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2023.02.20
「黒漆」と「高蒔絵」が美しい、初代グランドセイコー復刻限定モデル
1913年に国産初の腕時計「ローレル」を生み出したセイコーから、“セイコー腕時計110周年”を記念し、日本の伝統職人のワザが光るグランドセイコーの特別な限定モデルが発表された。今回の新作は、「初代グランドセイコー」の復刻デザインを日本の伝統工芸「漆芸」で美しく表現。
1960 年、スイス製が“高級腕時計”の代名詞とされていた当時、それまで培ってきた時計技術の粋を結集して「世界に挑戦する国産最高級の腕時計をつくる」という志のもと、誕生したグランドセイコー。「初代グランドセイコー」(写真上)は、国産では初めてスイス・クロノメーター検査基準優秀級規格に準拠したモデルとして発売され、発売価格は2万5000 円であった。当時の上級国家公務員の初任給が1万2000円であったことから、破格の高級品であったことが伺える、グランドセイコーの原点となるモデルだ。
新作の艶やかな漆黒のダイヤルには、純国産の漆を使用。今回、グランドセイコー専用に特別に調合された黒漆は、艶やかな発色を長期にわたって保ち続けることを可能とした。国産漆は耐久性、耐光性に優れているが、海外産の漆と比べ乾きも早く扱いも難しいとされ、その取扱いは非常に困難。しかも、クラシカルなボンベ状のダイヤルに漆を均一に塗布し、さらに均一な状態に磨き上げる工程を何度も繰り返し精確に行うのは、非常に高度な技量が必要とされる。
さらに、ダイヤル12時位置の「Grand Seiko」のロゴとバーインデックスには、金沢の漆芸家・田村一舟氏により、高蒔絵が施されている。
ケース素材にはグランドセイコー独自の「ブリリアントハードチタン」を採用。通常のチタンと同等の軽さを保ちつつ、標準的なステンレススチールの約2倍の硬度により傷がつきにく、通常のチタンに比べ白いという特性を持った素材だ。熟練の研磨師により「ザラツ研磨」が施され磨き上げられたケースが黒漆の美しさをより際立たせる意匠となっている。
サファイアガラス製のシースルーバックからは、手巻きのキャリバー9S64を観賞することができる。動力ぜんまいとひげゼンマイにセイコー独自の耐久性の高い素材「スプロン」を、脱進機にはMEMS(Micro ElectroMechanical Systems 微小電気機械システム)によって製造される、高精細かつ表面平滑度の高い部品を採用。正確さ、美しさ、見やすさといった腕時計の本質を高い次元で追求・実現し続け、弛まぬ進歩を重ねてきたグランドセイコーから、また“最高峰の腕時計”が新たに誕生した。
グランドセイコー Elegance Collection セイコー腕時計110 周年記念限定モデル/手巻き。径38mm。ブリリアントハードチタンケース。鎧織ストラップ(替えストラップ付)。日常生活用防水(3気圧防水)。約72時間パワーリザーブ。世界限定500本。181万5000円。2023年2月24日(金)発売予定。
上質で柔らかく、装着性の高いレザーを採用した付属の付け替え用ストラップ。
お問い合わせ:グランドセイコー公式サイト
構成/TAYA