2018.04.10

【ブランド別キャリバー全部出し】シャフハウゼンの名門IWC アイ・ダブリュー・シー・キャリバーの系譜

耐久性に優れた多彩な自社ムーブ

1950年代に高効率なペラトン式自動巻き機構を考案した技術責任者アルバート・ペラトン氏の設計思想が、現行キャリバーにも受け継がれる。それは「高精度でかつ耐久性に優れる」こと。薄型キャリバーを持たないのは、そのため。ブリッジも大きく屈強な構造を身上とする。ロングパワーリザーブを得意とするのも、実用機としての性能を求めた結果だ。余力があるため、モジュールによる機能の追加も容易で、ラインナップは多彩。

では、フォトギャラリー形式で、IWCを代表する10のキャリバーを順に見ていこう。

ちなみに主要10ファミリーの他にも…
52000系
7日巻きオートマティックの系譜。上の52010に加え、センターセコンドの52110がある。これをベースとした永久カレンダーの52610と52615、アニュアルカレンダーの52850をラインナップ。

59000系
手巻きの8デイズの系譜。パワーリザーブ計がない 2針+スモールセコンドの59215が最もシンプル。ほかビッグデイトと裏側にパワーリザーブ計を持つ59235、それにパワーリザーブ計が表側にある59230、シングルデイト+パワリザ計+ムーンフェイズの59800、ワンプッシュクロノ・モジュールを載せた59360がある。

89000系
自動巻きクロノの系譜。89365は時積算計がない改良型。永久カレンダーには89800、89801、89802の3種類があり、ワールドタイマーの89760、トゥールビヨンの89990を網羅する。

5011
元祖自動巻きロングパワーリザーブ
7デイズの自動巻き。ダイヤル側にそのパワーリザーブ計とデイトを備える。現行のビッグ・パイロットが積むCal.51111は、これをベースに毎時2万1600振動とした改良型だ。自動巻き機構はペラトン式。
DATA:自動巻き。直径37.8㎜。44石。パワーリザーブ約168時間。毎時1万8000振動。
代表搭載モデル:ビッグ・パイロット(2005年製まで)

51011
スモセコ仕様の7日巻き
右のCal.5011の改良型にして進化形。センターセコンドである5011をスモセコ化。振動数も上げながら、7日巻きを保持させた。3時位置にパワーリザーブ計、9時にスモセコ。
DATA:自動巻き。直径37.8㎜。42石。パワーリザーブ約168時間。毎時2万1600振動。
代表搭載モデル:ポルトギーゼ・オートマティック(2010年製まで)

52010
モダンなハイビート機
2015年に誕生した7 日巻きオートマティックの現行機。振動数を毎時2 万8800振動にまで上げ、精度と耐衝撃性を高めた。香箱を2つに増やし、ハイビートでも7日巻きを保持。
DATA:自動巻き。直径37.8㎜。31石。パワーリザーブ約168時間。毎時2万8800振動。
代表搭載モデル:ポルトギーゼ・オートマティック

59210
手巻きのロングパワーリザーブ
現在のIWCを代表する手巻きムーブメント。パワーリザーブは8日間だが、1日分の余力を持ち、8日目で自動停止する機構を備える。巨大なプレートで全体を覆った造作が屈強。パワリザ計も装備する。
DATA:手巻き。直径37.8㎜。30石。パワーリザーブ約192時間。毎時2万8800振動。
代表搭載モデル:ポートフィノ・ハンドワインド・8デイズ

69000
最新の自社クロノ・キャリバー
2017年発表の最新キャリバー。コラムホイール式で、クラッチはスイング・ピニオン式。テンプの歩度調整は、伝統的な緩急針式を採用している。3つ目の69370、69375と2つ目の69355とがある。
DATA:自動巻き。直径30㎜。27石(69355)。パワーリザーブ約46時間。毎時2万8800振動。
代表搭載モデル:ポルトギーゼ・クロノグラフ〝150イヤーズ〞(69355)

