2023.06.09

着けて納得インプレッション! 数字より遥かに小さく感じるタグ・ホイヤー「新カレラ」の技ありベゼル

タキメーターは「外」じゃなくて「内」に収納が正解

2023年は、タグ・ホイヤーの代表モデル「カレラ」の60周年。今年がカレラ・イヤーになることは、ある程度予測していたが、発表された新作カレラの内容には、ちょっと意表を突かれた。タグ・ホイヤーには、同社のクロノグラフを支える自社製キャリバー「ホイヤー 02」があるが、搭載されたのは新型のムーブメント「TH20-00」。敏腕ムーブメントディレクター、キャロル・カザピ氏監修のもと、両方向巻き上げ式となるなど、スペックアップが図られ、パワーリザーブは約80時間に。また保証期間も5年間となった。

中身よりも意外だったのが、ケースのサイズ感だ。39㎜と聞いていたが、実際に腕に乗せて見た印象は、実寸より遥かに小さい。感覚的には37㎜ほどに感じる。そのぎゅっと詰まったコンパクト感を実現させたのが「グラスボックス」と言われる風防ガラスと、そのカーブに合わせてデザインされた文字盤一体型のベゼルだ。クロノグラフのタキメーターはこの山型ベゼルの外側に、そしてすり鉢状の内側にはミニッツトラックが刻まれている。

細かいメモリ類を、外ではなく内側、しかも傾斜部分に刻んだことで、この新型カレラは、文字盤をスッキリと見せるだけでなく、時計全体をもコンパクトに見せることに成功している。初代デビューの1960年代をイメージしたというグラスボックスのデザインは、やはり小径の方がすんなりハマる。ただ、オリジナルサイズでは、今時ちょっと物足りなさを感じるため、実際は39㎜でも「実際より小さく感じる」という手法を考案したのではないだろうか。また面白い試みとして、新型カレラには、ブルー文字盤とブラック文字盤の2種類が用意されているのだが、ブルー文字盤の日付表示は6時位置に、ブラック文字盤は個性的な12時位置にセットされている。インダイヤルの配色も違うのだが、同モデル内で、カラーによって日付表示位置が違う時計は、これまでなかったと思う。

新型のカレラはクロノグラフだけではなく、同じくグラスボックスデザインのトゥールビヨン搭載機、ダイヤルの色味が新鮮な3針モデル、さらには昨年発表され話題を独占したラボグロウンダイヤモンドにピンクのラボグロウンダイヤモンドも加わり、カレラの記念すべきジュビリーイヤーを盛大に盛り上げた。

「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」。CBS2212.FC6535。自動巻き。径39㎜。 SSケース。カーフレザーストラップ。80万8500円。

「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」。CBS2210.FC6534。自動巻き。径39㎜。 SSケース。カーフレザーストラップ。80万8500円。

「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ トゥールビヨン」。CBS5010.FC6543。自動巻き。径42㎜。SSケース。カーフレザーストラップ。280万5000円。

「タグ・ホイヤー カレラ デイト」。WBN2312.BA0001。自動巻き。径36㎜。 SSケース&ブレスレット。39万6000円。

「タグ・ホイヤー カレラ プラズマ」。WBN2340.BC0005。自動巻き。径36㎜。18KWGケース。アリゲーターストラップ。価格は要問い合わせ。

「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」。CBS2212.FC6535。自動巻き。径39㎜。 SSケース。カーフレザーストラップ。80万8500円。
「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」。CBS2210.FC6534。自動巻き。径39㎜。 SSケース。カーフレザーストラップ。80万8500円。
「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ トゥールビヨン」。CBS5010.FC6543。自動巻き。径42㎜。SSケース。カーフレザーストラップ。280万5000円。
「タグ・ホイヤー カレラ デイト」。WBN2312.BA0001。自動巻き。径36㎜。 SSケース&ブレスレット。39万6000円。
「タグ・ホイヤー カレラ プラズマ」。WBN2340.BC0005。自動巻き。径36㎜。18KWGケース。アリゲーターストラップ。価格は要問い合わせ。

 

(文・構成/市塚忠義)

お問い合わせ:タグ・ホイヤー公式サイト