2022.09.20

ブレゲ タイプXXシリーズの歴史とは?【ロングセラー変遷記】vol.1

 

エリートパイロットのための
上級クロノグラフ

BREGUET ブレゲ

【タイプXXシリーズ】

1950年代に高級軍用クロノとして誕生し、’90年代に華々しく復活を遂げた ブレゲの「タイプXX」。人気が衰えない同シリーズの何世代にもわたる変遷を詳細に検証する!

Original model オリジナルモデル 【第1世代】

回転ベゼル搭載の仏軍用クロノ

1954年、ブレゲが仏海軍航空隊”アエロナバル”のために製作した初代「タイプXX」。手巻きキャ リバーを搭載したパイロットクロノで、当初は2カウンターだったが、後に3カウンターに変更さ れた。写真のモデルは60分計ベゼルを採用するが、ほかに12時間ベゼル仕様も存在した。

 

機能と仕様を進化させつつ全ラインが現役を続ける

ブレゲと航空業界には特別なつながりがある。同社の5代目ルイ-シャルル・ブレゲは、早くから大空の世界に興味を抱き、飛行士となっただけでなく、世界初のヘリコプターを開発し離陸に成功。そればかりか1911年には、自らの名を冠した航空機製造会社まで設立し、第1次世界大戦における連合軍の勝利にも貢献している。

1950年、フランス海軍が航空機パイロットのためのクロノグラフ製造をブレゲに依頼。4年の開発期間を経て、士官クラス用の高級パイロットクロノが納入された。オリジナルの「タイプXX」が誕生した瞬間であった。同モデルは搭載ムーブや回転ベゼルの改良を重ねながら第2世代となり、’70年代まで生産され続けた。

時を経て1995年、本格的な民間用モデルとしては初の「アエロナバル」が登場する。初代と変わらぬ高級仕様で、フライバック機能を備えたこのモデルはたちまち評判となり、ロレックスのデイトナと人気を二分するまでになる。ケースサイドのコインエッジ装飾など、新たなデザインの採用も人気の要因であった。さらに’98年に日付表示付きの「トランスアトランティック」、2004年にはセンター同軸積算の「タイプXXI」を矢継ぎ早に発表。これらによって、シリーズの人気は不動のものに。そしてついに2010年、業界を震撼させた「タイプXXII」が登場。シリコンパーツをムーブ内に備えることで、テンプが従来の2倍の高速で回転する驚異的ハイビートを達成した。信頼ある高品質&高性能の物語が始まった瞬間でもあった。

【第3世代・1995年~終了 アエロナバル】オリジナルの精悍な意匠を受け継ぎ、1995年に「タイプXX」が大々的に復活。初代を採用した仏海軍航空隊の名称をモデル名に取り入れた。SSケース&ブレス。販売終了。[特徴]数多くの時計に関する開発を手がけた偉大な時計師ブレゲ。そのひとつが、ケースサイドの刻み模様”コインエッジ”。ブランドの矜持を示す象徴的な装飾デザインだ。 [基本スペック]ケース径39mm。自動巻き。2万8800振動。100m防水。

【第4世代・1998年~終了 トランスアトランティック】 実用性を高めたデイト付きアエロナバルの大成功を受けて、1998年に復活後のセカンドモデルを発表。前作のベースデザインを踏襲しつつ、日付追加などのマイナーチェンジが加えられている。SSケース&ブレス。販売終了。[変更点]前作からの最大の変更ポイントは、文字盤の6時位置に日付表示を装備したこと。より実用性の高いスタイルとなり、本作以降のバージョンにも継承されていった。また、ケース仕上げには新たにサ テンフィニッシュを採用。パイロットウォッチの定石に従った仕様といえよう。さらに、文字盤には艶のあるブラックエナメル、針とインデックスにはホワイトゴールドを取り入れるなど、全体的に高級化が図られているのも特徴だった。[基本スペック]ケース径39mm。自動巻き。2万8800振動。100m防水。

【第5世代・2004年~現在。タイプXXI】 オリジナルの誕生から50年の節目に発表されたニューバージョン。クロノグラフの性能がいっそう高度なものへと進化。SSのほか、金無垢やチタンモデルも登場。SSケース&ブレス。183万7000円。[変更点]タイプXXIの大きな変更点としては、まず、クロノグラフ機構の一新が挙げられる。それま でインダイヤルで行われていた分積算表示が、クロノ秒針と同じ文字盤中央に移動。これにより、センター同軸の秒・分フライバック仕様へと進化している。代わりに、3時位置には昼夜が判別できる24時間表示のデイ/ナイト表示を装備した。また、ケース径が39mmから42mmへとサイズアップ。文字盤には独特の光沢を放つブラックロジウムを新たに取り入れた。[基本スペック]ケース径:42mm。自動巻き。2万8800振動。100m防水。

