2025.07.10

【シチズン プロマスター】アクアランド40周年記念モデル、初代を継いで正統進化~オンオフ使える万能性を研究~

【JP2008-06E】『シチズン プロマスター』アクアランド 40周年記念限定モデル。9時位置に水深センサーを搭載し、1985年モデルのアイコニックなデザインを充実に再現。200m潜水用防水。クォーツ。SSケース。径50.7mm。世界限定5800本。8万2500円。

ダイバーズウォッチがもっとも活躍するシーズンの到来。高い防水性能に加えて、周囲の時計好きから一目置かれる来歴を備えたモデルが欲しいのなら、「シチズン プロマスター」から登場したご覧の新作は絶好だ。

こちらは世界で初めてエレクトロニクス水深計を搭載したダイバーズウォッチ「アクアランド」の誕生40周年を記念した限定モデル。初代を忠実に踏襲した80’Sテイストなデザインは、ファッションのコク出しにも一役買ってくれる。

その魅力を、シチズンのダイバーズウォッチの歴史を振り返りながら、深掘りしてみよう。

アクアランド 40 周年記念限定モデルの詳細はコチラ

1959年から始まったシチズンダイバーズウォッチの系譜をおさらい

 

[1959年]国産初の完全防水時計を生む

 

シチズンは1959年、風防ガラスの縁、裏蓋、胴の食いつき部分やリューズ部分にOリングと呼ばれる特殊パッキングを使用することで、防水性能を飛躍的に高めた「パラウォーター」を発表。これこそが国産初の完全防水時計だ。1963年にはそのポテンシャルと潮の流れを調査すべく、パラウォーターを取り付けた100個以上のブイを洋上で投下し、黒潮の流れに乗せて太平洋を横断させる壮大なテストを敢行。3年後となる66年に米国オレゴン州、マンザニータの海岸で発見された時計をはじめ、実験を通して回収できたモデルは全て正常に動いており、防水性の高さを見事に実証した。

 

[1982年]当時世界一の1300m防水を実現

その後も自動巻きのダイバーズなどを開発し、このジャンルをリードしていたシチズンは、1982年には、ついに当時世界一の耐圧性能となる1300m防水のクォーツ式ダイバーズウォッチを発表。錆びないチタン製ケースは飽和潜水の際のヘリウムガスが侵入しない超気密構造とされ、リューズは潜水中の機能性を損なわないよう9時位置に配置。尾錠には無減圧表も装備していた。

 

[1985年]世界初のエレクトロニクス水深計付き腕時計の
初代アクアランドが誕生

 

 

1985年に登場した初代アクアランド。

1999年にスペックアップした2代目アクアランド。ヨーロッパでは現在も販売されている。

1985年に登場した初代アクアランド。
1999年にスペックアップした2代目アクアランド。ヨーロッパでは現在も販売されている。

高性能な小型圧力センサーの開発により、1985年には世界初のエレクトロニクス水深計(0.1m単位。80mまで計測可能)を搭載した200m潜水用防水のダイバーズウォッチを発表。これが初代「アクアランド」だ(日本など一部市場では「デプスメーター」の名で展開)。ダイビングがレジャーとして根付くヨーロッパではたちまち大人気となり、リュック・ベッソン監督の映画「グラン・ブルー」(1988年公開)ではジャン・レノ扮するエンゾがフリーダイビングするシーンで着用。またデンマークのフレデリック国王が、皇太子時代に同国海軍特殊部隊に在籍していたときに着用した時計としても知られる。1999年には搭載するクォーツ・ムーブメントを新たなCal.C520に換装して大幅なスペックアップを果たし、ますます本格ダイバーの間での人気を不動のものに。近年アクアランドは国内での展開はなかったが、海外では熱烈なファンに支持され、シチズン特殊ダイバーズの名品として君臨し続けているのだ。

 

[現在]プロマスター マリンとして
スペック別にダイバーズをラインナップ

 

