2026.03.03

クラシカルウォッチの黒を極めたA.ランゲ&ゾーネの2本

【2025-2026 本格時計最新事情】
歴史の重みが分かる!老舗周年の渾身モデル

時計ブランドの創業年は、なぜだか西暦の末尾5年が多い。つまり2025年は、周年記念の当たり年であった。150年以上の歴史を誇る老舗に加え、コレクションなどのアニバーサリーも含め、それぞれの歴史にスポットを当てた。

【180周年】A.LANGE & SÖHNE(A.ランゲ&ゾーネ)

フェルディナント・アドルフ・ランゲ
旧ザクセン王国宮廷時計師に学んだ創業者は、エルツ山地の麓の村人たちが鉱物が枯渇し困窮していることを知ると、自らの工房を1845年、同地に開設。そして時計産業を広め、経済的な発展をもたらした。ドイツ高級時計の祖であり、偉人である。

「黒」を極めた2針とコンプリ

1815 トゥールビヨン

キャリッジの上に設置した秒針は、針合わせの際にリューズを引くとゼロリセットし、かつ停止する。時計業界初のメカニズムにより正確な針合わせができ、トゥールビヨンならではの高精度がより強く実感できる。ブティック限定50本。手巻き。径39.5mm。Ptケース。アリゲーターストラップ。価格要問い合わせ。

搭載するCal.L102.1は、ハンドエングレービングを施したキャリッジのブリッジに、ダイヤモンド製の受石をゴールドシャトンで設置した。

サクソニア・フラッハ

2011年に誕生したミニマルな2針の薄型ドレスウォッチの新装版。3サイズを展開する中で、本作は最も大きい40mmケースを初のハニーゴールドで設えた。針とインデックスは完璧な鏡面状に輝き、オニキスダイアルに浮き立つ。限定200本。手巻き。径40mm。18Kハニーゴールドケース。アリゲーターストラップ。価格要問い合わせ。

 Cal.L093.1は、“フラッハ”専用設計。2.9mm厚という極薄ながら約72時間駆動を実現した。それを収めるケースも6.2mm厚の薄さをかなえる。

工芸技術と天然素材で異なる黒の質感を表現

A.ランゲ&ゾーネが4月にジュネーブで発表した新作は、3モデルに留まった。しかし7月以降、5つの新作を次々にリリース。うち4つは限定で、これらはその中の2作である。それぞれが異なる技法で黒の美を表現した。

上は、2014年に初登場した限定モデル「1815 トゥールビヨン」の新装版。そのダイアルは、グラン・フー・エナメルで深淵な黒を呈している。ランゲは、この伝統的なエナメル技術を社内に有する。WG製のベースに釉薬を載せ、高温焼成した後に研磨することで上質な黒は生まれる。さらにトゥールビヨンの開口部は、ダイアルを研磨した後、慎重に手作業で面取りを施して鏡面状に仕上げている。この全工程には、数週間を要するという。

下の「サクソニア・フラッハ」のブラックダイアルは、オニキス製。高貴なまでの漆黒は、天然石ならではである。独自の18金、ハニーゴールドの温和な輝きとも実に相性がいい。

こうしたクラシカルウォッチのブラックダイアルは、市場からほぼ消えていた。ドイツのウォッチマイスターは黒に再び光を当て、美を織り成した。

問い合わせ:A.ランゲ&ゾーネ
A.ランゲ&ゾーネ公式サイト

[時計Begin 2026 WINTER & SPRINGの記事を再構成]

※表示価格は税込み