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2018.11.30
ヴァシュロン・コンスタンタンの“ウチの薀蓄”「パトリモニーはそこかしこが黄金比!」
伝統的法則の応用により完成した究極の造形美
古来より、人々が美しいと感じる形状や造形には一定の法則がある。とりわけ西洋において有名なのが「黄金比」である。最近は日本でもよく目や耳にするこの黄金比とはいったい何か?
黄金比は古代ギリシャから使用され、しばしばギリシャ文字の“φ(ファイ)”で示される。“φ”は1本の線を2分割し、長いほうを短いほうで割った値が「1.618」。これを四角形にあてはめた場合、縦と横の比率が1:1.618となる。この比率で形作られた意匠が最も美しいとされ、古くはパルテノン神殿やピラミッド、ダ・ヴィンチのモナリザ、近年はスポーツカーやアップル社ロゴにも採用されている。
そして、時計界で黄金比を大いに活用したのがヴァシュロン・コンスタンタンの「パトリモニー」だ。’50年代モデルをエレガントなまま、モダンに蘇らせたこの薄型ドレスウォッチは、インデックス間の下底と上底、時針と分針の長さ、インデックスの長さとインデックスから文字盤中心までの長さなどが、すべて1:1.618の比率に。これらを含め計10ヵ所に黄金比が用いられている。つまり、本作の極めてシンプルにして完璧なプロポーションは、確固たる法則のもと、緻密に計算されつくしたものなのである。
1950年代モデルに想を得たピュアで完璧なプロポーション
文字盤周りだけでも7ヵ所に黄金比「1:1.618」が使用されている!
01 1つおきのインデックス間の下底:上底。
02 時針:分針。
03 インデックスの長さ:インデックスから文字盤中心までの長さ。
04 インデックスから外周までの長さ:ドットから外周までの長さ。
05 ベゼル幅およびラグの上底:ラグの下底。
06 ラグの幅:ケース径。
07 リューズ径:ケース厚。
グレー文字盤。Ptケース。322万円。
ホワイト文字盤。18KYGケース。210万円。
ホワイト文字盤。18KPGケース。210万円。
ブラック文字盤(ブティック限定モデル)。18KPGケース。210万円。
スレートグレー文字盤。18KPGケース。210万円。
[時計Begin 2018 AUTUMNの記事を再構成]
写真/小澤達也(Studio Mug)、岸田克法、谷口岳史 文/髙木教雄、岡崎隆奈