2023.12.08

ブライトリングのトゥールビヨン搭載キャリバーB21の 最新作は、あの「トップタイム」に決定!

往年のアメリカンマッスルカー3部作

ブライトリングは早くからパイロット・ウォッチを重視してきたブランドだ。3代目ウィリー・ブライトリングは、他社に先駆けてオンボード計器などを専門とする「ユイット・アビエーション部門」を1938年に新設。以降、ブライトリングの腕時計は、クロノグラフを中心として進化していくことになる。

「実用」に重きを置くブライトリングは、昔から積極的に複雑機能を作ってきたイメージはない。同じスイスブランドで言えばIWCなどもそうだが、実用にこだわる高級時計ブランドは、ある程度の量産が可能で、かつ高いクオリティを保てるブラッグシップを好む(たまたまだとは思うが、ブライトリングのジョージ・カーン現CEOの前職はIWCである)。

新作「トップタイム B21 フォード マスタング」に搭載されるキャリバーB21は、シースルーバックを通して確認が可能だ。

そんなブラントリングが、2021年から定期的にリリースしてきた複雑機構が「トゥールビヨン」である。ちょっと懐かしいところでいえば、ブライトリング・フォー・ベントレーのクロノグラフなどにトゥールビヨン機構が搭載されていた。最近のニュースでいえばプレミエ・コレクションから登場したキャリバーB21搭載の3部作であろう。

「トップタイム B21 シェルビー コブラ」。自動巻き。ケース径44㎜。セラミックケース。カーフレザーストラップ。10気圧防水。649万円。

そして、そのキャリバーB21を搭載した続編モデルが、早くも登場。選ばれたのは、往年のクラシックカー(フォード マスタング、シボレー コルベット、シェルビー コブラ)を腕時計で表現して話題を呼んだコレクション「トップタイム」だ。今作も当然、これらのアメリカンマッスルカーのイメージを見事に踏襲している。

「トップタイム B21 フォード マスタング」。自動巻き。ケース径43㎜。ブロンズケース。カーフレザーストラップ。10気圧防水。649万円。

注目したいのは、ケースの素材。ブラックマットのセラミックケースに加え、ブライトリングとしては珍しいブロンズケースも採用されている。ラ・ジュー・ペレ社と共同開発したキャリバーB21は、12時位置にトゥールビヨン機構を備え、その上下対称となる6時位置にはバランス良く分積算計をセット。形が完全な丸ではなく、角の丸い四角としたのも、ダッシュボードメーター意識しているからだろう。

「トップタイム B21 シボレー コルベット」。ダイヤルの素材はウォルナット。自動巻き。ケース径44㎜。セラミックケース。カーフレザーストラップ。10気圧防水。649万円。

最初の話に戻ってしまうが、ブライトリングのコンプリケーションウォッチにピンと来るひとは、少ないかもしれない。しかし実用にこだわる硬派ブランドが手がけたからこそ、そのコンプリケーションは「本気度が高い」といえないだろうか。クロノグラフ(クロノグラフも十分複雑機能だが)にトゥールビヨンを搭載して、価格は649万円。決して安くはないが、相場で見れば破格。価格も十分に魅力的である。

お問い合わせ:ブライトリング公式サイト

文・構成/市塚忠義