2023.01.26

LVMH WATCH WEEK 2023 in シンガポール 新作時計速報 Part1

ウブロ、ゼニス、タグ・ホイヤー、ブルガリ

LVMHグループの新作が一挙に登場!

リシュモン・グループ、スウォッチ・グループとともに、高級時計業界を牽引する3大グループのひとつ、LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)。実力派の人気時計ブランドを有するラグジュアリー・グループは、毎年1月に新作時計を発表する「LVMH WATCH WEEK」を開催してきた。2020年はドバイで、それ以降はオンラインのみだったが、今年2023年は初めてシンガポールでの開催となった。LVMH WATCH WEEK 2023の新作を、全4回で紹介する。

シンガポールに集結した各ブランドの代表。左からゼニスCEOジュリアン・トルナーレ氏、ウブロCEOリカルド・グアダルーペ氏、タグ・ホイヤーCEOフレデリック・アルノー氏、ブルガリ・グループ ウォッチ部門 マネージング・ディレクター アントワーヌ・パン氏。

ウブロの新作

約40年前、これがウブロの原点

いまトレンドのラグスポ(ラグジュアリー・スポーツ)時計。ゴールド素材などのゴージャスなケースに、カジュアルで実用性の高いラバーストラップを組み合わせたスタイルが定番だが、この画期的な組み合わせを初めて考えたのが、ウブロである。1980年、ウブロ誕生の最初の時計は、「クラシック」という名で世に送り出された。斬新なデザインが富裕層の目に留まり大成功を収めると、ウブロの名は一躍有名に。その後「クラシック・フュージョン」としてウブロの代表作となり、その後40年以上にわたって、進化を続けながらファミリーを増やしてきた。

写真左は、1980年代製のクラシック・オリジナル(36㎜)。右3本が、今回の新作「クラシック・フュージョン オリジナル」。自動巻き。18K Y Gケース。ブラックラバーストラップ。5気圧防水。右から42㎜/309万1000円。38㎜/262万9000円。33㎜/228万8000円。

今回の新作は、その原点となるオリジナルモデルを復活させたもの。初代と同じイエローゴールドケースにブラックのラバーストラップが用意された。さらにブラックセラミックとチタニウムのケースバージョンも同時にリリース。オリジナルモデルと違う点は、サイズの展開だ。初代のケース直径が36㎜であったのに対し、今回の新作は33㎜、38㎜、42㎜の3サイズ。ちなみにクラシック・フュージョンの40周年にあたる2020年に、この新作の「45㎜版」がイエローゴールド世界限定100本、セラミックとチタニウムが世界限定200本で発表されたが、今回はそれに続くサイズバリエーションの新作となる。

セラミックケースの「クラシック・フュージョン オリジナル」。自動巻き。ブラックセラミックケース。ブラックラバーストラップ。5気圧防水。左から42㎜/128万7000円。38㎜/110万円。33㎜/93万5000円。

チタニウムケースの「クラシック・フュージョン オリジナル」。自動巻き。チタニウムケース。ブラックラバーストラップ。5気圧防水。左から42㎜/105万6000円。38㎜/101万2000円。33㎜/83万6000円。

問い合わせ ウブロ

 

ゼニスの新作

高速秒針を引き立てるスケルトン!

2022年、ゼニスの伝説的なモデルが復活した。1969年に誕生した「デファイ」だ。ダイバーズウォッチではないのに300m防水を実現していたケースは、多角形ケースが特徴。このユニークなケース形状を現代的にアップデートして誕生したのが2022年の「デファイ スカイライン」である。ケースも魅力的だが、搭載されるムーブメントもゼニスらしい。ハイビートなクロノグラフ・キャリバー、エル・プリメロを3針用に設計。スモールセコンドは10秒で1周し、視覚的にもエル・プリメロを楽しめる。

ブラックダイヤルの「デファイ スカイライン スケルトン」。自動巻き。径41㎜。SSケース&ブレスレット(ブラックラバーストラップ付属)。10気圧防水。140万8000円。

今回の新作は、このモデルのスケルトン文字盤バージョンだ。1960年代に使われていた「ダブルZロゴ」を連想させる、星の形をしたスケルトン文字盤は左右対称デザインを徹底。もともと9時位置にあったスモールセコンドは、6時位置に移動している。スケルトン文字盤はブラックとブルーがあるが、地板だけでなくブリッジや星形ローターまで文字盤と同色で揃えることで、一体感を強調。またスケルトンになったことで、文字盤側からも搭載ムーブメントが見られるようになり、シリコン製のガンギ車やアンクルの動きを、腕に装着したまま楽しむことができる。

ブルーダイヤルの「デファイ スカイライン スケルトン」。自動巻き。径41㎜。SSケース&ブレスレット(ブルーラバーストラップ付属)。10気圧防水。140万8000円。

搭載されるムーブメントはハイビートな毎時3万6000振動のエル・プリメロ・キャリバー3620。パワーリザーブは約60時間。

問い合わせ ゼニス

 

タグ・ホイヤーの新作

クラシックなモンツァがカーボン製に!

