2022.10.18

タグ・ホイヤー アクアレーサー シリーズの歴史とは?【ロングセラー変遷記】vol.5

すでに40年以上の実績を誇る
殿堂入りのダイバーズウォッチ

TAG HEUER
タグ・ホイヤー
【アクアレーサー】

一般的にモータースポーツのイメージが強いタグ・ホイヤーだが、じつは海との関係も歴史的に深い。このブランドのダイバーズシリーズ「タグ・ホイヤー アクアレーサー」の系譜を見れば、それは明らかだ。

 

Original Model オリジナルモデル

1978年

現行シリーズの源となる
高級スポーツウォッチ

アクアレーサーの原型となったのが、ウォータースポーツ専用として1978年に開発された「Ref.844」。20気圧防水、ねじ込み式リューズ、夜光塗料付き針、サファイアクリスタルなど、水辺での使用に欠かせない要素を兼ね備えていた。1983年に6大ダイビング機能を搭載したプロフェッショナルな2000シリーズを追加し、1984年にはRef.844とその派生モデルを1000シリーズに改めた。

 

生まれながらの高性能が
時代ごとに着実に進化

タグ・ホイヤーのダイバーズといえば、いまやアクアレーサーが定番。だが同社は早くも1950年に、世界初のレガッタ用潮位インジケーター付きクロノ「マレオグラフ(米名シーファーラー)」’70年代には回転ベゼル付きの「Ref.844」など、海にまつわる名作を輩出してきた歴史をもつ。

そしてアクアレーサー直系のモデルが、’82年発表の「2000シリーズ」だ。水辺で使うラグジュアリーツールウォッチとして開発された同シリーズの特徴は、逆回転防止ベゼル、20気圧の防水性能、ねじ込み式リューズ、夜光仕様のインデックス、サファイアクリスタル風防、二重安全留めバックル。2002年には、プロダイバーズ「2000 アクアグラフ」が追加され、ここに現代ダイバーズに必須の要素がすべて揃った。

2004年、アクアレーサーの名称が与えられた初のモデル「2000 アクアレーサー」は、これらの装備を網羅したうえで、防水性を30気圧に向上。以降、同社のダイバーズはこれがスタンダードとなる。また、デザインもよりモダンに生まれ変わり、その後も改良を重ねるごとに、ますます洗練度を増していった。’10年発表の「アクアレーサー 500M」は、50気圧防水ながらシースルーバックを採用。このブランドの技術力を見せつける1本となった。ブラックラバーの回転ベゼルも、スポーティな魅力をいっそう引き立てる。さらに’15年に発表した新作では、ベゼルの素材が高級感あるセラミックに。文字盤上の装備の見直しにより、視認性も格段にアップしている。

時代とともに性能とデザインを進化させてきた同社のダイバーズ。今後はどんな革新を見せてくれるだろうか。

【2003年】2000シリーズから登場した、50気圧防水のプロフェッショナルダイバーズ「2000 アクアグラフ」。文字盤センターに秒と分の積算針を擁した同軸クロノで、9時位置には24時間表示を備える。さらに、自動ヘリウムガス・エスケープバルブのほか、特許取得の自動ロック・ベゼルシステムも搭載。自動巻き。径43㎜。SSケース&ブレス。生産終了。【変更点】防水性能が50気圧へと格段にアップ。これにともない、エスケープバルブや独自のロック機能付きベゼルなど、プロが使用するにふさわしい装備を多数採用。同時にケースサイドのプッシュボタンも進化した。ここにブラックラバー素材を取り入れてケースの気密性を高め、クロノグラフながら50気圧防水を確保。これにより、当時としては画期的なダイバーズ・クロノが誕生した。

