2026.03.24

カーボン製のひげゼンマイを量産化! タグ・ホイヤーのフライバッククロノ

【2025-2026 本格時計最新事情】
メカニズムの重要性が分かる!ベスト・ムーブメント10傑

時計ブランドは腕時計の真の価値はムーブメントにあると心得、これまでさまざまなアプローチで進化させてきた。今年も、それぞれに独創性を発揮した新キャリバーがいくつも登場。その中から傑出の10機を、選出した。

念願のカーボンひげゼンマイ

TAG HEUER (タグ・ホイヤー)
キャリバーTH20-60

【KEY POINT】

●磁気帯びしないカーボンひげ
●高性能なフライバック機構を搭載
●クロノメーター取得の高精度

キャリバーTH20-60

TH-カーボンスプリングは、シリコンウエハーにカーボンナノチューブを化学蒸着法(CVD)でひげゼンマイ形状に育て(写真下左)、最後にアモルファスカーボンで覆い構造を安定化させている。テンプの軸への設置部も、一体成形。

カーボン製ひげゼンマイ&フライバックに進化

本誌の読者歴が長い人は、2019年にタグ・ホイヤーがカーボン製ひげゼンマイを発表したことを覚えているかもしれない。合金製のような磁気帯びをせず、シリコンよりも軽く等時性が向上する、画期的な大発明であった。しかし多孔質であるため吸湿してしまうという弱点があり、量産に至らなかった。しかしメゾンの研究者は、諦めなかった。製造方法と構造の改良、表面処理により吸湿性を解消。「TH-カーボンスプリング」の名で、実用化を果たした。それを初採用した1つが、このキャリバーTH20-60である。

これは2020年に同社に移籍した時計界きっての才媛キャロル・カザピ氏がキャリバー ホイヤー02に手を加え、’23年にリリースされたキャリバーTH20-00の進化形であり、フライバック機能が備わる。セラミックボールベアリングによる頑強なリバーサーが備わる双方向巻き上げと約80時間のパワーリザーブをTH20-00から継承。実用性に優れ、かつCOSC認定クロノメーター取得の高精度も誇る。

タグ・ホイヤー モナコ フライバック
クロノグラフTH-カーボンスプリング

タグ・ホイヤー モナコ フライバック
クロノグラフTH-カーボンスプリング

カーボンひげに合わせ、ケースとダイアル、さらにリューズとプッシャーまでフォージドカーボンで形作った。ダイアルのスパイラル装飾は、革新的技術採用である証だ。限定50本。自動巻き。幅39m。フォージドカーボンケース。ラバーストラップ。260万7000円。

問い合わせ:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー
タグ・ホイヤー公式サイト

[時計Begin 2026 WINTER & SPRINGの記事を再構成]

※表示価格は税込み