タグ・ホイヤーの初代「モンツァ」は、1976年に登場。1975年、スクーデリア・フェラーリのニキ・ラウダがF1世界選手権で歴史的勝利を収めたことを記念して発表された。当初、フェラーリの故郷にちなみ「モデナ」と名付けられる予定だったが、最終的にイタリア最高峰のレーシングサーキット名が付けられることになった。タグ・ホイヤーの時計は、モータースポーツに携わる人にとって、とても特別な存在だ。特に「モンツァ」に思いを寄せる関係者は多く、オラクル レッドブル レーシングチームの代表クリスチャン・ホーナー氏は「私にとって最初のタグ・ホイヤーが初代モンツァ。昔モナコのレースで優勝した時、その帰りのニースの空港ブティックで、優勝賞金でモンツァを購入しました」と述べている。

「タグ・ホイヤー モンツァ キャリバー ホイヤー02 フライバック クロノメーター」。自動巻き。径42㎜。カーボンケース。ファブリックストラップ。10気圧防水。167万2000円。

今回の新作は、このモンツァのスペシャル版で、最大の特徴は、アイコニックなケースがフルカーボン製になったこと。クラシックなクッション型ケースが、モータースポーツでも多用されるカーボン素材になったことで、全く別次元のモデルへと生まれ変わっている。ブラックをベースにブルーのパーツが効果的にセットされ、2つのインダイヤルは半透明のブルーのサファイヤガラスとなっており、その下にはクロノメータ認定のムーブメント、タグ・ホイヤー キャリバー ホイヤー 02 COSC フライバックが顔を覗かせている。またブルーラッカー仕上げのインデックスにはスーパールミノバ®︎が塗布されており、暗闇でもブルーに光る。ブルーに光る日付表示も、ブランド初の仕様だ。タグ・ホイヤーのモンツァは、2000年代初頭に復活して以来、何度か復刻されてきたが、今回のスペシャルピースの完成度は、タグ・ホイヤーのモンツァへの熱い思いがひしひしと伝わってくる完成度の高さだ。

搭載するムーブメント「タグ・ホイヤー キャリバー ホイヤー02 COSC フライバック」は、スイスのクロノメーター認定を取得した高精度なフライバック・クロノグラフ・ムーブメント。パワーリザーブは約80時間。

時分針、インデックス、日付表示には、ブルーに光るスーパールミノバ®︎が塗布されており、暗闇での視認性に貢献する。

問い合わせ タグ・ホイヤー

 

ブルガリの新作

ジュエラーとウォッチメーカーの真骨頂

生命力に溢れる鮮やかな色彩で、ローマの人々の美しい生き方を賛美したというブルガリ新作の「ディーヴァ ドリーム」。丸いケースの外側にセットされているパーツは、ローマの黄金時代に建造されたカラカラ浴場を彩るイチョウの葉からインスピレーションを受けたもの。驚くべきは、このイチョウの形をしたパーツはケースに完全に固定されているわけではなく、腕の動きに合わせて、花びらのようにゆらゆらと揺れ動くことだ。その葉の間には、トパーズ、タンザナイト、アメジスト、トルマリン、ルビー、ダイヤモンドなどの宝石が、マザーオブパールダイヤルを美しく取り囲む。色石と同色のストラップは、ケース側がくびれるように細くなっており、丸い花のようなケースの存在感を、さらに強調。ブルガリらしいエレガントでゴージャスなタイムピースに仕上がっている。

ブルガリ「ディーヴァ ドリーム」。クォーツ。径33㎜。18KRGケース。アリゲーターストラップ。76石のブリリアンカットダイヤモンド。3気圧防水。上から(8石のルビー)予価1001万8800円、(4石のアメジストと4石のトルマリン)531万3000円、(4石のトパーズと4石のタンザナイト)531万3000円。

問い合わせ ブルガリ

(構成・文/市塚忠義)