スポーツウォッチ１本持つなら？ ダイバーズVSクロノグラフ

個性が違うスポーツタイプの雄、ダイバーズとクロノグラフ。注目は機能かスタイルか？時計販売現場のプロに訊いてみた。

機能をデザインに昇華させた精悍なスポーティ対決

ダイバーズとクロノグラフ、どちらもスポーツ系の代表格だ。

ＢＥＳＴ新宿本店の系列である札幌の時計店「ＩＳＨＩＤＡ Ｎ43°」のスタッフ、岡崎さんはダイバーズ派。「ダイバーでなくても着用できるスタイリッシュなデザインが好きですね。そのうえで、日常使いに不可欠な高い防水性、視認性、耐磁性を兼ね備えています」。最近のダイバーズは洗練されたデザインが多く、スーツスタイルに合わせやすいうえ、不測の悪天候にも余裕で対応するタフネスさを備える。もちろん、アウトドアシーンにも最適の１本となる。

また、同店の魚山さんはクロノ派。「時間の計測とそれを記録する機能を搭載しますが、クルマや航空機の計器に似たスポーティさが加わるため、存在感が圧倒的に高まります」と語る。クロノグラフといえばダイナミックなスポーツモデルの印象があるが、近年はエレガントなタイプも増え、デザインも幅広い。そしてずばりメカっぽさがカッコいい。

一方、弱点として、ダイバーズは「堅牢・高防水ゆえケースに厚みが出る」。クロノグラフは「パーツが多い分、価格やメンテナンス費が高い」とお２人。その代わりどちらもスポーティで男っぽい。実用性重視ならダイバーズ、幅広いデザインを味わうならクロノ、という結論か？

結論！自分に必要な実用性や機能で選べ

この手もありの
ダイバーズ&クロノグラフ

ド定番

変化球

タフな肉体派か緻密な技巧派か？

クロノグラフ
機能とデザインを併せ持ち！

時間を計測・記録する機能を搭載。ただし、その実際の機能性よりも、計器を思わせるスポーティな意匠に人気が集まる。また、デザインはダイナミックからエレガントまで幅広い。一方で機構が複雑なため、価格やメンテナンス費がかさむ場合もあり、丁寧な扱いも必要だ。

IWC(アイ・ダブリュー・シー)
ポルトギーゼ・クロノグラフ
シンプルながらも存在感抜群
文字盤に積算計インダイヤルを縦に並べた定番。シンプルだが、スリムなベゼルで着用時は実際より大きく見える。昨年末よりムーブメントが自社製となり、ケースが0.4㎜厚くなって13㎜に。自動巻き。径41㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。 3 気圧防水。79万5000円。問い合わせ：IWC

ダイバーズ
視認性が高く実用性も抜群！

本来は潜水用モデルだが、実用しなくても回転ベゼル付き仕様がスポーティで格好よく、街使いにもぴったり。視認性や防水性に優れた本格的な設計となるため、日常生活における実用性能は高い。ただし、ケースに厚みがあるものも多く、ビジネススタイルでは主張が強すぎることも。

BLANCPAIN(ブランパン)
フィフティ ファゾムス オートマティック
回転ベゼル仕様のパイオニア
1953年に仏海軍との共同開発で誕生。初代デザインを踏襲しつつ、ベゼルや風防にサフ ァイア素材を使うなど、モダンかつ高級仕様に進化する。自動巻き。径45㎜。SSケース。セイルキャンバスストラップ。300m防水。 143万円。問い合わせ：ブランパン ブティック銀座

高防水を意味する名称のモデルらしく、300m 防水のハイスペックを確保。また、視認性に優れた夜光インデックス付きのブラック文字盤を初代から受け継ぐ。

[時計Begin 2020 SPRINGの記事を再構成]