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2023.06.08
【オーデマ ピゲ 2023 コレクション】2つの「初」事情 最新版
sponsored by AUDEMARS PIGUET
ジュウ渓谷の名門オーデマ ピゲは、常に挑戦する姿勢を忘れない。今年も2つのコレクションで、今までになかった試みが見られた。
初01:CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲに
5年目で「初スティールモデル」誕生
ファン待望のSSモデルはディテールが進化
1月末、スイス本社で「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」(以下CODE 11.59)初のSSモデルがお披露目された際、「コレクション史上、最も製作が困難なケース」とアナウンスされた。オーデマ ピゲは、1972年の初代ロイヤル オーク誕生以来、ゴールドよりはるかに硬いSSケースの製作技術を研鑽してきた。しかし直線と平面で構成されるロイヤル オークに対し、CODE 11.59のベゼルと裏蓋、ラグは曲線と曲面とで織り成されている。これらをヘアラインとポリッシュとに仕上げ分けるには、新たなノウハウの確立が不可欠であった。
かくして完成したSS製のCODE 11.59は、硬質な煌めきとマット感を湛え、高級機にふさわしい質感を宿していた。硬いSSならではの美観を見ると、オーデマ ピゲにとってSSはゴールドの代用品ではないと実感できる。ダイヤルも新たに繊細な波目模様が与えられ、インデックスは植字のバーのみに一新。針とリューズも新デザインに。結果、よりシンプルでクラシカルな印象を高め、既存モデルとの明確な差別化がなされた。
オールSSケースに加え、ミドルケースをセラミック製としたバイカラーもラインナップ。バイカラーのダイヤルはグラデーション仕様とし、オールSSはPVDによるグリーンとブルーが選べ、オートマティックとクロノグラフそれぞれに3モデルずつが展開された。CODE 11.59の表現の幅は、さらに広がった。
重ねた同心円でグラデーションを織り成す
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ
アラビア数字だった12をダブルバーに変更。またすべての植字にスーパールミノバを追加した。中心に向かうほど色が淡く見えるダイヤルの同心円装飾を、SSケースのために新たに考案。左右の積算計は、ロジウムのリングで切り分けた。自動巻き。径41mm。SSケース。ラバー加工ストラップ。434万5000円。
模様と色と奏でるグラデーション
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック
スモークベージュダイヤルは、八角形のミドルケースをセラミック製としたバイカラー。装飾模様との相乗効果で、グラデーション感は一層高い。クロノグラフも含め時分針にスリットを設け、スーパールミノバを入れた。自動巻き。径41mm。SS+セラミックケース。ラバー加工ストラップ。346万5000円。
\ 「新」なのはケースだけではありません /
「新」ダイヤル
繊細なグラデの同心円装飾は、まずゴールドプレートに手彫りギョーシェを施し、それから金型を用いてスタンピングしている。
「新」ベゼル
5分(秒)ごとだったインナーベゼルの目盛りが、1/4秒スケールに変更。クロノもタキメーターの内側に1/4秒目盛りを追加した。
「新」リューズ
突起状に深く刻んでいたリューズの溝を、浅く細かく変更。より丸みがかったフォルムとなり、操作時の指当たりも優しくなった。
「新」ローター
22金製の自動巻きローターは、既存品よりも開口部を拡大。結果、重心はより強く偏って慣性モーメントが増大、巻き上げ効率が向上。
ひと目で分かる
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」分布系統図
2019年の誕生以来、CODE 11.59は外装と機構とで豊富なバリエーションを展開してきた。ケースでは異なるゴールドやセラミックとのバイカラーを生み出し、ダイヤルもラッカーの研ぎ出しやグラデ、天然石装飾なども採用。複雑機構もラインナップし、今年もスターホイールとメゾン史上最も複雑なモデルが誕生した。
① CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲオートマティック
Ref.15210BC.OO.A021CR.01
② CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック
Ref.15210BC.OO.A002KB.02
③ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック
Ref.15210ST.OO.A056KB.01
④ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック
Ref.15210OR.OO.A002KB.03
⑤ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック
Ref.15210CR.OO.A008KB.01
⑥ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ウルトラ コンプリケーション ユニヴェルセル RD#4
Ref.26398BC.OO.D002CR.02
⑦ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ミニッツリピーター スーパーソヌ
Ref.26395NR.OO.D002KB.01
⑧ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ パーペチュアル カレンダー
Ref.26394OR.OO.D027KB.01
