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2025.12.24
COSC越え、METASのマスタークロノメーター認定が拡大中
【学ぶぞ、本格時計】パーツで分けて、すべてを理解しよう!
なんとなくは分かっているけど、人には説明できない……。そんな時計の専門用語を一度しっかりマスターすれば、本格時計の真の価値が見えてくるはずだ!
[規格編]
取得モデルを拡大するチューダーの戦略とは
クロノメーターを凌ぐ難関【METAS】
過酷な環境下でのテストをクリアした絶大な信頼性
頭文字からMETAS(メタス)と呼ばれるスイス連邦計量・認定局は、ベルンに本拠を置く公的計量機関。さまざまな測定機器と測定手順の検査・認定、研究、管理などを実施している。
2013年にオメガが1万5000ガウスという超高耐磁ムーブメントを開発し、公的認証取得を目指してMETASに働きかけ、翌’14年に新たな腕時計規格「マスター クロノメーター」が制定され、’15年に初の認証取得モデルを発表。チューダーもこの認証取得に動き、’21年から取得モデルをリリースし始め、徐々に拡大中だ。
マスター クロノメーターのテストは、COSC取得が前提で、ムーブメント単体とケーシングした状態で、1万5000ガウスの磁場環境下での3つのテスト、精度に関わる3つのテスト、パワーリザーブ、防水性の計8つのテストを10日以上にわたり実施する。
かなりハードルの高い認証だが、それだけに取得モデルには、絶大な信頼性が保証されるのだ。

METASによるマスター クロノメーター検査は8項目に及ぶ。防水性のテストも行う。

1万5000ガウスの高磁場を発生させる装置内で動作チェックや4日間6姿勢2つの温度での平均日差など、過酷な環境下で検査を行う。

チューダーのファクトリー内の検査フロアにはMETAS関係者のみ立ち入ることのできるラボスペースがある。検査フロアでマスター クロノメーター基準に則って検査されたデータは全て提出され、無作為に選んだロットがMETASのラボ内でも再検査される。

搭載されるムーブメントは、最新のマシーンを用い、さまざまな姿勢差と温度下で、精度テストが行われている。
TUDOR(チューダー)
ブラックベイ 58

METAS認定を推進
1950年代的な雰囲気を纏った「ブラックベイ 58」の3針では初のマスター クロノメーター認定。ダイアルとベゼルを、印象的なバーガンディで統一したのも初。自動巻き。径39mm。SSケース&ブレスレット。200m防水。65万7800円。
問い合わせ:日本ロレックス / チューダー
チューダー公式サイト
[時計Begin 2025 AUTUMNの記事を再構成]
※表示価格は税込み