【2005年】伝統の2000シリーズが「アクアレーサー」へとリニューアル。逆回転防止ベゼル、ねじ込み式リューズ、夜光針&インデックスといった装備を受け継ぎつつ、防水性能が30気圧に向上。同社ダイバーズ系モデルの新たなスタンダードとなった。二重ロック式バックルのSSブレスを採用。自動巻き。径41㎜。SSケース&ブレス。生産終了。【変更点】防水性向上もさることながら、デザインにおけるブラッシュアップも見逃せない。丸型プッシュボタン、ブラックアルミ製の60分表示を取り入れるなど、よりモダンでスタイリッシュに進化した。

【2005年】左モデルの「アクアレーサー」の上位タイプである「アクアレーサー デイデイト クロノグラフ COSC」。搭載するCal.16はスイスCOSC認定のクロノメーターを取得。文字盤外周にタキメーターを配し、インダイヤルの仕様も通常と異なる。自動巻き。径43㎜。SSケース&ブレス。生産終了。

【2010年】アクアレーサー コレクションとして初めて50気圧防水を実現した「アクアレーサー 500M クロノグラフ」。6つの伝統的装備を維持したまま、自動ヘリウムガス・エスケープバルブなど新たな技術を投入した。ラバーコーティングの回転ベゼル、ストライプ入りのブラック文字盤を採用。自動巻き。径44㎜。SSケース。ラバーストラップ。生産終了。【変更点】新たに投入した技術は、エスケープバルブのほか、風防上の日付拡大レンズとケース裏のシースルーバック。プロ仕様で裏スケの先駆けとなった。また、ブラックベゼルを取り入れたことで精悍さが増し、文字盤&ケースデザインも洗練度がアップ。

【2010年】Cal.5を採用した「アクアレーサー 500M」のベーシックモデル。基本デザインや性能はクロノグラフと同じだが、ケース径が43㎜と微妙に小ぶりで、拡大レンズ付きデイトの位置も異なる。エスケープバルブ搭載。自動巻き。SSケース。ラバーストラップ。生産終了。

【2016年】セラミック製の逆回転防止ベゼルを備え、新たにデザインした針とインデックス付きのブラック文字盤を採用。モデルの随所に取り入れたイエローカラーがアクセントに。自動巻き。径43㎜。SSケース。ナイロンストラップ。生産終了。【変更点】最大の変更は、ベゼルの素材がセラミックになったこと。耐傷性が高まり、いっそう高級感漂うスタイルに。針とインデックスは大型化され、シリーズ初のナイロンストラップも採用された。

【2020年】ベゼルに革新的な樹脂技術を駆使した格調高いべっ甲模様を採用した「タグ・ホイヤー アクアレーサー キャリバー5」。ダークブルーとライトブルーのカラーパレットが、ヨットのデッキから眺める波間を連想させる。自動巻き。径43㎜。SSケース。アリゲーターパターンラバーストラップ。300m防水。35万7500円。【変更点】逆回転防止ベゼル上の60分目盛りと、3時位置のデイト表示窓の拡大レンズでさらにパワフルなデザインに。ロジウムコーティングされたアプライドインデックスと時針・分針・秒針にはホワイトのスーパールミノバ®が塗布されており、どんな環境でも高い視認性を確保している。

【2021年】2004年に発表されたタグ・ホイヤー 2000シリーズの最終型を彷彿とさせる「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル300」。幅の太い剣型の時針と幅の細い分針を採用し、暗い場所でも2つの針が見分けやすいようになっている。自動巻き。径43㎜。SSケース&ブレス。300m防水。40万7000円。【変更点】300mの防水性能など、ダイバーズウォッチの基本性能を損なうことなく、ケース、ベゼル、ブレスレットはすべてスリム化され、耐久性は向上させた。

【2022年】ブランド初のソーラー駆動型ウォッチ「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ」を発表。クォーツ。径40㎜。ブラックDLCサンドブラスト加工SSケース。ブラックラバーストラップ。200m防水。36万8500円。【変更点】ソーラーグラフムーブメントを搭載した時計は、太陽光または人工光で充電。明るい太陽光に2分間当てるだけで、ムーブメントが1日中駆動、約20時間太陽光に当てるとフル充電され、約6か月間駆動する。

