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2022.11.08
ショパール ミッレ ミリア コレクションの歴史とは?【ロングセラー変遷記】vol.8
30年以上も続く
毎年恒例人気クロノグラフ
CHOPARD
ショパール
【ミッレ ミリア】
ショパールが長年オフィシャルパートナー兼タイムキーパーを務めるカーレースの名を冠した「ミッレ ミリア」。30年以上も続く人気シリーズだ。そこで、あらためて近年の変遷を追ってみた。
First model ファーストモデル
1998年
記念すべき第1号は
古典的なワンプッシュ
ショパールがミッレ ミレアレースの公式タイムキーパーとなったのを記念し、1988年に発表されたファーストモデル。レース参加者用の限定モデルで一般発売はされなかった。一見3針のようだが、ワンプッシュ式のクロノグラフである。ベゼル上に施されたレッドのアローエンブレムが印象的だ。
安定した性能とデザインで
つねにトレンドを先取り
1927〜57年のあいだ開催された伝説の公道自動車レースをもとに、’70年代にクラシックカー専用レースとして復活を遂げたミッレ ミリア。ブレシアからサンマリノを経て、ローマに至るルートが総計1000マイル(イタリア語でミッレ ミリア)におよぶことから、その名がつけられた。ショパールは、’88年から同レースのオフィシャルパートナーおよびタイムキーパーを担当。同時にその名を冠したウォッチコレクションを発表している。
’88年にスタートした当初は、レース出場者への限定品として製作されていた同シリーズ。’97年より、一般向けのモデルが正式に発売されるようになる。その特徴は、クラシカル&モダンな要素を巧みに融合しながら、他にない個性や先進的な機能・装備を有していること。たとえば早くも ’95年に、ダンロップタイヤに想を得たラバーストラップを採用。’97年には全モデルを自動巻きムーブ搭載に切り替え、2000年以降はすべてCOSC公認クロノメーター化が果たされている。またGMT機能の追加に加え、シースルーバックやアルミベゼルなどをいち早く取り入れたことも挙げられよう。
そして2015年の3針に続き、2016年はついにクロノでも搭載ムーブが自社製に。コラムホイール式、フライバック機能を持つ最新システムの一方、外観は古典的なスポーティデザインが貫かれているのがこのモデルらしい。このように時代ごとに進化を見せるミッレ ミリア。これからも、期待に違わぬ作品を届けてくれるはずだ。
【2004年】GMT機能を搭載した3カウンタークロノ。24時間計が刻まれたSS製ベゼルを、文字盤中央のGMT専用針が指し示すことで第2時間帯を表示。外周にはタキメーター計も備える。裏蓋にアローエンブレムを刻印。生産終了。
【2005年】機能・デザインとも基本的に2004年のスタイルを踏襲しつつ、文字盤に反転色であるブラックカラーの3カウンターを装備。また、後にシリーズの象徴となるダンロップのタイヤモチーフのラバーストラップを採用。生産終了。
【2006年】径44mm。SSケース。46時間パワーリザーブ。100m防水。生産終了。
【2007年】2007本の限定リリースとなった’07年モデル。ケース径を拡大し、グレー文字盤、タキメーター入りのベゼルを採用したほか、プッシュボタンのスタイルを変更。よりモダンな雰囲気に生まれ変わった。生産終了。
【2008年】風防の12・6時位置にデフォルメしたアラビア数字を配した’08年の限定クロノ。ヴァルグランジュ製のCal.A07.211を搭載。ケース裏はシースルーではなく、レースの走行ルートが刻印されている。生産終了。
【2009年】横並び3カウンターのルテニウム文字盤を採用。ベゼルは数字の入らないステップ付きで、プッシュボタンは丸型に。文字盤デザインを含め、全体がクラシカルな雰囲気で統一された。ケース裏はシースルー仕様。生産終了。
【2010年】ヴィンテージカーの車体の一部を思わせる装飾入りのシルバー文字盤を採用。インダイヤルは12・6時位置がブラックで、9時位置がシルバーという変則スタイルに。タキメーター付きのSSベゼルを装備する。生産終了。
