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2024.10.21
ゼニスが、誰もが知っているあのバッグブランドと異色のコラボ
初めての時計ストラップ製作にも意欲的なPORTER
タグ・ホイヤーと藤原ヒロシ、そしてウブロと村上隆など、LVMHグループの時計ブランドは日本人アーティストとのコラボウォッチを積極的に行なっているが、やはり同グループのゼニスが選んだ日本のお相手は、ちょっと意外なブランド。
そのパートナーとは「PORTER」。確かな製法とクオリティの高さで、多くのファンを世界中に持つ日本を代表するメガブランドだ。一見すると、まじり合うことはなさそうな2つのブランド。しかしその内容を見れば「やられた!」と感じる人も多いだろう。
発表されたのは2種類のモデル。ゼニスの人気コレクション「パイロット コレクション」から3針タイプとクロノグラフに特別仕様のコラボモデルが誕生した。共通するのはPORTERのシグネチャーカラーを思わせるカーキセラミックのケースと、やはり多くのPORTERバッグの内装色に採用されているオレンジを使ったダイアルの針。両者の世界観が見事にマッチした限定モデルに仕上がっている
「パイロット オートマティック ポーター エディション」は、程よいサイズ感(直径40㎜)の3針モデル。パイロットウォッチらしい、シンプルで視認性の高いダイアルが印象的だが、カラーリングは完全に「PORTER」だ。カーキセラミックにケースと同色のダイアルには、かつての航空機に使用されていたメタルシートをイメージしてウェーブ状の溝が刻まれている。時・分・秒針は発色の良いオレンジ。これはPORTERバッグの内側に採用されているカラーを象徴するものだが、その由来は救助時の視認性を高めるためのフライトジャケットにあるということも興味深い。
「パイロット ビッグデイト フライバック ポーター エディション」は、3針モデルよりひと回り大きな42.5㎜ケースを採用したクロノグラフ。ゼニスの代名詞であるハイビートなフライバック・クロノグラフキュリバー、エル・プリメロを搭載している(ちなみに3針モデルもエル・プリメロを搭載)。ダイアルや針の仕様は3針モデルと同じだが、6時位置には0.03秒で瞬間チェンジすることでゼニスが特許を持っているビッグデイトが備わる。また30分積算計は、5分ごとにオレンジとホワイトで縁取られ、より高い視認性を追求。
また両モデルのダイアルには6時位置にシリーズ名の「PILOT」も文字が刻まれているが、これはゼニス創業者のジョルジュ・ファーブル=ジャコが1888年にフランス語の「PILOTE(後にPILOT)」を商標登録したことに由来。つまり広い時計業界において、時計のダイアルに「PILOT」の文字を入れることが許されているのは、ゼニスだけなのである。
コラボならでは「特典」は、まだまだ。どちらの限定モデルにも、2本のストラップが付属する。耐久性に優れるPORTERのナイロンファブリックを使用したカーキナイロンベルクロストラップにはシグネチャーであるステッチ入りの PORTER ロゴが。もう一方のコーデュラ・エフェクトを施したカーキラバーストラップは、ブラック PVD 仕上げのスチール製フォールディングバックルを装備。これらはインターチェンジ ャブルストラップにより、工具を使わず付け替えることが可能だ。
このコラボモデルのために製作された専用の時計ケースも見逃せない。PORTERだけに「時計ケース」というよりは「時計バッグ」と言えるだろう。コンパクトながら機能的なポケットも多数備わるバッグには、ショルダーがけできるストラップもついており、ちょっとした旅のおともにピッタリ。ゼニスとPORTER、どちらのブランドにも共通するのは「旅」というテーマに大事にしていることだ。
問い合わせ/ゼニス公式サイト
文・構成/市塚忠義