匠の技巧で艶めくニッポンの伝統工芸を纏うワンランク上のプレザージュ 七宝の青 漆の黒

英語でjapanとも訳される漆は、日本を代表する伝統工芸である。漆を重ね塗り、研ぎ出して生まれるダイヤルは、艶やかさを呈す。文字通りの"漆黒"のダイヤルと、本金蒔絵で描いた"12"が見る人を魅了する。

七宝とは、スイスやドイツの高級時計で用いられるエナメルの一種。半透明の青い七宝の奥には、ダイヤルのベースに施した型打ち模様が。青く色づいた波頭の模様は、美しく広大な海を彷彿とさせる。

英語でjapanとも訳される漆は、日本を代表する伝統工芸である。漆を重ね塗り、研ぎ出して生まれるダイヤルは、艶やかさを呈す。文字通りの"漆黒"のダイヤルと、本金蒔絵で描いた"12"が見る人を魅了する。

七宝とは、スイスやドイツの高級時計で用いられるエナメルの一種。半透明の青い七宝の奥には、ダイヤルのベースに施した型打ち模様が。青く色づいた波頭の模様は、美しく広大な海を彷彿とさせる。

優れた時計製作技術と工芸技術が、ひとつのモデルに融合するセイコーの「プレザージュ」。
セイコーの時計作りの歴史だけでなく、素晴らしき日本の職人技術をも世界に発信する役割を担う。
その最新作で用いられた技巧は、名古屋の七宝と金沢の漆芸。
七宝は海を思わせる透明感ある青を、漆は夜空に浮かぶ月を艶やかな黒と金で表現。
その美しいダイヤルには、国産初の腕時計「ローレル」から受け継ぐアラビア数字が配されて、セイコーの歴史を留めている。
ケースもエレガントに薄くなった。
その内で薄型自動巻きが、静かに正確な時を刻む。
いずれもメイド・イン・ジャパンの真髄を誇るプレザージュは、本物を知る大人の腕にこそふさわしい。

写真/小澤達也(Studio Mug) 文/髙木教雄 構成/市塚忠義

高精度な薄型キャリバー搭載でケースがより薄く生まれ変わった! 高精度な薄型キャリバー搭載でケースがより薄く生まれ変わった!

質感豊かな七宝と漆のダイヤルが、薄型ケースと組み合わされ上質さを増す。
その薄さをかなえる新自動巻きムーブメントが、工芸ダイヤルの魅力を最大限に引き出す。

工芸ダイヤルの気品を増す薄型ケースに潜む新ムーブ

波模様が透けて見える青い七宝ダイヤルからは、潮騒が聞こえてきそう。一方の黒い漆ダイヤルは、蒔絵によって金に仕立てた12のインデックスが夜空に浮かぶ月のよう。想像力をかき立てる2つの工芸ダイヤルには、新設計の薄型ケースが組み合わされた。その厚みは、10.9㎜。自動巻き搭載としてはかなりの薄さだ。さらにダイヤルを覆うサファイアクリスタルは、ベゼルの傾斜と滑らかにつながるボックス型に設えられ、薄さはより際立つ。

七宝と漆、それぞれのダイヤルを一層気高い印象とする薄型ケースは、職人の手作業で鏡面とサテンとに丁寧に仕上げ分けられ、表情が豊かだ。裏蓋をねじ込み式とした、3ピース構造。そこに収められるのは、2018年に開発された自動巻きキャリバー6L35。これまでプレザージュで使われてきた基幹キャリバー6R15よりも1.3㎜も厚みを削った薄型設計である。これまで限定モデルのプレザージュなどに搭載されてきた薄型自動巻きが、再びレギュラーモデルに採用されたのだ。

キャリバー6L35の魅力は、薄さだけに留まらない。毎時2万1600振動の6R15に対し、6L35は毎時2万8800振動のハイビート。これにより高精度となり、耐衝撃性能も向上している。つまり薄くて正確かつ丈夫で、機械的な魅力と実用性は、より高い。

さらにテンプの軸受けには、セイコー独自の耐震構造である「ダイヤショック」を採用する。左のムーブメントの写真で、テンプの受石の上に設置されている三叉状の板バネが、それだ。このバネ形状によりどんな方向から衝撃を受けても、天真の破損を防いでくれる。日本の伝統工芸が美を成すダイヤルの下には、時計製作技術の粋を極めたムーブメントが潜む。

完全新設計のケースは厚さわずか10.9㎜!
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Cal.6L35をレギュラー搭載するにあたり、専用ケースを開発。3ピース構造で、ボックス型のサファイアクリスタルを除いた厚みは10㎜を切っている。ラグの外側を面取りするなど、造形にも凝る。

高精度で薄型のキャリバー6L35
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自動巻きを1.3㎜も薄くするのは、至難の業。さらに毎時2万8800振動のハイビートで、高精度化を実現した。平均日差-10~+15秒は、プレザージュの機械式では最高精度。パワーリザーブは約45時間。

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プレザージュのいまさら用語解説

プレザージュのいまさら用語解説

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【田村一舟氏】

漆芸家。金沢に伝わる加賀蒔絵の第一人者・清瀬一光師に師事し技術を修得後、独自の細密技法を生み出した現代の名工。精密な技術を駆使した精緻な美しさは、海外での評価も高い。

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【安藤七宝店 戸谷 航氏】

国産エナメル技術を確立した「尾張七宝」の伝統を140年受け継ぐ名古屋の老舗。施釉・焼成・研ぎといった工程のほぼすべてが、手作業で行われている。写真は、同店の施釉師、戸谷 航氏。

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【ローレルデザイン】

セイコーの「ローレル」は、1913年に誕生した国産初の腕時計。そのダイヤルに採用されたのが、流麗なアラビア数字のインデックスだった。2つの新プレザージュも、これを継承する。

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セイコー プレザージュSARA021
セイコー プレザージュ

SARA021

波頭が連なる海を模す青

美しく広がる青い海をモチーフとしたダイヤルに、白いアラビア数字と時分針とが美しくコントラストを成す。毎秒8ステップを踏む秒針は色違いのシルバーとし、ハイビートが視覚的に強調された。自動巻き。径39.5㎜。SSケース。クロコダイルストラップ。40万円。

セイコー プレザージュSARA021

いずれもねじ込み式の裏蓋は、シースルー仕様。新型Cal.6L35の雄姿が覗く。裏蓋周囲を強く絞り、ケースの薄さを際立たせた。

セイコー プレザージュSARA023
セイコー プレザージュ

SARA023

月を従えた漆黒の夜空

月に見立てられた本金蒔絵の12は、同じく12だけを赤とした初代ローレルから想を得た。他のインデックスはシルバーで、銀河を想起させる。艶やかな漆ダイヤルは、壮大な宇宙を写し取る。自動巻き。径39.5㎜。SSケース。クロコダイルストラップ。40万円。

セイコー プレザージュSARA023

熟練の技により金粉を毛棒で蒔き定着させる。伝統的な蒔絵による12のインデックスは、漆黒のダイヤルに堂々と浮かび上がる。

Presage

商品の問い合わせ/セイコーウオッチお客様相談室☎0120-061-012(9:30~17:30、土日祝日を除く)