2023.01.25

ジャガー・ルクルトを代表する 17本のビンテージを販売!

このところ直営店などのブティックにおいて、現行モデルだけでなく、正規でメンテナンスを施したビンテージピースの販売や、認定中古モデルの販売を展開する時計ブランドが増えてきている。スイス屈指のマニュファクチュール、ジャガー・ルクルトからも「17」のビンテージコレクションが販売されることになったが、これがかなり大掛かりなプロジェクトとなっている。

17本のうちの1本、「メモボックス・ポラリスⅡ」。発売当時の時計ボックスや取扱説明書がつくなど、オリジナルの保存状態が極めて良い。

ジャガー・ルクルト「コレクタブルズ」と命名されたビンテージピースは、同社の歴史の中で特に重要な役割を果たした17モデルのみに厳選。つまりランダムにビンテージピースを集めたのではなく、選ばれし傑作17モデルが最初から決まっているのだ。ジャガー・ルクルト190周年に合わせたプロジェクトだが、CEOのカトリーヌ・レニエ氏によると、まずこの17本を選ぶことが最初の難関だったという。

「これらの傑出したタイムピースを修復して再び提供できることは、サステナビリティとセカンドライフが重要になってきた現在の我々の環境に対してとても価値のあることだと思います」 @Courtesy of Jaeger-LeCoultre by Maurice Haas

「ジャガー・ルクルトの代表作であることはもちろん、その時代時代の背景や、時計技術の象徴が感じられる時計を選びました。時計の歴史に精通した専門家を集め、徹底的なリサーチを開始。ビンテージピースを集めるにあたり、まずこの17モデルの詳細がわかる豪華ブックの製作も同時進行で進めていきました。」

大型豪華本『コレクタブルズ』は、1925年から1972年までの時計をカバーしている。

2年を費やしたジャガー・ルクルトの『コレクタブルズ』。このプロジェクトが特別である理由のひとつが、この豪華ブックの存在である。なんとコレクションの時計購入者には、この大型豪華本がもれなく贈呈される。この本には1925年から1972年までの、時計黄金期に製作された17モデルの解説がされており、その価値の高さについて、より深く理解することができる。

1950年代に誕生した、クオーツ時計のような針の動きをするデッドビートセコンド機能が特徴の「ジオフィジック」は、その高い精度で有名。

ここまで説明すると、その販売方法や具体的な販売モデル名が気になるはずだ。コレクタブルズ・コレクションは17モデルで構成されるが、実際に販売されるのは、17本×1セットだけというわけではない。実際には17本のセットが数セット用意され、それが都度セットごとに世界各国で披露され販売される。つまり17モデルそれぞれに複数本が用意され、価格なども時計の状態によって、多少変わってくるということだ。

パーキングメーターの経過時間を測定するために、アラームを設定できる1960年代の傑作「メモボックス・パーキング」。

また時計の修復は全て、本家本元のスイスの工房で行う。10人の専門職人から成る修復チームでは、かつて製造されたあらゆるパーツの設計図を特定することが可能だという。「修復用のパーツがなければ、もちろんゼロから製作することが可能ですが、手を加える部分が多すぎると歴史的価値が損なわれてしまうため、ケースと文字盤に対する作業は、最小限に抑えています。そのためヘリテージチームは、できるだけオリジナルに近い時計を探しました(カトリーヌ・レニエ氏)。」

インナー式の回転ベゼルを持つ1960年代のダイバーズ「マスター・マリナー・ディープシー」。

今後、世界各国を経めぐるコレクタブルズ・コレクション。その第一弾には、ジオフィジック、メモボックス・パーキング、マスター・マリナー・ディープシーなどが含まれている。近日にも、公式サイトでその情報が公開される予定だが、日本で実際に手に取って見られる日が、今から待ち遠しい。

問い合わせ ジャガー・ルクルト

(文・構成/市塚忠義)