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2019.10.29
時計グランプリ受賞の“あのモデル”が、密かに進化していた!
ボーマティックが密かに進化していた!
開発トップへのインタビューで判明
昨年、本誌時計グランプリを受賞した「クリフトン ボーマティック」のキャリバーが、変わった。既存モデルが積むのはCal.Baumatic BM12-1975A。新作は、Cal.Baumatic BM13-1975Aを搭載する。「実は今年からひげゼンマイをシリコン製から従来の合金製に変更したんです」と、メゾンのCOOダニエル・ブレラード氏は、明かした。
革新的な独自の二層構造シリコンひげゼンマイは、高精度と高耐磁とを重要な目的とするボーマティックにとっては、キーパーツのはずである。「二層構造シリコンひげは、等時性に優れ、磁気帯びしません。しかし新作では、メンテナンス性を重視しました」
シリコンひげは割れやすく、テンプの修理には、特別な技術が必要となる。「訓練をしなくても、どの国でも修理できるよう、合金製に戻したのです。クロムを主成分としたシールドで、1500ガウスの耐磁性を叶えています。精度も、シリコン製と変わりません。それを証明するため、来年のボーマティック搭載の新作は、すべてCOSCを取得します」
シリコンの先進性より合金のメンテナンス性を優先する。ボーム&メルシエらしい良心的な、これは"進化だ"。
耐磁機能はキープしました
[時計Begin 2019 AUTUMNの記事を再構成]
写真/小澤達也(Studio Mug) 文/髙木教雄 構成/市塚忠義