- 時計Begin TOP
- 特集
- ロレックス、オメガetc. 今、時計の文字盤は高級素材に注目!
2025.11.11
ロレックス、オメガetc. 今、時計の文字盤は高級素材に注目!
【学ぶぞ、本格時計】パーツで分けて、すべてを理解しよう!
なんとなくは分かっているけど、人には説明できない……。そんな時計の専門用語を一度しっかりマスターすれば、本格時計の真の価値が見えてくるはずだ!

[ダイアル編]
隠しきれない艶と色気…【贅沢素材】に注目!
素材と加工技術の進化で美を極める無垢ダイアル
21世紀に入り、さまざまな技術&素材革新によりムーブメントは長足の進歩を遂げてきたが、それはダイアルを含む外装においても同じだ。製造技術と素材の両面で、ダイアルの新たな美を各社が創出している。
例えば、まず優れた耐傷性が着目され、ケースとブレスレットで使用されたセラミックは、ダイアルにも転用されるようになった。なぜなら化学的に安定しているため、決して色変わりすることがないからだ。当初は白と黒しかなかったが、色調が均一で、多彩なセラミックが登場したことでグリーンやブルーといったカラーダイアルもかなえられるようになった。また極めて硬いセラミックは難加工材だが、レーザー加工機の普及により、オメガのように模様付けも実現された。
また懐中時計の時代から試みられてきた無垢の金属を用いたダイアルは、加工技術で個性豊かな審美性を発揮。稀代の天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲは金属ダイアルの光の反射を抑え、視認性を高めるためにギョーシェ彫りを導入した。同様の理由でローマン・ゴティエは、WG製ダイアルにロジウムメッキをせず、素材本来のグレーカラーを生かしながらマイクロブラスト加工で光の反射を抑制した。またモリッツ・グロスマンはムーブメントのプレートと地板に用いる洋銀でダイアルを設えてみせた。そして繊細な凹凸模様をハンドエングレービングすることで、反射を抑えると同時に他社にはない工芸的な美を与えている。贅沢な無垢材が、時計の顔を美しくする。
ケース素材に続いてダイアル素材の定番となるのか!?
《セラミックダイアル》
ケースとブレスレットに1980年代から用いられてきたセラミックは、化学的に不活性であるため腐食せず、ダイアル素材にも向く。鮮やかなカラーも、素材本来の持ち味の1つだ。
ロレックス(ROLEX)
オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ


左リューズのGMT
回転ベゼルによる第二時間帯表示と主時針を単独調針出来る機構を備えるGMTモデルに初のセラミック製ダイアルを採用。ベゼルのインサートとダイアルのグリーンが完全に調和する。自動巻き。径40mm。18ct WGケース&ブレスレット。706万2000円。
問い合わせ:日本ロレックス
ロレックス公式サイト
OMEGA(オメガ)
シーマスター ダイバー300M ブラック ブラック


本体はフルセラミック
ケース、逆回転防止ベゼル、ダイアル、リューズとヘリウムエスケープバルブまでセラミックを用い、オールブラックの外観を創出。ダイアルにはレーザーで波模様を加工した。自動巻き。径43.5mm。セラミックケース。ラバーストラップ。150万7000円。
問い合わせ:オメガ
オメガ公式サイト
パッと見ではわからない、これが真の贅沢
《18Kゴールドダイアル》
化学的に安定した18金は、古くからダイアルにも使用されてきた。反射率が高い素材のため優れた視認性を得るためには、光の反射のコントロールが不可欠だ。
ROMAIN GAUTHIER(ローマン・ゴティエ)
C by ローマン・ゴティエ プラチナ エディション

外装素材の贅を極める
モデル名の通り、プラチナケースにWG製ダイアルを組み合わせた贅沢な1本。ダイアルのグレーカラーは素材本来の色であり、丁寧なブラスト加工で極めて繊細なマット感を創出している。手巻き。径41mm。Ptケース。ラバーストラップ。1518万円。
問い合わせ:スイスプライムブランズ
ローマン・ゴティエ公式サイト
独自の色味にハマる時計ファンが続出!?
《洋銀ダイアル》
“銀”の文字が入るが、実際には銅、ニッケル、亜鉛の合金である。別名はジャーマンシルバー。銅が含まれるため、色味の緩やかな経年変化が楽しめる。
MORITZ GROSSMANN(モリッツ・グロスマン)
トレンブラージュ

インデックスも洋銀無垢
鎚目に似たダイアル装飾に加え、ロゴと全てのインデックスも無垢の洋銀からエングレービングで形作られている。彫金師の匠の手業が、唯一無二の美を織り成した。手巻き。径41mm。18KRGケース。アリゲーターストラップ。1012万円。
問い合わせ:モリッツ・グロスマン ブティック
モリッツ・グロスマン公式サイト
[時計Begin 2025 AUTUMNの記事を再構成]
※表示価格は税込み