80110
ベーシックな3針自動巻き
汎用クロノグラフ・ムーブメントの主輪列を流用し、3針に。結果、開発と製作費が抑えられ、コストパフォーマンスに優れた自動巻きとなった。自動巻き機構には、高効率な独自のペラトン式を採用する。
DATA:自動巻き。直径30㎜。28石。パワーリザーブ約44時間。毎時2万8800振動。
代表搭載モデル:インヂュニア・オートマティックAMG

82200
最新のスモセコ自動巻き
2針+スモールセコンドの自動巻きで、今年発表されたばかりの新キャリバー。ペラトン式自動巻き機構の構成部品の中で、特に負荷がかかる爪と偏心カムをセラミック製とし、耐摩耗性を向上させている。
DATA:自動巻き。直径30㎜。31石。パワーリザーブ約60時間。毎時2万8800振動。
代表搭載モデル:ダ・ヴィンチ・オートマティック〝150イヤーズ〞

89361
自社クロノの1号機
2007年に誕生した初の自社クロノCal.89360の自動巻きの耐久性を向上させた現行機。12時位置に備える時・分同軸積算計は、香箱から直接動力を得る独自の設計になっている。フライバック機構も装備。
DATA:自動巻き。直径30㎜。38石。パワーリザーブ約68時間。毎時2万8800振動。
代表搭載モデル:ポルトギーゼ・ヨットクラブ・クロノグラフ

94800
超高精度トゥールビヨン
2012年発表の意欲作。トゥールビヨンのキャリッジ内に駆動トルクを一定化するコンスタントフォースを組み込み、超高精度を実現。ダイヤル側には昼夜表示と南北両半球のムーンフェイズとを搭載する。
DATA:手巻き。直径37.8㎜。43石。パワーリザーブ約96時間。毎時1万8000振動。
代表搭載モデル:インヂュニア・コンスタントフォース・トゥールビヨン

98295

創業者による傑作を継承
チラネジ付きの大型テンプに長い緩急針が備わるスタイルは、創業者製作の懐中時計用キャリバーからの引用。彼の名前であるF.A.ジョーンズ・キャリバーとの愛称を持つ。記念モデルなどで使われる。
DATA:手巻き。直径37.8㎜。18石。パワーリザーブ約46時間。毎時1万8000振動。
代表搭載モデル:ヴィンテージ・ポルトギーゼ・ハンドワインド 1939(2008~2010年)

