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2024.07.16
ブランパンのバチスカーフに初のフルセラミック
老舗の「フルセラミック」はやっぱりタダモノではなかった!?
1953年、世界に先駆けて回転ベゼルを腕時計に搭載し、現在のダイバーズウォッチの源流となっているのがブランパンの「フィフティ ファゾムス」である。そのプロ用ダイバーズに、都会的でより洗練されたデザインを纏って登場したのが、1956年の「バチスカーフ」だ。
どちらのモデルも、現在でもブランパンにとって欠かせない人気モデルだ。これまで打ち立ててきた実績の数々。伝説のアイコンウォッチの存在感は、やはり絶大である。そんな「バチスカーフ」に、初めてケース&ブレスレットにセラミックを採用した新作が登場した。
セラミック素材の時計は、今どき珍しくないのでは? と思うかもしれない。しかしそこはヴィルレの古豪ブランパン。単なるセラミック時計ではないのである。まず特筆すべきはセラミック製のブレスレットだ。
セラミックケースの時計は各社から数多くリリースされているが、ブレスレットまでセラミック製の時計というと、実はそれほど多くない。ケースと違ってブレスレットは、腕にフィットするように数多くの稼働パーツで構成されている。
硬く耐傷性の高いセラミックだが、同素材同士で干渉すると傷がつくこともある。よってセラミック製ブレスレットは、リンクとリンクの間に十分なクリアランスが設けられている。一方、新作バチスカーフのブレスレットには、その隙間がほとんどない。
この「目一杯つまったセラミックブレスレット」を実現するために、ブランパンはリンクのひとつひとつを緻密に計測し、それを特許取得済みのカム型ピンによって連結している。カム型ピンによる組み立ても至難の業で、このブレスレットを組み立てられる職人は、ブランパンの工房でもごくわずかしかいないという。
ブレスレットに加え、バチスカーフはリューズにもセラミックを採用している。防水性の要であるリューズはねじ込み式が多く、たとえケースがセラミックであっても加工の難しいリューズだけは別素材を同色に染めるという場合が多い。
また、バチスカーフのエッジの効いたケースラインを最大限に際立たせるため、セラミックケースにもかかわらず、全面がマットなサテン仕上げが施されている点も、他のセラミックウォッチとは一線を画するポイントだ。フィフティ ファゾムス コレクションの顔であり、視認性の決め手となる回転ベゼルにはポリッシュ仕上げで艶を残し、それ以外には見事なヘアラインとなっているが、これらは全て職人の手作業によるものだ。
今回リリースされた新作バチスカーフは、3種類。ブランパンが得意とするコンプリートカレンダーモデルの他に、クロノグラフとシンプルな3針モデルがラインナップし、それぞれに「サンバーストブルー」「サンバーストグリーン」「サンバーストブラック」のダイアルが用意されている。
商品の問い合わせ/ブランパン公式サイト
文・構成/市塚忠義