2019.12.11

10万円台の時計でここまでやる!? ティソの定番と新定番の悩ましい一騎打ち

コスパの高さに定評があるティソは、今年も魅惑の新作を投入。10万円台で満足できるモダン系とクラシック系、好みはどちら?

 

丸型コンビに復刻トノー大人買いしたい2つの新作

ここ数年来、バイカラー(コンビ)のモデルが、ジワリと人気になっている。ベゼルがゴールドな分、少々お高め……とは、ティソはしない。今年登場の新コレクション「ティソ ジェントルマン」は、SS×RGのコンビモデルを、アンダー15万円から提供する。しかも、シリコン製ひげゼンマイを採用した80時間駆動の自動巻き搭載で。そのデザインは「至極のシンプリシティ」をうたい、極めてオーセンティックでシーンを選ばない。楔形のインデックスは植字。ドーフィン型の針には蓄光塗料も施され、作り込みにも凝る。

同時にティソは、上質なクラシックラインにも復刻版を投入した。「ティソ ヘリテージ ポルト」である。スリムなトノーのシェイプは、1919年製モデルの再現。非常に手間のかかる細身のラグや、ややデフォルメしたアラビア数字など、丁寧に当時の姿が再現されている。手巻きムーブメント搭載というのも、味がある。ゴールドの外観は、PVDであるが質感が良く13万円の価格が信じられないほど。PVDなしもあって、こちらは11万5000円と、さらにコスパは高い。

オーセンティックに行くか、クラシックで洒落るか? 選択は難しいが、思い切って両方大人買い、というのもティソなら決して夢物語ではない。

 

TISSOT(ティソ)
ティソ ジェントルマン
外観も機構も、これぞ王道

SSケースにRGベゼルが華やか。中3針+デイトと機構も王道。植字インデックスの側面は鏡面、表面はサテンとするなど丁寧に各ディテールが整えられた。自動巻き。径40㎜。SS+18KRGケース。右/カーフストラップ。14万6000円。左/SSブレスレット。15万4000円。お問い合わせ先:ティソ

ティソ ヘリテージ ポルト
ポルトワインの樽がモチーフ

上下を強い傾斜でファセットカットした、トノーのフォルムが美しい。スモセコのインダイヤルもトノー型に。アラビア数字の書体や針の形状は、いかにもレトロ。手巻き。ケース42.4×31.1㎜。カーフストラップ。SS(ローズゴールドPVD)ケース。13万円。SSケース。11万5000円。

 

[時計Begin 2019 AUTUMNの記事を再構成]
写真/谷口岳史 文/髙木教雄 構成/市塚忠義