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2025.02.19
【ギョーシェ】文字盤おさらい解説vol.15「動画で魅せる時計図鑑」
ギョーシェ文字盤とは?
ブレゲ
クラシック 5157
職人が手作業で仕上げたエレガントな伝統的装飾
18世紀にアブラアン-ルイ・ブレゲが発明した「ギョーシェ文字盤」。文字盤上に立体的なエングレービングを施すことで高級感と存在感を高めた装飾技法である。本来は光の反射を抑えて視認性を高める目的で採用されたが、そのエレガントな雰囲気から今では高級ドレスウォッチの定番スタイルとなっている。代表的なデザインは、フランス語で“パリの爪”を意味する「クル・ド・パリ」、太陽光のような放射状の「ソレイユ」、麦の穂がモチーフの「バーリーコーン(グレンドルジュ)」、市松模様の「ダミエ」、波模様の「ヴァーグ」などがあり、各パターンによりそれぞれ趣や印象が異なる。

【ブレゲ クラシック 5157】シルバーカラーの手彫りギョーシェ文字盤のほか、ブレゲ針やコインエッジ装飾など、ブランド発祥のディテールを兼ね備えた2針エクストラ・フラットモデル。薄型の自社製Cal.502.3を搭載する。自動巻き。径38mm。18KWGケース。アリゲーターストラップ。3気圧防水。333万3000円。
ブレゲの定番ドレスモデル「クラシック 5157」では、クル・ド・パリ装飾の文字盤を採用。アブラアン-ルイ・ブレゲが18世紀に懐中時計で取り入れて以来、数多くの高級時計で用いられてきた由緒正しきデザインだ。ピラミッド状の立体装飾が規則正しく並ぶ様はそれだけでも美しいが、非常に繊細かつ精緻に仕上げることで深みのある陰影を宿す。現在はプレスや3D加工などでこのギョーシェを施すブランドが多いものの、ブレゲではすべてのモデルを熟練の職人が手作業によって仕上げる。見ためではわからない微かな不均一さこそクラフツマンシップの証というわけだ。オリジナルブランドでしか味わえない“本物の”ギョーシェがそこにはある。

クル・ド・パリ仕様のギョーシェ装飾を手彫りで刻み込み、シルバー仕上げを施した18Kゴールド製文字盤。ギョーシェのオリジナルブランドならではの気品と風格にあふれる。

オリジナル装備のひとつであるコインエッジを施したケースサイド。薄型キャリバーの搭載により、厚さわずか5.5㎜のスリムボディを実現。快適な着け心地が味わえる。

搭載するのは自社製キャリバー502.3。自動巻きながら2.4㎜厚の極薄ムーブメントであり、シリコン製のアンクルとひらひげゼンマイを採用。シースルーバック越しにその精緻な様子が鑑賞できる。
〈ブランド解説〉
天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲを始祖とするブランド。薄型ドレスウォッチ「クラシック」をはじめ、1950年代にフランス空軍/海軍用に開発した軍用時計の「タイプ」、ラグジュアリースポーツの「マリーン」といった多くの人気モデルをもつ。また、他社に先駆けてムーブメントパーツにシリコン素材を用いるなど、高い技術開発力にも定評がある。
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写真・動画撮影/岸田克法
文/岡崎隆奈
動画編集/中村重樹(時計Begin編集部)