【第5世代バリエーション・2016年~現在。タイプXXI 3817】 滑らかに仕上げられたステンレススチールのケースに、スレートグレーのダイヤルにより、ヴィンテージ感あふれるデザインとなっている。コレクション初のサファイヤシースルーバックも採用。自動巻き。径42mm。カーフストラップ。100m防水。190万3000円。

【第6世代・2010年~現在。タイプXXII】  2010年、驚異の7万2000振動ムーブを携えて新作「タイプXXII」が登場。かつてないそのシステムは時計業界を震撼させた。これを超えるモデルがはたして現れるか? SSケース&ブレス。297万円。[変更点]最新作は7万2000振動(毎秒20振動)の自社製ムーブメントCal.589Fを搭載。この超ハイビートに耐えうるよう、脱進機やヒゲゼンマイにシリコン素材を採用した。センターのクロノ秒針が30秒で文字盤を1周することで、より精密な計測が可能に。6時位置に第2時間帯表示、3時位置にはそれに対応する24時間表示を装備。また、ケース径はさらに大型の44mmに拡大され、モデルの随所に赤色を取り入れるなどインパクトある仕上がりとなった。[基本スペック]ケース径44mm。自動巻き。7万2000振動。100m防水。

【第3世代・1995年~終了 アエロナバル】オリジナルの精悍な意匠を受け継ぎ、1995年に「タイプXX」が大々的に復活。初代を採用した仏海軍航空隊の名称をモデル名に取り入れた。SSケース&ブレス。販売終了。[特徴]数多くの時計に関する開発を手がけた偉大な時計師ブレゲ。そのひとつが、ケースサイドの刻み模様”コインエッジ”。ブランドの矜持を示す象徴的な装飾デザインだ。 [基本スペック]ケース径39mm。自動巻き。2万8800振動。100m防水。
【第4世代・1998年~終了 トランスアトランティック】 実用性を高めたデイト付きアエロナバルの大成功を受けて、1998年に復活後のセカンドモデルを発表。前作のベースデザインを踏襲しつつ、日付追加などのマイナーチェンジが加えられている。SSケース&ブレス。販売終了。[変更点]前作からの最大の変更ポイントは、文字盤の6時位置に日付表示を装備したこと。より実用性の高いスタイルとなり、本作以降のバージョンにも継承されていった。また、ケース仕上げには新たにサ テンフィニッシュを採用。パイロットウォッチの定石に従った仕様といえよう。さらに、文字盤には艶のあるブラックエナメル、針とインデックスにはホワイトゴールドを取り入れるなど、全体的に高級化が図られているのも特徴だった。[基本スペック]ケース径39mm。自動巻き。2万8800振動。100m防水。
【第5世代・2004年~現在。タイプXXI】 オリジナルの誕生から50年の節目に発表されたニューバージョン。クロノグラフの性能がいっそう高度なものへと進化。SSのほか、金無垢やチタンモデルも登場。SSケース&ブレス。183万7000円。[変更点]タイプXXIの大きな変更点としては、まず、クロノグラフ機構の一新が挙げられる。それま でインダイヤルで行われていた分積算表示が、クロノ秒針と同じ文字盤中央に移動。これにより、センター同軸の秒・分フライバック仕様へと進化している。代わりに、3時位置には昼夜が判別できる24時間表示のデイ/ナイト表示を装備した。また、ケース径が39mmから42mmへとサイズアップ。文字盤には独特の光沢を放つブラックロジウムを新たに取り入れた。[基本スペック]ケース径:42mm。自動巻き。2万8800振動。100m防水。
【第5世代バリエーション・2016年~現在。タイプXXI 3817】 滑らかに仕上げられたステンレススチールのケースに、スレートグレーのダイヤルにより、ヴィンテージ感あふれるデザインとなっている。コレクション初のサファイヤシースルーバックも採用。自動巻き。径42mm。カーフストラップ。100m防水。190万3000円。
【第6世代・2010年~現在。タイプXXII】  2010年、驚異の7万2000振動ムーブを携えて新作「タイプXXII」が登場。かつてないそのシステムは時計業界を震撼させた。これを超えるモデルがはたして現れるか? SSケース&ブレス。297万円。[変更点]最新作は7万2000振動(毎秒20振動)の自社製ムーブメントCal.589Fを搭載。この超ハイビートに耐えうるよう、脱進機やヒゲゼンマイにシリコン素材を採用した。センターのクロノ秒針が30秒で文字盤を1周することで、より精密な計測が可能に。6時位置に第2時間帯表示、3時位置にはそれに対応する24時間表示を装備。また、ケース径はさらに大型の44mmに拡大され、モデルの随所に赤色を取り入れるなどインパクトある仕上がりとなった。[基本スペック]ケース径44mm。自動巻き。7万2000振動。100m防水。

 
 

お問い合わせ:ブレゲ公式サイト

[時計Begin 2015 SPRINGの記事を再構成]