2018.03.09

グランドセイコー(GS)だけに許される「究極クオーツ」の伝承


グランドセイコー(GS)が世界に誇る最高級クーツムーブメント「キャリバー9F」が今年、
誕生から四半世紀を迎えた。節目を飾る記念碑的新作が堂々デビュー!

クオーツの歴史的名作を25年の時を経てリメイク!

腕時計の歴史に、ある時(それは1969年)クオーツ式と呼ばれる新しい形態が誕生し、世界を一変させたことは時計好きなら誰もが知る事実であろう。その先陣を切ったのは、日本のセイコーである。

セイコーの高級ラインとして出発し、現在ではひとつのブランドとして名を馳せるグランドセイコーは、1988年に初のクオーツモデルを発表。次いで1993年にロングセラーとして現在もGSの製品に搭載される「キャリバー9F」を送り出した。クオーツの創始者が威信をかけて仕上げた、最高級のクオーツムーブメントだ。

キャリバー9Fの精度は年間の誤差がなんと±10秒。個体によってわずかに周波数特性が異なる水晶振動子を厳選、3ヵ月もの間、電圧をかけてエージングした後に独自の温度補正回路を搭載することで実現する、贅を尽くしたスペックだ。さらに歩度調整が可能な緩急スイッチや、GSデザインの特徴である太く堂々とした指針をドライブさせるためのツインパルスモーター、指時精度を向上させるためのバックラッシュ・オートアジャスト機構など、“本気”のアクティブな高級機構を満載し、同時に保油性や防塵性を高めるスーパーシールドキャビン構造など、機構保護の態勢も万全。通常のクオーツとは“別モノ”と呼べる一品だ。

そんな、キャリバー9Fの誕生から25周年となる今年、この大きな節目を祝す限定モデルがお目見えとなったのだ。「SBGT241」は初代キャリバー9Fモデルを現代的にリメイクし、クラシカルな魅力に洗練されたモダニズムが寄り添う様子はGS流エレガンスの真骨頂。ムーブメントはデイデイト表示を備える9F83だが、特筆すべきはその精度で、搭載されるムーブメントは前述の水晶振動子をさらに厳格に選別することで年差を±5秒まで高めた特別仕様となっている。グランドセイコー・クオーツの“究極”である。

9Fクオーツが我々に伝えるのは、高精度というクオーツ本来の長所や魅力と、それを長期にわたり愛用する素晴らしさ。クオーツの頂点を極めたブランドならではの真摯なメッセージが、あらゆるディテールに凛と宿る。

これが高精度の証

巧緻な立体装飾に注目

1970~’80年代に高精度の証だったクオーツマークがモチーフの「GS」「9F」パターン。25分位置に1カ所だけ「9F25」が隠されている。

星が±5 秒を象徴

水晶振動子を厳選し、特別工程で年差± 5 秒(気温5 ℃~ 35℃で着用時)に精度を追い込んでいる。文字盤にはその証の“星”が。

GSの象徴・金獅子が鎮座

18KYG製メダリオンには高雅な獅子の紋章。外周に「Caliber 9F 25thAnniversary Since 1993」の文字とシリアルナンバーの刻印。

特別精度の1500本限定モデル!


GRAND SEIKO
キャリバー9F 25周年記念限定モデル

最高精度のクオーツ!

「SBGT241」は1993年にGS専用のクオーツムーブメント「キャリバー9F」を初搭載したモデルを特別精度でリファイン。ケース径がオリジナルの37㎜から2㎜サイズアップされ、存在感も抜群だ。搭載のCal.9F83は、日付が瞬時に切り替わる瞬間日送り機構を採用。世界1500本限定。クオーツ。径39.1㎜。SSケース&ブレス。10気圧防水。35万円。

シースルーバックケースの「44GS」仕様もある!!

1967年に発売された「44GS」のデザインを現代的に解釈した「SBGV238」は世界限定600本で、ファン垂涎の裏スケ仕様! 美しい装飾が施されたデイト付きCal.9F82の美貌が目を愉しませる。こちらも年差±5秒の特別精度を採用。


グランドセイコーマスターショップ限定モデル。
クオーツ。 径40㎜。SS+18KYGケース。SSブレスレット。10気圧防水。50万円。4月発売予定。


1967年に発売された「44GS」のデザインを現代的に解釈した「SBGV238」は 世界限定600本。年差±5 秒の特別精度を採用。

[時計Begin 2018 SPRINGの記事を再構成]
写真/小澤達也(Studio Mug) 文/川口哲郎 構成/市塚忠義