【2011年】SSケースが2011本、18KRGケースが250本の限定モデルとして登場。ビンテージ スポーツカーのダッシュボードを彷彿させるエンジンターン模様仕上げの文字盤のブラックが、12時、6時、9時位置にシルバーの縁どりでカットアウトされた3つのカウンター(スモールセコンド、積算計)を華麗に際立たせている。生産終了。
【2012年】クロノメーターキャリバーを搭載したGMT機能付きクロノ。インダイヤルとも黒色で統一した文字盤に、24時間表示のブラックアルミ製ベゼルを装備。モダンななかにレトロな雰囲気が漂うのが特徴だ。生産終了。
【2013年】ベゼルはタキメーター入りで、GMT用の24時間計は文字盤外周にデザインされている。またケース径が44㎜に拡大。”マッシュルーム”仕様のプッシュボタンを採用していた。生産終了。
【2014年】クリーム系の白文字盤に、レッドタキメーターやグリーンの表示を採用。また横並びの3つ目を取り入れるなど、現代的にアレンジした。自動巻き。径42㎜。SSケース。カーフストラップ。生産終了。
【2015年】スイス公認クロノメーター検査局(COSC)認定を受けた自社製ムーブメントが初めて搭載された。燃料計を思わせるパワーリザーブ表示に加え、「ロッソコルサ」レッドの煌びやかな文字盤と、1950年代によく見られたダッシュボードを思わせる大きな数字が特徴的だ。自動巻き。径43㎜。SSケース。カーフストラップ。生産終了。
【2016年】ケース径が46㎜にアップ。黒文字盤の3・9時位置にグレーの時分積算計、外周にタキメーターを配した。自動巻き。SSケース。カーフストラップ。生産終了。
【2017年】ブショネ仕上げが施された文字盤、ヴィンテージカーのダッシュボードから着想した積算計が魅力的なこのモデルはSS製の1000本限定モデル。自動巻き。径44mm。SSケース。生産終了。
【2018年】30年目の記念モデルはケース径42mmで、SSケースは1000本、18Kローズゴールド&SSのコンビモデルは100本限定となる。直径42mmのクロノグラフの外周には、ひと目で平均速度などが確認できるタキメーターを備え、またダッシュボードにインスパイアされた秒、分、時間の3つの積算計を搭載。自動巻き。径42mm。SSケース。生産終了。
【2019年】縦軸に並んだ2つのクロノグラフカウンター、即ち12時位置の分積算計、6時位置の時積算計は、アントラサイトグレーの背景にホワイトの転写が施され、9時位置のスモールセコンドのシルバーインダイヤルと見事なコントラストを表現している。SS製1000本、そして18Kローズゴールド&SS製のバイカラーモデル250本が限定エディションとして用意された。自動巻き。径44mm。SSケース。生産終了。
【2020年】ビーズブラスト加工を施したDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングのケース、マットブラック文字盤には「ヴィンテージイエロー」のマーカーが入り、そのコントラストで表情を際立たせている。このコンビネーションは、クラシックカーのステアリングホイールをイメージしたとか。自動巻き。径42mm。世界限定1000本。95万1500円。
【2021年】ベゼル上には、ポリッシュ仕上げを施したブラックセラミックのタキメーターをあしらい、ホワイトラッカーのマーカーとともに、1000 Migliaの最中に平均走行速度の計測をすることが可能だ。ねじ留め式のケースバックは、チェッカーフラッグ、1000 Migliaロゴ、「Brescia > Roma > Brescia」がエングレーブが施されている。自動巻き。径44mm。SSケース。世界限定1000本。106万7000円。
【2022年】シルバーグレーの文字盤は繊細なサーキュラーサテン仕上げが施され、針、インデックス、ベゼルのインレイには鮮烈なブルーが採用されている。マッシュルームタイプのプッシュボタンは、操作する際の利便性を考慮し、広い表面にギザギザのローレットパターンをエングレーブ。加えてリューズには大きめサイズの刻み目を施すことで、つかみやすく仕上げている 。自動巻き。径44mm。SSケース。世界限定1000本。106万7000円。
お問い合わせ:ショパール公式サイト
[時計Begin 2016 SUMMERの記事を再構成]