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2024.08.20
【機械式アラーム】基本機能おさらい解説vol.5「動画で魅せる時計図鑑」
機械式ならではのアラーム音の美しい調べ
【機械式アラーム】
ジャガー・ルクルト マスター・コントロール・メモボックス
ハンマーがゴングを打ち鳴らす様子を目と耳で味わう
アラーム機能付き時計と聞くと、クォーツに慣れた現代人はありきたりに思うかもしれないが、これが機械式時計となると話は別だ。ジャガー・ルクルト「メモボックス」は機械式アラーム機能搭載モデルで、クォーツが開発されるよりはるか前の1950年代に誕生した1本。今回は現行の「マスター・コントロール・メモボックス」をもとに、この機械式アラーム機能を解説していこう。
機械式アラームはミニッツリピーターを応用した構造を有し、機構内のハンマーがゴングを非常に速く何度も叩いて設定時刻を知らせる。本作ではケースサイドの2時位置に設置されたリューズによりアラーム時刻を設定。リューズを下側に操作すると、文字盤中央のインナーダイヤルが回転し、希望の時刻に合わせるだけで設定は完了する。また、アラーム専用のゼンマイの巻き上げもこの2時位置リューズによって行う。これで設定時間になると、特徴的な“スクールベル”アラーム音の澄んだ音色で時を知らせるのだ。
ケースサイドの2時・4時位置に2つのリューズを設置。4時位置は時刻調整とゼンマイの巻き上げ用、2時位置は上に回すと日付調整、下に回すとアラームの時刻設定が行える。
シースルーバックの導入に伴い、搭載する自動巻きキャリバー956はケース側面にゴングを取り付けた新スタイルに。オープンワーク仕様のピンクゴールド製ローターも取り入れた。
特徴的な立体三角形+数字とドーフィン針を配したサンレイ仕上げのシルバー文字盤。インデックス外周と針、アラーム用インジケーターには夜光塗料を施して夜間の視認性も高めた。
現行メモボックスの魅力のひとつは、この独創的なアラーム機構がケース裏のシースルーバック越しに見渡せること。ケース側面に取り付けられた「ペリフェラルゴング」をハンマーが高速で打ち鳴らす様子が、美しいピンクゴールドローターとともに楽しめる。機械式アラーム時計ならではのシステムと美しい調べをぜひ味わってみてほしい。
〈ブランド解説〉
1833年、スイスのル・サンティエで創業。いち早く自社一貫製造体制を築き上げ、反転式ケース構造をもつ角型時計「レベルソ」(1931年)、アラーム機能付き機械式時計「メモボックス」(1956年)といった名作を世に送り出す。また、ムーブメント開発力も非常に高く、これまで1200以上のキャリバーを生み出し、他社の名作時計にも数多く搭載された。現在もムーブメントはもちろん、ケース、文字盤、針などを自社製造する世界最高峰のマニュファクチュールとして君臨する。
お問い合わせ:ジャガー・ルクルト公式サイト
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写真・動画撮影/岸田克法
文/岡田隆奈
動画編集/中村重樹(時計Begin編集部)