【BN7020-09E】エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー 1000m。1000m飽和潜水用防水で、延長用ストラップが付属する。光発電エコ・ドライブ搭載で、満充電の場合約1年半も動作する。径52.5mm。スーパーチタニウムケース。33万円。

【BN1024-01Z】エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー 300m。 300m飽和潜水用防水で、こちらも延長用ストラップが付属。光発電エコ・ドライブ搭載で、持続時間は約1年。径46mm。SSケース。12万1000円。

【NB6021-17E】メカニカル ダイバー 200m。200m潜水用防水で、こちらは自動巻。径41mm。スーパーチタニウムケース。11万5500円。

【BN7020-09E】エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー 1000m。1000m飽和潜水用防水で、延長用ストラップが付属する。光発電エコ・ドライブ搭載で、満充電の場合約1年半も動作する。径52.5mm。スーパーチタニウムケース。33万円。
【BN1024-01Z】エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー 300m。 300m飽和潜水用防水で、こちらも延長用ストラップが付属。光発電エコ・ドライブ搭載で、持続時間は約1年。径46mm。SSケース。12万1000円。
【NB6021-17E】メカニカル ダイバー 200m。200m潜水用防水で、こちらは自動巻。径41mm。スーパーチタニウムケース。11万5500円。

現在シチズンは、ISO規格に準拠した本格仕様のダイバーズウォッチを「プロマスター」の「マリン」シリーズにて展開している。もっともハイスペックなのは、光発電ムーブメントで世界初の1000m飽和潜水用防水を実現した「エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー 1000m」(左)だが、300m飽和潜水用防水の「エコ・ドライブ プロフェッショナルダイバー 300m」(中)や、メカニカルムーブメントを積んだ「メカニカル ダイバー 200m」(右)なども人気が高い。なお後者は1983年にオーストラリアのビーチで発見され、フジツボに覆われながらも稼働したことから“フジツボタイバー”の愛称で知られる伝説的モデルのデザインを継承したもの。こうした幅広いラインナップも、シチズンのダイバーズが世界中で支持される大きな要因となっているのだ。

 

そして2025年7月……
初代アクアランドが
ロマンそのままに進化して帰ってきた!

アクアランド 40 周年記念限定モデルの詳細はコチラ

シチズンのダイバーズ開発史の中でも、極め付けにエポックなモデルと言える「アクアランド」。その誕生40周年記念限定モデルの外観は、ケースサイズを含め、驚くほど85年の初代に忠実だ。
9時位置にある水深センサーが象徴するように、世界中のプロフェッショナルダイバーズに絶賛された機能もしっかり受け継いでいる。潜水モードでは、文字盤のデジタル表示部で水深、および潜水時間の計測が可能。減圧症などのリスクを軽減するため、一定の速度を超えて浮上すると警告音を鳴らす浮上速度警報機能も搭載する。
ダイビングを趣味とする人にとって頼れるギアであるのはもちろん、その個性的な外観と特殊な機能は、普通のダイバーズウォッチに飽き足らない時計ファンの心も確実に捉えるはずだ。

9時位置に装備する水深センサーは、初代から続くアクアランドのアイコンディテール。

200m防水潜水性能を備え、針とインデックスの12箇所にたっぷり蓄光塗料を充填するなど、もちろんISO準拠の本格ダイバーズにふさわしいスペックを備える。

ストラップの素材は、環境にやさしく、加水分解に対する耐性も向上した、植物由来のウレタン原料“ベネピオール”を新採用。ドライスーツ着用時のことを考慮して延長ストラップも付属している。

9時位置に装備する水深センサーは、初代から続くアクアランドのアイコンディテール。
200m防水潜水性能を備え、針とインデックスの12箇所にたっぷり蓄光塗料を充填するなど、もちろんISO準拠の本格ダイバーズにふさわしいスペックを備える。
ストラップの素材は、環境にやさしく、加水分解に対する耐性も向上した、植物由来のウレタン原料“ベネピオール”を新採用。ドライスーツ着用時のことを考慮して延長ストラップも付属している。