【2022年】1000 mの限界を越えて、どんな挑戦にも立ち向かう究極のラグジュアリーダイバーズウォッチ「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル1000 スーパーダイバー」。スーパールミノバ®が塗布されている面積が大きいため、水中での視認性が向上、分針と秒針はオレンジ色と、ダイビングに最も有用な針を強調している。自動巻き。径45㎜。グレード5チタンケース。1000m防水。80万3000円。【変更点】世界有数のムーブメントメーカーであるKenissi Manufacture SA社製のキャリバーTH30-00を採用。タグ・ホイヤーのためだけに製造された新キャリバーは、信頼性と耐久性が大幅に向上している。

【2022年】タイムゾーンを越えて、世界中のダイバーやサーファーのために設計された「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル300 キャリバー7 GMT」が新登場。傷に強いセラミック製の2トーン双方向回転ベゼルを採用。これは昼と夜の区別するためのものだ。GMT。自動巻き。径43㎜。SSケース&ブレス。300m防水。45万6500円。【変更点】セラミックベゼルに24時間表示のGMTスケールを刻み、デイタイム用のブラックとナイト用のホワイトのコントラストカラーで色付け。24時間に一度ダイヤルを一周するGMT針は、イエローラッカー仕上げで、先端には夜光塗料が塗布されている。

