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2025.11.21
知ってるようで知らない”ギョーシェ” 本物は本当に彫ってます
【学ぶぞ、本格時計】パーツで分けて、すべてを理解しよう!
なんとなくは分かっているけど、人には説明できない……。そんな時計の専門用語を一度しっかりマスターすれば、本格時計の真の価値が見えてくるはずだ!
[ダイアル編]
ライネに学ぶ【ギョーシェ装飾】
手動の専用旋盤を用い金属盤にパターンを彫る
ギョーシェ(ギヨシェ)は、連続したパターンを厚い円盤の側面や金属盤の凹凸で表し、それをパンタグラフなどで縮小して手回し旋盤で金属盤に彫り込む手法を指す。技術の確立は17世紀といわれ、ブレゲが1786年、ダイアルに応用した。当時と同じ原理の手動旋盤はブレゲ以外では作られておらず、他社は古い機械を直しながら技術を継承している。ギョーシェを模した型打ちダイアルもあるが、模様の明確さで彫りが勝る。ライネは古い手動旋盤を持つ小メゾン。複数の原盤を有し、多彩なパターンを展開している。
LAINE(ライネ)
コレクション P37

真のギョーシェダイアル
最新作は、ムーブメントのベースに名機プゾー7001を搭載。ダイアルは、手彫りギョーシェのパターンと色、インデックス、針の違いで5モデルを展開する。針は手仕上げ。丸みと鋭利な切っ先の造形が見事だ。5モデル計99本限定。手巻き。径37mm。SSケース。レザーストラップ。194万7000円。
\ ムーブメントにもギョーシェ! /

搭載するプゾー7001のブリッジのほぼ全面に、ギョーシェが華やぐ。また一部のブリッジは、自社製のブラックポリッシュ仕上げに置換。
ライネがこだわる5種類のダイアル
《スカイツリーツイル》
直線彫り機で綾織
《オーシャンブルーダイヤモンド》
ダイヤモンドのような菱形のパターンが連続する。グレーがかった青でシックな装い。
《サーモンスパイダー》
模様の元来の呼称はライトニング(稲妻)。それをライネのファンはスパイダーと呼ぶ。
《シルバーグレイン》
ギョーシェによるグレインダイアルは、3本の曲線で連続した波模様を織り成した。
《ムラサキフラメ》
このモデルで試みられた新色。フラメ(炎)模様の反射具合で角度によって青に見える。