2023.07.11

着けて納得インプレッション! オリス最新作の「振り幅」が、凄すぎる!?

可愛いキャラコラボから規格外のプロ仕様まで

オリスがウォッチズ&ワンダーズ2023年で発表した新作は、いずれもキャラの濃い個性的なモデル。1本は色味、1本は素材感が気になっていたが、実機を確認することができたので、早速レポートしたい。

色味が気になっていたというのは、ディズニーマペッツの人気者キャラ「カーミット」とのコラボモデルだ。ライムグリーンのダイヤルは、当然カエルのカーミットからインスパイアされたもの。このフレッシュなカラーと、意外な相性の良さを見せたのが全面マット仕上げのチタンケース。反射が少なく落ち着きのあるメタル感が、カーミットグリーンをとても上品に見せている。

「プロパイロットX カーミットエディション」。自動巻き。径39㎜。チタンケース&ブレスレット。66万円。

ベースとなっているのは「プロパイロットX」。可愛らしい顔つきだが、中身はあくまで本格仕様だ。オリスが誇る自社製ムーブメント「キャリバー400」を搭載し、パワーリザーブは120時間。日差は−3秒/+5秒で、時計の保証期間は10年間(マイオリス登録で)であり、10年間はメンテナンスが不要だという。通常のキャリバー400搭載モデルと異なる点は、月の最初に「お楽しみ」が待っていること。月一度のカーミットデーには、カーミットの顔が日付窓に現れるのだ。

ケース裏は、シースルーバックなので自社製キャリバー400の精悍な動きをいつでも楽しむことができる。

実際に着けてみた印象だが、実際よりも時計を薄く感じる。ケースにかなり傾斜をつけているのと、ブレスレットの両端のコマも両側が斜めに面取りされているので、腕にピタッと吸い付くような感じを味わえる。チタンケースの軽さも、このフィット感に貢献していると言えよう。

「軽さ」という点では、もう1本のプロパイロットの新作「アルティメーター」の方が、さらに上をいく。ケースのマテリアルは、カーボンだ。それを認識した上で時計を受け取ったが、それでも予想以上に軽い。このカーボンケースは、3Dプリンターの技術を応用した新技術で形成されており、今まで以上に精密な加工が可能となったため、通常は存在するはずのメタルのインナーケースが、ない。その分が、軽く感じられたのではないかと思う。

年輪のようなカーボンコンポジットの模様は、非常に表情が豊か。

唯一の機械式高度計搭載モデルとあって、その大きさ厚さも、なかなかのボリューム。しかし、前作が4500メートルであった表示高度は6000メートルまで引き上げられたにもかかわらず、厚さは前作より薄くなっている。プロパイロットでなくとも、登山家やアウトドア好きの人には、とても魅力的な腕時計と言えるだろう。

「プロパイロット アルティメーター」。自動巻き。径47㎜。カーボンケース。テキスタイルストラップ。88万円。

商品の問い合わせ:オリス公式サイト

文・構成/市塚忠義