2023.04.12

Watches&Wonders Geneva 2023   ウォッチズ&ワンダーズ 2023の主役たち

3月27日からスイスのジュネーブで開催された「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ」。3回目となる今年は、48のブランドが参加した。新作の詳しい情報は、2023年6月8日発売の『時計BeginVol.110』でも紹介する予定だが、ここでは華やかな時計展示会の主役となった、人気ブランドの注目モデルだけを厳選。全8回にわたり、約50本を紹介する。

W&W2023 速報 Part①

A.ランゲ&ゾーネ/ボーム&メルシエ/ベル&ロス

 

A.ランゲ&ゾーネの新作

話題のスポーティ・コレクションに渾身のクロノグラフを投入

ブランド初のスポーティモデルとして4年前に誕生したオデュッセウスから待望のクロノグラフが登場。A.ランゲ&ゾーネはこれまでに13のクロノグラフ・キャリバーを開発してきたが、この14個目のクロノグラフ・キャリバーが同社初の自動巻きクロノグラフとなった。クロノグラフだが、インダイヤルはなし。スッキリとまとめられたダイヤルには、クロノグラフ積算計類のインダイヤルの代わりに、オデュッセウス特有の日付と曜日表示がセットされた。クロノグラフ針と分積算針はセンターに置かれている。細い2本の針のうち、赤がクロノグラフ針、シルバーが分積算針となるが、計測後に4時位置のリセットボタンを押すとこのモデルの真髄が。分積算計が元の位置に戻ると同時に、赤いクロノグラフ針は進んだ分だけ逆回転。1分あたり1周ずつグルグル逆戻りし、2分進んでいれば2周、3分進んでいれば3周と逆回りをし、ちょうどダイヤルの半分の30分を超えたところから、今度は時計回りに回転して元に戻る。思わずボタンを押してしまいたくなるクロノグラフは、世界限定100本だけ。争奪戦は必至だ。

お問い合わせ:A.ランゲ&ゾーネ公式サイト

TEL: 0120-23-1845

 

ボーム&メルシエの新作

50周年のリビエラに新サイズと、本格ダイバーズ

多角形ケースが特徴的なリビエラから、その12角形のベゼルを逆回転防止の回転ベゼルに進化させた本格ダイバーズモデルが誕生。防水性能は300m。回転ベゼルには、アルミニウムに陽極酸化処理で色付けされたブルーと、滑り止めのノッチが刻まれ、視認性と操作性は抜群だ。またダイヤルはウェーブ装飾がプリントされた透明なブルーで、その下には8年保証が適応される自社製キャリバー「ボーマティック」が顔をのぞかせている。120時間のパワーリザーブに、1500ガウスの耐磁性能、そして日差−4秒〜+6秒という高精度。リビエラ史上、最もタフなモデルが誕生した。

1973年に誕生したボーム&メルシエのロングセラー、リビエラは今年で50周年。現在5世代目となるリビエラに、新たなケースサイズが与えられた。これまで自社製キャリバー、ボーマティック搭載のリビエラはケース径が42㎜であったが、そこにひと回り小さな初めてのケースサイズ、径39㎜の新作が加わった。ボーマティックの高い信頼性に加え、自身で交換できるインターチェンジャブルの一体型ストラップを装備。スモーキーブルーの透明なサファイアダイヤルと色味を揃えたブルーのストラップは、アリゲーターとラバーのミックス。耐久性も申し分ない。

お問い合わせ:ボーム&メルシエ公式サイト

 

ベル&ロスの新作

人気の角形モデルにダイバーとGMT

ベル&ロスの代名詞となっている角形コレクション「BR 03」。その本格ダイバーズバージョン「BR 03-92 ダイバー」に、ブロンズケース&パールホワイトの新顔が登場した。ブロンズは、同社がダイバーズモデルにおいて早くから採用してきた素材。海水への耐性から古くから船のパーツなどにも用いられてきたが、腕時計においては色味の経年変化を楽しめるのが人気の理由だ。ダイヤルはこれまで、ブラックやレッド、グリーンやブルーをリリースしてきたが、今回の新作は絶妙な光沢を放つパールホワイト。ブラウンのアルミベゼルと相まって、非常に洗練された印象だ。

セカンドタイムを表示できるGMT機能搭載の「BR 03」もベル&ロスの定番モデル。2021年に大きなモデルチェンジがなされ、それまで固定式だった24時間表示のベゼルが回転式となり、昼夜を区別できるようにベゼルは赤と黒の2色表示となった。今回のモデルは、その新色。アルミニウムリングの上半分はブルー、下半分はグレーという組み合わせだ。ダイヤルもメタリックなブルーで、GMT針もブルーに赤の先端。さらにカーフレザーのストラップもブルーだが、ステッチの色をトーン違いのブルーにするなど、さまざまなブルーを採用して、表情豊かに仕上げている。

お問い合わせ:ベル&ロス 銀座ブティック

 

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(文・構成/市塚忠義)