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2020.12.07
ヴァシュロン・コンスタンの新レディス・コレクション「エジェリー」を記念し、歴史的な女性用時計が特別展示
ヴァシュロン・コンスタンタン銀座ブティックにて、2020年12月15日~29日開催
2020年2月にメゾンのレディス・コレクションとして登場した「エジェリー」。オートオルロジュリーとオートクチュールが融合した新コレクションは、ローマ神話に登場する妖精「エゲリア」にその名を由来する。このたび新コレクションにちなんで、メゾンの2世紀にわたるレディス時計がヴァシュロン・コンスタンタン銀座ブティックにて特別展示される。いずれも装飾品としても時計としても博物館クラスばかりで、まさに眼福。期間中、ブティックの2階は「エジェリー」の世界観を表現した「ポップストア」に。フォトコールやラウンジなども設置される。
イエローゴールドとシャンルヴェ・エナメルの女性用ペンダントウォッチ(1834年製造)
腕時計以前、女性たちはペンダントとして時計を着けて楽しんでいた。花から着想したモチーフを繊細な多色のシャンルヴェ・エナメルでカバーに描いた、このペンダントウォッ チもそのひとつ。ケースバンドには花と葉のモチーフが彫られ、シルバーの文字盤にはギヨシェ彫りでタペストリー模様があしらわれている。この時計は、極めて装飾的なジュエリー・ウォッチを好んだ当時の嗜好が証明されており、ヴァシュロン・コンスタンタンが一貫して培った芸術的な職人技が活かされている。
イエローゴールドとエナメルの女性用ブローチウォッチ、ダイヤモンドおよびパウンス装飾の彫金によるレリーフのアップリケ(1901年製造)
19世紀から20世紀にかけて女性用の時計は、一般的には依然として儀式用の装身具や貴重なジュエリーとみなされていた。この1901年の時計は、宝石をセットし、エナメルの花で飾ったブローチには、メゾンが培ってきた芸術的な職人技が見事に表現されている。またイエローゴールドのケースは、パウンス装飾の彫金技法が特徴的。最終仕上げは、花の装飾を加えるためにエナメルの専門職人に委ねられ、花のモチーフをビーズセットのダイヤモンドが引き立てている。
プラチナの女性用ペンダントウォッチ、ダイヤモンドとルビーをセット、吊り下げチェーンにもダイヤモンドをセット(1925年製造)
特別な宝石のセッティングによって、アールデコの典型的な幾何学デザインを際立たせたプラチナ製女性用ブローチウォッチ。ダイヤモンドとルビーを完璧にシンメトリーに配置し、工芸品として超一流。搭載する超小型ムーブメントによって時計技術の傑作にもなっている。宝石を美しくあしらい、上品かつ繊細に作られたこのモデルに完璧にマッチする7リーニュ(2.15 x 6.5 mm)のムーブメントは、メゾンの高い時計製造技術の証である。
彫金を施したイエローゴールドの“サプライズ”ポケットウォッチ(1928年製造)
“狂騒の時代”とも評される1920年代は、人々の情熱を新たな世界の探求へと駆り立てた。大西洋横断航路が 実現し、いつでも時刻が確認できるトラベルウォッチが旅行を通して着けられるようになった。そうした女性たちから支持されたのが、ヴァシュロン・コンスタンタンが彼女たちを想定して作った“サプライズ”ウォッチである。この1928年のイエローゴールドのモデルのように、それらは基本的にアールデコ・スタイルから着想して作られ、ジェムセッティングやギヨシェ彫り、エナメルや幾何学模様の彫金といったメティエ・ダールが自由奔放に用いられたものであった。
リンクがカーブしたブレスレットに彫金を施したイエローゴールドの女性用“シークレット”ウォッチ( 1946年製造)
1940年代以降、アールデコの幾何学デザインは、より自由奔放で活力にあふれたフォルムへととって代わられ、そこにはこの時代に行き渡る自由の精神が反映されていた。時刻も示すジュエリーとして考案された“シークレット”ウォッチは、この時代の変わり目に特に人気を博し、ヴァシュロン・コンスタンタンは、それを実際に作ることでは他に抜きん出ていた。カーブした幅の広いリンクが特徴のブレスレットに、彫金でテクスチャーのようなモチーフを施したこのイエローゴールドの時計は、まさにそうした一例。一段とボリューム豊かなこの時計は、ラグのデザインに綿密な手が加えられて、ケースがブレスレットの中に一体化されているように見える。
イエローゴールドにダイヤモンドとルビーをセットした女性用“ベルト”ウォッチ(1953年製造)
1950年代は戦後ブームの幕開けを告げ、この開放と繁栄の時代に勃興した芸術的上の冒 険的企ては、大胆な形状や予想もしないタッチ、反逆的な遊び心のアプローチといったかたちで世に現れた。そして女性用の時計も、さまざまなフォルムや巧妙にミックスしたジャンルへと範囲を広げる創作表現の場に。 “リストベルト”のように仕立てたこのイエ ローゴールドのメッシュブレスレットは、ブリリアントカットのダイヤモンドとルビーをビーズセットした特徴的なバックルが備わり、装飾を凝らしたカバーの下に時計が隠れる“シークレット”ウォッチのデザイン。
8角形のホワイトゴールドの女性用腕時計、ラピスラズリ文字盤およびメッシュブレスレット( 1972年製造)
1970年代は、ヴァシュロン・コンスタンタンの創造性を育む時代ともなり、以前にもまして特別なフォルムの時計が誕生した。それはまた、ラピスラズリのようなハードストーンの文字盤を用い、ファセットを刻んだガラスが巨大なダイヤモンドのように突起で固定された、この1972年の8角形時計のように大胆な創作の時代でもあった。濃いブルー文字盤の色彩は、ホワイトゴールドのケースと美しいコントラストを成し、完全にラグと一体化、ポリッシュ仕上げが施されたメッシュブレスレットへと続いてゆくシームレスデザインとなっている。
VACHERON CONSTANTIN’S HERITAGE LADIES “POP-UP” EXHIBITION
ヴァシュロン・コンスタンタン ブティック 銀座店
【日程】 2020年12月15日(火)~ 12月29日(火)
【営業時間】 平日13:00~20:00、土日祝12:00~20:00(定休日なし)
【場所】 ヴァシュロン・コンスタンタン 銀座ブティック 2階
東京都中央区銀座 7-8-8 Tel: 03-3569-1755
【お問い合わせ】Tel. 0120-63-1755
※今後の状況により、営業時間変更または臨時休業を実施する場合があります。
(構成・文/TAYA)