⑨ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ フライング トゥールビヨン
Ref.26396NB.OO.D002KB.01
⑩ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ トゥールビヨン オープンワーク
Ref.26600NB.OO.D346KB.01
⑪ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ スターホイール
Ref.15212NB.OO.A002KB.01
⑫ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ
Ref.26393NB.OO.A002KB.01
⑬ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ
Ref.26393OR.OO.A002KB.02
⑭ CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ
Ref.26393QT.OO.A064RB.01
初02:ロイヤル オーク オフショア
30周年で初コンビネーション
もう一つのロイヤル オークも誕生から30周年
1980年代半ば、ドイツのセールス担当者からの「ウォータースポーツをターゲットとしたモデル」との提案をきっかけに、「ロイヤル オーク オフショア」の開発はスタートした。優れた防水性能と耐衝撃性を得るため、大型ケースを採用。かくして1993年に誕生した初代オフショアの42mmケースは、当時としてはあまりに巨大だったため、“ビースト”と呼ばれた。
メゾン初のエクストリーム・スポーツウォッチとして誕生したオフショアは、その後、新素材の実験場となった。初代から変わらぬ3ピース構造のケースに別体のプッシュピースガードをネジ留めする構造は、異素材の組み合わせが容易。これまでに多彩な素材が組み合わされてきた。そして今年、新たにブラックセラミックとイエローゴールとがコンビとなった。この組み合わせは、意外にもコレクション初。
ゴールド素材の中では寒色よりのイエローゴールドと無機質なブラックセラミックとのバイカラーは、パワフルかつ洗練された印象である。メガタペストリー装飾のブラックダイヤルには、イエローゴールドの針と植字インデックスを配置。それらの針と植字も、スリットにブラックラッカーを塗布し、ブラックアリゲーターのストラップのステッチには金糸を採用。隅々までブラック×ゴールドのバイカラーとしているのは、この組み合わせに対する自信の表れであろう。精悍さと高級感が程よくマッチした名作である。
外観に行き渡るバイカラー
ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ
ケースとダイヤル、ストラップのすべてをブラック×YGのバイカラー仕立てに。ベゼルを留めるビスのみがSS製で、白い輝きが絶妙なアクセントになった。自動巻き。径43mm。セラミック+18KYGケース。アリゲーターストラップ(ラバーストラップ付属)。748万円。
ブラックセラミックにイエローゴールド
ケースとベゼル、リューズ、プッシュボタンをブラックセラミックで成型。プッシュピースガードとストラップを留めるスタッズをYG製とし、リューズ先端にもYGを配した。
完全に一体型のクロノグラフ
2019年に登場した最新の自社製フライバッククロノグラフCal.4401を搭載。コラムホイール+垂直クラッチのクロノグラフ機構は完全一体型で約70時間駆動と実用性も高い。
ストラップチェンジャブル
ストラップを留める2つのスタッズの裏蓋側はボタンになっていて、押すとストラップが外せる。そしてストラップ終端の突起をスタッズの穴に押し込めば、固定される。
セレブに愛されて30年
ROO(ロイヤル オーク オフショア)コラボヒストリー
独創的なROOは、著名人らを魅了して、これまでに多くのコラボモデルを生んできた。
アーノルド・シュワルツェネッガー
ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ
伝説のコラボモデルがよりスタイリッシュに復活
ブラックセラミックケースにイエローのインデックスを組み合わせ、1999年のコラボモデル「エンド オブ デイズ」をトリビュートした。限定500本。自動巻き。径43mm。セラミックケース。カーフストラップ。748万円。
レブロン・ジェームス
ジェイ・Z
セリーナ・ウィリアムズ
『ロイヤル オーク オフショア 30年の歩み』展が開催中
1993年にエクストリームスポーツウォッチとして誕生した「ロイヤル オーク オフショア」。発売当時はオーバーサイズなスタイルや男性的なデザインにより「ビースト」というニックネームがつくなど賛否両論がある中、モーターボートレースにインスパイアされた大胆なデザインは若者を中心に人気が広がっていきました。その後スポーツ、音楽、映画など、各界のセレブリティとのコラボレーションによりコレクションはさらに豊かなものとなりました。30周年を迎えた今年は、さらに進化した新作が多数発表され盛り上がりを見せている。
オーデマ ピゲ ブティック 銀座の地下1階では現在、『ロイヤル オーク オフショア 30年の歩み』展が開催されている。これは、顧客が個人所有する「ロイヤル オーク オフショア」と入手した背景(ストーリー)を紹介するもので、非常に貴重なモデルを含んだ約20点の品々が展示されている。
『ロイヤル オーク オフショア 30年の歩み』
会場: 東京都中央区銀座6-5-13 オーデマ ピゲ ブティック 銀座B1F
期間:~2023 年12月末まで
時間:12:00–19:00(18:00最終受付)
入場料:無料(事前予約優先)
問合せ:03-6830-0788
予約はこちらより>>>
お問い合わせ:オーデマ ピゲ公式サイト
※表示価格は税込み
写真/岸田克法 文/髙木教雄 構成/市塚忠義