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2023.04.13
ベル&ロス「ヴィンテージ」の歴史とは?【ロングセラー変遷記】vol.18
BELL & ROSS
ベル&ロス
【ヴィンテージ】
ベル&ロスのセンスが光るモダンヴィンテージの大定番
名作ロングセラー時計の誕生と歴史、そして変遷を辿るこのシリーズ。
今回は角形BRと人気を二分するベル&ロスの「ヴィンテージ」を取り上げた。
Original model
オリジナルモデル
1997年
’40s航空時計を踏襲した
クラシカルデザイン
1940年代のパイロットウォッチに想を得て誕生した初代ヴィンテージ。直径39㎜のSSケースにはサテン仕上げを施したほか、丸みを帯びたラグ、薄めでフラットなベゼルなどを採用。また、文字盤はクラシカルな2カウンター仕様で、ドットの内側に小さめのアラビア数字を備えていた。
人気上昇の転換点となった
アイコンデザインの採用
ベル&ロスというと、特徴的なスクエアケースと航空計器を模した文字盤の角形BRのイメージが強いが、じつはそれよりも前に登場していたのが丸形の「ヴィンテージ」である。純粋なベル&ロス製品としては第1作となるこのモデルは、’40年代のパイロットウォッチをオマージュする形で’97年に発表。シンプルでけれん味のないラウンドケース、視認性を重視した黒文字盤、サファイアクリスタルで再現された膨らみのある風防などは、それを彷彿させるに十分な仕上がりだった。
2000年代に入るとマイナーチェンジを経て、’10年に一大転機が訪れる。時計界のアイコンに成長した角形BRの文字盤意匠を大々的に取り入れ、名称も「ヴィンテージ BR126」に変更。よりインパクトに満ちたデザインのモデルへと大胆に変貌を遂げたのだ。これによって、それまで別物と思われていたヴィンテージと角形BRは対をなす関係となり、このブランド戦略が見事にはまったことで、人気・注目度とも急上昇したのである。
そして2017年、ヴィンテージはついに第3世代に突入。一時は拡大傾向にあったケースは縮小され、時計のフォルム自体もフラットに。ブラックのタキメーターベゼル、ねじ込み式のプッシュボタン、リューズガードといった新たな装備も加わり、いっそうスタイリッシュな1本へと進化した。
オールドパイロットウォッチのアイデンティティは堅持しながら、ベル&ロスらしい独特のセンスで時代に即した変遷を続けてきたヴィンテージ。残念ながら現行品がラストモデルになるとのこと。ベル&ロスの歴史を語る上で重要なモデルなので欲しい方は今のうちに!!
【2001年】初めての機種変更により「ジュネバ126 ブラック」の名で登場。丸みを帯びた直径39㎜ケースがポリッシュ仕上げとなった一方、2カウンター仕様のブラック文字盤、200mの防水性など、基本的デザインやスペックの多くをオリジナルから引き継いだ。【変更点】時分針がドーフィン型に変更。センターのクロノ針もスモセコ針と同じ形状に。これによって、いっそうクラシック感が増した。また、インデックスが植字スタイルとなり、ドットが取り除かれている。
【2004年】ふたたび”ヴィンテージ”の名を取り戻した「ヴィンテージ126 XL」。最大の特徴となるのは直径42.5㎜の大型ケース。ラグとベゼルの厚み、プッシュボタンのサイズなどもぐんとアップ。”デカ厚”人気に対応したスタイルはこの時代ならではといえる。【変更点】時分針、クロノ針とも、オリジナルのスタイルが復活。インデックスは各時刻バーが取り除かれ、代わりに12・6時位置に三角マーカー、その他には5分ごとのアラビア数字を設置。さらに外周フランジには24時間表示も。
【2010年】ブランドが第2世代に位置づける「ヴィンテージBR 126 オリジナル ブラック」。”BR”の名を新たに冠したことからもわかるように、ケースは丸形のまま、角形BRの文字盤デザインを完全に踏襲。もうひとつのBRモデルとしての歴史がスタートした。【変更点】文字盤は12・6時位置を大型のアラビア数字に、それ以外をロングサイズのバーインデックスに変更。また、針の先端も夜光仕様の太めにするなど、角形BRの意匠を取り入れた。ケースは直径41㎜のサテン仕上げに。
【2013年】仏ダッソー社のジェット機”ファルコン”誕生50周年を記念して製作された「ヴィンテージ BR 126 スポーツ ヘリテージ」。’60年代デザインをコンセプトとし、よりレトロなスタイルに。また、60分目盛りのブラックベゼルを取り入れたことで、ほどよいスポーツ感も。【変更点】前作で大幅に変更された文字盤デザインを受け継ぎつつ、インデックスおよび針にサンドカラーの夜光塗料を塗布。また、インダイヤルなどの仕様がよりシンプルになった一方で、ケースは直径43㎜にサイズアップ。
【2017年】第3世代の”ヴィンテージ”として、2017年リリースされた「BR V2-94 ブラック スティール」。サイズダウンとともに、全体的にスタイリッシュさがアップしている。自動巻き。径41㎜。SSケース。カーフストラップ。100m防水。59万4000円。【変更点】ケースは直径41㎜に縮小し、よりフラットなスタイルに。ベゼルはブラックアルミニウムリング付きのタキメーター表示となる。さらにプッシュボタンもねじ込み式にして、リューズの両側にリューズガードを設置。
【2018年】時を経たかのようなサンドカラーに彩られた12、3、6、9のインデックスが特徴の3針モデル「BR V2-92」。自動巻き。径41mm。SSケース。ブラックラバーストラップ。100m防水。40万7000円。【変更点】ヴィンテージウォッチを彷彿させるぷっくり膨らんだサファイヤクリスタル風防を採用している。
お問い合わせ:ベル&ロス公式サイト