2023.05.26

着けて納得インプレッション! なかなかお目にかかれない「オーデマ ピゲの超絶モデル」編

「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ミニッツリピーター スーパーソヌリ」。手巻き。径41㎜。18KWGケース。ラバーストラップ。日本限定モデル。価格は要問い合わせ。

1本目から弩級の超絶モデル。「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」のスケルトンモデルであることはご覧のとおりだが、左側のレバーに注目。そう、このモデルは同社が特許を保有するスーパーソヌリテクノロジーを組み合わせた、キャリバー2953を搭載している。現行品でも最大級の音量と音質を誇るこのミニッツリピーターは、透明なサファイアクリスタルの下で「見せる」ために再設計されており、ムーブメントのダイヤル面側にも新たな装飾が加えられている。ムーブメントの総パーツ数は362個。もはや時刻を見るよりも、スーパーソヌリ機構の圧倒的なメカニズムを見る方が、このモデルにおいては勝るかもしれない。

「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ スターホイール」。自動巻き。径41㎜。18KWGケース(ミドルケースはブラックセラミック)。ラバーストラップ。715万円。

2本目もCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲから。3つの小さなディスクがそれぞれ回転しながら全体で文字盤を回転し時刻表示を行う「ヴァガボンドアワー」だ。17世紀に生まれた古典的な機能は、20世紀の時計史の中では忘れられていた存在だったが、1991年にオーデマ ピゲにより復活。「スターホイール」の名でコレクションに加わり、10年ほどの間に名作モデルが輩出された。そしてまたCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲから再び復活。

3枚のアルミニウム製回転ディスクは球面のようにカーブしており、ダブルガーブする風防ガラスと美しく調和している。回転ディスクの周囲にはブルーのアベンチュリンがセットされ、宇宙を思わせる神秘性も。3枚のディスクと囲む細いフチ部分には、三角のマーカーがセットされ、この三角マーカーがダイヤル上部の「00」から「60」を指すことで「分」、その三角マーカーの下にあるディスクの数字が「時」を示す。ちなみに写真の時刻は、5時5分となる。

「ロイヤル オーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMT ラージデイト」。自動巻き。径43㎜。チタンケース(リューズとプッシュボタンはブラックセラミック)。ラバーストラップ。価格は要問い合わせ。

最後はオーデマ ピゲの技術開発の最先端「ロイヤル オーク コンセプト」から。はっきり言うとこの時計、「時計は控えめな3針」という人には、向かない。ど迫力ケースの存在感は、誰をも圧倒してしまうだろう。一見、重量も相当ありそうだが、ケースの素材がチタンなので実は軽量。さらにケースは、時計の完成後に腕に沿うように曲げたかのように自然なカーブを実現。ロイヤル オークの代名詞である多角形ベゼルも、その曲線に合わせてカーブしている。人間工学に基づいたケース設計は、見た目の武骨さとは裏腹に、心地よいフィット感が味わえる。

ケースが特別なら、中身だって負けてはいない。同社初となる自動巻きのスプリットセコンド フライバック クロノグラフを搭載。2019年に発表したキャリバー4401がベースのキャリバー4407には、実用的なGMT機能やラージデイト機能も備わっている。組み合わされたストラップも、コレクションでは初の交換可能なシステムを採用。ケースとストラップの連結部分は一直線となり、次世代のロイヤル オークを思わせる近未来的なデザインが印象的だ。

お問い合わせ:オーデマ ピゲ公式サイト

(文・構成/市塚忠義)