<b>5011</b><br> <b>元祖自動巻きロングパワーリザーブ</b><br> 7デイズの自動巻き。ダイヤル側にそのパワーリザーブ計とデイトを備える。現行のビッグ・パイロットが積むCal.51111は、これをベースに毎時2万1600振動とした改良型だ。自動巻き機構はペラトン式。<br> <b>DATA:</b>自動巻き。直径37.8㎜。44石。パワーリザーブ約168時間。毎時1万8000振動。<br> <b>代表搭載モデル:</b>ビッグ・パイロット(2005年製まで)
<b>51011</b><br> <b>スモセコ仕様の7日巻き</b><br> 右のCal.5011の改良型にして進化形。センターセコンドである5011をスモセコ化。振動数も上げながら、7日巻きを保持させた。3時位置にパワーリザーブ計、9時にスモセコ。<br> <b>DATA:</b>自動巻き。直径37.8㎜。42石。パワーリザーブ約168時間。毎時2万1600振動。<br> <b>代表搭載モデル:</b>ポルトギーゼ・オートマティック(2010年製まで)
<b>52010</b><br> <b>モダンなハイビート機</b><br> 2015年に誕生した7 日巻きオートマティックの現行機。振動数を毎時2 万8800振動にまで上げ、精度と耐衝撃性を高めた。香箱を2つに増やし、ハイビートでも7日巻きを保持。<br> <b>DATA:</b>自動巻き。直径37.8㎜。31石。パワーリザーブ約168時間。毎時2万8800振動。<br> <b>代表搭載モデル:</b>ポルトギーゼ・オートマティック
<b>59210</b><br> <b>手巻きのロングパワーリザーブ</b><br> 現在のIWCを代表する手巻きムーブメント。パワーリザーブは8日間だが、1日分の余力を持ち、8日目で自動停止する機構を備える。巨大なプレートで全体を覆った造作が屈強。パワリザ計も装備する。<br> <b>DATA:</b>手巻き。直径37.8㎜。30石。パワーリザーブ約192時間。毎時2万8800振動。<br> <b>代表搭載モデル:</b>ポートフィノ・ハンドワインド・8デイズ
<b>69000</b><br> <b>最新の自社クロノ・キャリバー</b><br> 2017年発表の最新キャリバー。コラムホイール式で、クラッチはスイング・ピニオン式。テンプの歩度調整は、伝統的な緩急針式を採用している。3つ目の69370、69375と2つ目の69355とがある。<br> <b>DATA:</b>自動巻き。直径30㎜。27石(69355)。パワーリザーブ約46時間。毎時2万8800振動。<br> <b>代表搭載モデル:</b>ポルトギーゼ・クロノグラフ〝150イヤーズ〞(69355)
<b>80110</b><br> <b>ベーシックな3針自動巻き</b><br> 汎用クロノグラフ・ムーブメントの主輪列を流用し、3針に。結果、開発と製作費が抑えられ、コストパフォーマンスに優れた自動巻きとなった。自動巻き機構には、高効率な独自のペラトン式を採用する。<br> <b>DATA:</b>自動巻き。直径30㎜。28石。パワーリザーブ約44時間。毎時2万8800振動。<br> <b>代表搭載モデル:</b>インヂュニア・オートマティックAMG
<b>82200</b><br> <b>最新のスモセコ自動巻き</b><br> 2針+スモールセコンドの自動巻きで、今年発表されたばかりの新キャリバー。ペラトン式自動巻き機構の構成部品の中で、特に負荷がかかる爪と偏心カムをセラミック製とし、耐摩耗性を向上させている。<br> <b>DATA:</b>自動巻き。直径30㎜。31石。パワーリザーブ約60時間。毎時2万8800振動。<br> <b>代表搭載モデル:</b>ダ・ヴィンチ・オートマティック〝150イヤーズ〞
<b>89361</b><br> <b>自社クロノの1号機</b><br> 2007年に誕生した初の自社クロノCal.89360の自動巻きの耐久性を向上させた現行機。12時位置に備える時・分同軸積算計は、香箱から直接動力を得る独自の設計になっている。フライバック機構も装備。<br> <b>DATA:</b>自動巻き。直径30㎜。38石。パワーリザーブ約68時間。毎時2万8800振動。<br> <b>代表搭載モデル:</b>ポルトギーゼ・ヨットクラブ・クロノグラフ
<b>94800</b><br> <b>超高精度トゥールビヨン</b><br> 2012年発表の意欲作。トゥールビヨンのキャリッジ内に駆動トルクを一定化するコンスタントフォースを組み込み、超高精度を実現。ダイヤル側には昼夜表示と南北両半球のムーンフェイズとを搭載する。<br> <b>DATA:</b>手巻き。直径37.8㎜。43石。パワーリザーブ約96時間。毎時1万8000振動。<br> <b>代表搭載モデル:</b>インヂュニア・コンスタントフォース・トゥールビヨン
<b>98295</b><br><br> <b>創業者による傑作を継承</b><br> チラネジ付きの大型テンプに長い緩急針が備わるスタイルは、創業者製作の懐中時計用キャリバーからの引用。彼の名前であるF.A.ジョーンズ・キャリバーとの愛称を持つ。記念モデルなどで使われる。<br> <b>DATA:</b>手巻き。直径37.8㎜。18石。パワーリザーブ約46時間。毎時1万8000振動。<br> <b>代表搭載モデル:</b>ヴィンテージ・ポルトギーゼ・ハンドワインド 1939(2008~2010年)