グローバルブランドとしてさらなるステージに!今度のプレザージュは初のスプリングドライブ!!
セイコーのグローバルブランド「セイコー プレザージュ」は、時計製作と工芸、それぞれの伝統技術を受け継いで、日本ならではの美を世界に向けて発信してきた。
その最新作は琺瑯ダイヤルに独自の機構を潜め、他に比べるモノがない、唯一無二の魅力を放つ。
写真/小澤達也(Studio Mug) 文/髙木教雄 構成/市塚忠義
セイコーのグローバルブランド「セイコー プレザージュ」は、時計製作と工芸、それぞれの伝統技術を受け継いで、日本ならではの美を世界に向けて発信してきた。
その最新作は琺瑯ダイヤルに独自の機構を潜め、他に比べるモノがない、唯一無二の魅力を放つ。
写真/小澤達也(Studio Mug) 文/髙木教雄 構成/市塚忠義
セイコーのグローバルブランド「セイコー プレザージュ」は、時計製作と工芸、それぞれの伝統技術を受け継いで、日本ならではの美を世界に向けて発信してきた。その最新作は琺瑯ダイヤルに独自の機構を潜め、他に比べるモノがない、唯一無二の魅力を放つ。
写真/小澤達也(Studio Mug) 文/髙木教雄 構成/市塚忠義
初代ローレルと同じ、白の琺瑯ダイヤルは、Rikiデザインのクリーンさが際立つ。黒い針とインデックスとの組み合わせで、日本的な美意識である陰影が表されている。自動巻きスプリングドライブ。径40㎜。SSケース。コードバンストラップ。10気圧防水。48万円。
セイコー プレザージュ初のスプリングドライブとして選ばれたのは、自動巻きのCal.5R65。約72時間のパワーリザーブを備え、平均月差±15秒の高精度を誇る。憧れのムーブメントが40万円台で手に入る希少なモデルの誕生だ。
セイコー プレザージュ初のスプリングドライブとして選ばれたのは、自動巻きのCal.5R65。約72時間のパワーリザーブを備え、平均月差±15秒の高精度を誇る。憧れのムーブメントが40万円台で手に入る希少なモデルの誕生だ。
ダイヤルは琺瑯ならではの艶やかな、そして柔らかで優しい質感で純白を表す。針の付け根やパワーリザーブ計の目盛り部分に設けた、わずかな窪みにも均一に釉薬を行き亘らせ、滑らかなスロープ状に設えられるのは、富士琺瑯の横澤 満氏の優れた手業の賜物。そのダイヤルとクッキリとしたコントラストを成し、かつ抑揚があって見やすいアラビア数字は、戦後の日本のインダストリアルデザインを牽引してきた渡辺 力氏が好んで用いた、DIDONI書体である。このアラビア数字と、同じく黒で浮き立つスペード型の時針とリーフ型の分針との組み合わせは、1979年にセイコーが発売した渡辺氏デザインの掛け時計「マリンクロック」を連想させる。日本が世界に誇る職人技術と、ジャパニーズ・モダンとが、ダイヤルに息づいている。
さらにその内には、セイコー独自のメカニズムが潜む。秒針が滑らかなスイープ運針をしている様子から、その正体は明らか。そうプレザージュに初めて、スプリングドライブが搭載されたのだ。1998年に開発された同機構の動力源は、機械式と同じゼンマイ。それがほどける力を利用して、ローターとコイルから成る「ステータ」と呼ばれる小さな発動機を動かして発電する。さらにその電力で、水晶(クオーツ)振動子とICを動かし、その信号でステータのローターの回転を一定に保つ。そのローターの回転を歯車で伝えて、針を正確に動かす仕組みだ。スプリングドライブは、いわば機械式とクオーツのハイブリッド。ゼンマイ駆動は大きく見やすい針が動かせ、しかもクオーツと同等の高精度が得られる互いの弱点を補ったムーブメントだ。
スムーズなスプリングドライブならではの秒針の動きは、琺瑯の滑らかなダイヤルに一層引き立つ。そしてこの高精度を渡辺氏のデザイン哲学が見やすくし、強く実感させる。“琺瑯×渡辺 力”の新プレザージュは、スプリングドライブの魅力を存分に引き出す。
横澤氏が手掛けた琺瑯ダイヤルは言うに及ばず、アラビア数字は厚くぷっくりと盛り上がるように印字され、時分針も立体的に造作されており、どれもが豊かな質感を湛えている。最上級の仕上げが、外装すべてに行き亘る。
琺瑯により表される黒は深く濃く、また艶やかさも浮かべている。針とインデックスは白を用い、クッキリとした色のコントラストで見やすく仕立てられている。ブラウンストラップとの組み合わせが、お洒落。価格は白琺瑯ダイヤルと同じ。