【2003年】2000シリーズから登場した、50気圧防水のプロフェッショナルダイバーズ「2000 アクアグラフ」。文字盤センターに秒と分の積算針を擁した同軸クロノで、9時位置には24時間表示を備える。さらに、自動ヘリウムガス・エスケープバルブのほか、特許取得の自動ロック・ベゼルシステムも搭載。自動巻き。径43㎜。SSケース&ブレス。生産終了。【変更点】防水性能が50気圧へと格段にアップ。これにともない、エスケープバルブや独自のロック機能付きベゼルなど、プロが使用するにふさわしい装備を多数採用。同時にケースサイドのプッシュボタンも進化した。ここにブラックラバー素材を取り入れてケースの気密性を高め、クロノグラフながら50気圧防水を確保。これにより、当時としては画期的なダイバーズ・クロノが誕生した。
【2005年】伝統の2000シリーズが「アクアレーサー」へとリニューアル。逆回転防止ベゼル、ねじ込み式リューズ、夜光針&インデックスといった装備を受け継ぎつつ、防水性能が30気圧に向上。同社ダイバーズ系モデルの新たなスタンダードとなった。二重ロック式バックルのSSブレスを採用。自動巻き。径41㎜。SSケース&ブレス。生産終了。【変更点】防水性向上もさることながら、デザインにおけるブラッシュアップも見逃せない。丸型プッシュボタン、ブラックアルミ製の60分表示を取り入れるなど、よりモダンでスタイリッシュに進化した。
【2005年】左モデルの「アクアレーサー」の上位タイプである「アクアレーサー デイデイト クロノグラフ COSC」。搭載するCal.16はスイスCOSC認定のクロノメーターを取得。文字盤外周にタキメーターを配し、インダイヤルの仕様も通常と異なる。自動巻き。径43㎜。SSケース&ブレス。生産終了。
【2010年】アクアレーサー コレクションとして初めて50気圧防水を実現した「アクアレーサー 500M クロノグラフ」。6つの伝統的装備を維持したまま、自動ヘリウムガス・エスケープバルブなど新たな技術を投入した。ラバーコーティングの回転ベゼル、ストライプ入りのブラック文字盤を採用。自動巻き。径44㎜。SSケース。ラバーストラップ。生産終了。【変更点】新たに投入した技術は、エスケープバルブのほか、風防上の日付拡大レンズとケース裏のシースルーバック。プロ仕様で裏スケの先駆けとなった。また、ブラックベゼルを取り入れたことで精悍さが増し、文字盤&ケースデザインも洗練度がアップ。
【2010年】Cal.5を採用した「アクアレーサー 500M」のベーシックモデル。基本デザインや性能はクロノグラフと同じだが、ケース径が43㎜と微妙に小ぶりで、拡大レンズ付きデイトの位置も異なる。エスケープバルブ搭載。自動巻き。SSケース。ラバーストラップ。生産終了。
【2016年】セラミック製の逆回転防止ベゼルを備え、新たにデザインした針とインデックス付きのブラック文字盤を採用。モデルの随所に取り入れたイエローカラーがアクセントに。自動巻き。径43㎜。SSケース。ナイロンストラップ。生産終了。【変更点】最大の変更は、ベゼルの素材がセラミックになったこと。耐傷性が高まり、いっそう高級感漂うスタイルに。針とインデックスは大型化され、シリーズ初のナイロンストラップも採用された。
【2020年】ベゼルに革新的な樹脂技術を駆使した格調高いべっ甲模様を採用した「タグ・ホイヤー アクアレーサー キャリバー5」。ダークブルーとライトブルーのカラーパレットが、ヨットのデッキから眺める波間を連想させる。自動巻き。径43㎜。SSケース。アリゲーターパターンラバーストラップ。300m防水。35万7500円。【変更点】逆回転防止ベゼル上の60分目盛りと、3時位置のデイト表示窓の拡大レンズでさらにパワフルなデザインに。ロジウムコーティングされたアプライドインデックスと時針・分針・秒針にはホワイトのスーパールミノバ®が塗布されており、どんな環境でも高い視認性を確保している。
【2021年】2004年に発表されたタグ・ホイヤー 2000シリーズの最終型を彷彿とさせる「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル300」。幅の太い剣型の時針と幅の細い分針を採用し、暗い場所でも2つの針が見分けやすいようになっている。自動巻き。径43㎜。SSケース&ブレス。300m防水。40万7000円。【変更点】300mの防水性能など、ダイバーズウォッチの基本性能を損なうことなく、ケース、ベゼル、ブレスレットはすべてスリム化され、耐久性は向上させた。
【2022年】ブランド初のソーラー駆動型ウォッチ「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ」を発表。クォーツ。径40㎜。ブラックDLCサンドブラスト加工SSケース。ブラックラバーストラップ。200m防水。36万8500円。【変更点】ソーラーグラフムーブメントを搭載した時計は、太陽光または人工光で充電。明るい太陽光に2分間当てるだけで、ムーブメントが1日中駆動、約20時間太陽光に当てるとフル充電され、約6か月間駆動する。
【2022年】1000 mの限界を越えて、どんな挑戦にも立ち向かう究極のラグジュアリーダイバーズウォッチ「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル1000 スーパーダイバー」。スーパールミノバ®が塗布されている面積が大きいため、水中での視認性が向上、分針と秒針はオレンジ色と、ダイビングに最も有用な針を強調している。自動巻き。径45㎜。グレード5チタンケース。1000m防水。80万3000円。【変更点】世界有数のムーブメントメーカーであるKenissi Manufacture SA社製のキャリバーTH30-00を採用。タグ・ホイヤーのためだけに製造された新キャリバーは、信頼性と耐久性が大幅に向上している。
【2022年】タイムゾーンを越えて、世界中のダイバーやサーファーのために設計された「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル300 キャリバー7 GMT」が新登場。傷に強いセラミック製の2トーン双方向回転ベゼルを採用。これは昼と夜の区別するためのものだ。GMT。自動巻き。径43㎜。SSケース&ブレス。300m防水。45万6500円。【変更点】セラミックベゼルに24時間表示のGMTスケールを刻み、デイタイム用のブラックとナイト用のホワイトのコントラストカラーで色付け。24時間に一度ダイヤルを一周するGMT針は、イエローラッカー仕上げで、先端には夜光塗料が塗布されている。

 

お問い合わせ:タグ・ホイヤー公式サイト

[時計Begin 2016 WINTERの記事を再構成]