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2018.08.22
【シャネルの工房へ行ってきた #4】デザインチームの要望に100%応える心意気
見栄えが悪いパーツを完全に隠す巧みな設計
今年新たに登場したスケルトンムーブは、漆黒の歯車をダイヤルの主役に。
巧妙な設計とハイテク加工技術を注ぎ込み、自社製ムーブは最先端を行く。
高い設計力と最先端技術で美と高性能とを見事に融合
上下を円弧状としたフレームの中に大小2つの円が支えるパーツが、宙に浮くように配置される。今年発表されたキャリバー 3.は、前出の“2”と比べ、輪列の配置はオーセンティックだ。ゆえに設計は容易……ではなかった。困難を極めたのは、リューズ機構だ。リューズには、巻き上げと針合わせとを切り替えるオシドリと呼ばれる機構が不可欠。パリのクリエイション スタジオは、その形状が美しくないから見えないようにと要望したのだ。そこで設計陣は、リューズの巻き芯に対し垂直に設置できるオシドリを考案。ベゼルの下に隠した。また主要な3つの歯車は、超精密加工が可能な型の中でメッキを積層するLIGAと呼ばれる最先端技術で成型。理想的な歯型を得て、高精度を実現した。美は最優先である。同時に高性能であることもシャネルは追求する。
お問い合わせ先:シャネル(カスタマーケア) Tel.0120-525-519
[時計Begin 2018 SUMMERの記事を再構成]
文/髙木教雄 構成/市塚忠義