潜水モードにすると文字盤上部の小窓で水深や潜水時間をデジタルで表示(左は水深計作動時。時計がいま水深16mにあることを示している)。

通常モードではこの小窓は、時刻カレンダー、アラーム、ストップウォッチの表示部となる(右はストップウォッチを作動したところ)。

潜水モードにすると文字盤上部の小窓で水深や潜水時間をデジタルで表示(左は水深計作動時。時計がいま水深16mにあることを示している)。
通常モードではこの小窓は、時刻カレンダー、アラーム、ストップウォッチの表示部となる(右はストップウォッチを作動したところ)。

 

時計としても仕上がりも
美しいから普段使いももちろんOK!

9時位置の水深センサーを頭、プッシュボタンをヒレと見立てて「海亀」をモチーフにデザインされたアクアランド。「アクアランド 40周年記念限定モデル」はそのオリジナルデザインを忠実に受け継ぐが、随所にゴールド色のパーツが多用され、記念モデルにふさわしいスペシャル感を高めている。ホーニング仕上げによるつや消しグレーのケースとのコントラストも非常に美しい。
また通常ダイバーズウォッチは逆回転防止ベゼルの縁に大きな刻みを設けるものだが、アクアランドはグリップ性を高めるために伝統的に繊細なローレット加工を採用。リューズにも同様の加工が施されている。それがゴールド色となったことで時計全体の高級感もぐっと増した感じだ。
なお裏蓋には40周年を記念する特別なロゴマークを刻印。よく見ると40の0がセンサーの形状となっており、ここもコレクター心をくすぐるポイントだ。

アーモンドのTシャツ7700円(トライオン☎︎03-4485-0051)、オーシャン パシフィックのショーツ7920円(ニッキー☎︎03-3796-0996)、シアーボのサンダル2750円(ヒラクPR☎︎03-3796-0996)、モスコットのサングラス5万2800円(モスコット トウキョウ☎︎03-6434-1070)。

キクスドキュメント.のシャツ2万8600円、コノロジカのパンツ3万1900円、トゥエンティー エイティーのバッグ1万8700円(すべてHEMT PR☎︎03-6721-0882)、パラブーツのサンダル6万500円(パラブーツ青山店☎︎03-5766-6688)。

水深計搭載の特殊なツールウォッチであることを考えれば、ダイビングなどのマリンスポーツのシーンが「アクアランド 40周年記念限定モデル」にとっての“ON”であるわけだが、一方その個性的なデザインは、マリンスポーツ以外の“OFF”シーンでも活躍してくれる。とくに軽装となる夏場は、9時位置にセンサーを持つ異形ケースや、80’Sテイストなデジアナフェイスは、洒落感を高める絶好のアクセントとなろう。
また本作のケース径は50.7㎜だが、センサー部をのぞけば43㎜程度と一般的なダイバーズウォッチと変わらない。ケース厚も比較的抑えられており、手首に乗せたときに大きすぎると感じることはない。だからキレイ目なスタイルとも意外と相性はいい。むしろグレー×ゴールドのカラーリングは、スタイル全体を大人っぽく格上げするポイントになるはずだ。

ちなみに搭載するムーブメントは、99年のアクアランドからずっと使われ続けているCal.C520。シチズンのクォーツ・ムーブメントでここまで長く使われているものは他にほとんど存在せず、それだけ特殊で、完成度が高い機械と言える。ここも、歴史的な価値あるダイバーズウオッチが欲しい人にとっては魅力に映る部分だろう。

本格的なダイビングシーンに使え、日常のシーンでも個性的に手首を彩る「アクアランド 40周年記念限定モデル」、周囲に差のつくダイバーズウォッチをお探しなら間違いない選択だ。

アクアランド 40 周年記念限定モデルの詳細はコチラ

商品の問い合わせ先/シチズンお客様時計相談室☎0120-78-4807

【写真/若林武志 文/吉田 巌(十万馬力) スタイリング/隈元 星】