2025.07.25

パテック フィリップの“クンロク”の貫禄、健在

新生クンロクは、Ptの輝きをまとった。搭載するCal.30-255 PSは、ダブルバレルによる強力なトルクで65時間高精度を維持する。ストラップのブラウンがダイヤルカラーにマッチ。手巻き。径38㎜。Ptケース。アリゲーターストラップ。3気圧防水。746万円。発売中。

93年間受け継がれる丸形時計の手本となる血統

多くのファンが、待ち望んでいただろう。しばらくカタログから消えていた“クンロク”が、レギュラーに復帰した。1932年、パテック フィリップは、ケースとラグとの関係性を深く考察し、滑らかな曲線でそれらを一続きにした。そしてわずかに膨らんだボンベのダイアルを与え、そこにドーフィン型針とファセットカットした弾丸状の植字バーインデックス、そしてスモールセコンドを配する。シンプルかつ機能的で美しいフォルムとダイアルデザインは、その後の丸型時計の規範の1つとなった。そしてそのスタイルは、リファレンス末尾に「96」が付いたモデルが受け継いできた。

Cal.30-255 PSは各香箱の間に設置したカナで、駆動を二番車に伝達する設計。

下側のラグ間にセットしたダイヤモンドが、Ptケースの証。

Cal.30-255 PSは各香箱の間に設置したカナで、駆動を二番車に伝達する設計。
下側のラグ間にセットしたダイヤモンドが、Ptケースの証。

 

再登場した“クンロク”は、ヴィンテージな印象が強いサーモンピンクに装った。そして針とインデックスをアントラサイトとすることで、引き締まった精悍な雰囲気もまとっている。2021年に登場した手巻きキャリバー30-255 PSを搭載。ケースは前作5196より、やや大きく厚くなったが、傑作の血統は受け継がれている。

パテック フィリップ 公式サイト

[時計Begin 2025 SUMMERの記事を再構成]

※表示価格は税込み