにトップベゼルとバンドには約3倍の硬度を誇るチタン合金「DAT55G」を取り入れ、これに渡邉氏が手作業で鎚目を打ち込んだ。鎚起の世界では「並ばず乱れず」が極意とされ、規則的でも無秩序でもない独特の“ゆらぎ”が力強くも心地よい質感を生む。これにより重厚な中に美しい輝きを放つ個性的外装が実現したわけである。
また、ベゼルは多パーツ構成のマルチガードストラクチャーを採用することで耐衝撃性と精緻な美しさを実現。四隅のサスペンションや裏蓋などには、DLCによる朧銀(おぼろぎん)、ピンクゴールドIPによる銅(あかがね)といった日本の伝統色を施しアクセントを加えた。

【カシオ G-SHOCK/MRG-B5000HT-1JR】外装に鎚起を施したMR-Gの新作。チタン合金「DAT55G」製のトップベゼル&バンドを鎚起で仕上げ、朧銀(おぼろぎん)、銅(あかがね)と呼ばれる伝統色を採用した。タフソーラー、マルチバンド6。クォーツ。幅43.2㎜。20気圧防水。限定500本。93万5000円。
鎚起は職人が手仕事で魂を込めて仕上げるため2つと同じパターンはなく、それゆえすべてが1点モノとなる今回の新作。タフネスと贅を極めた最高峰のG-SHOCKをその手に!
商品の問い合わせ先/カシオ計算機 お客様相談室
TEL:0120-088925(時計専用)
※表示価格は税込み
写真/Fumito Shibasaki〈Donna〉 文/岡崎隆奈 構成/市塚忠義