2025.05.21

Watches and Wonders Geneva 2025 新作速報 Part.12(ラスト)

■フランク ミュラーの新作

グランド カーベックス クレイジー アワーズ カラー

フランク ミュラーの大傑作「クレイジー アワーズ」に、初めて“CX”ケースのモデルが登場。“CX”とはグランド カーベックス“CX”のことで、同社を代表する美しいカーブケース、トノウ カーベックスの進化版である。ご存じだと思うがクレイジー アワーズとはフランク ミュラー独自の数字配置を持つ時計で、本来ダイアルの一番上にあるのは「12」だが、この時計は「8」。その後も数字順には並んではいない。この時計は短針(時針)が1時間ごとにジャンピングする非常にユニークな時計。フランク ミュラーが時の哲学者と言われる理由だ。そんなクレイジー アワーズの姿は、CXケースを手に入れたことで、モダンでスポーティな印象に。さらにダイアルは2層構造となっており、ビザン数字がくり抜かれたダイアルの下に、エナメル塗装の鮮やかなブルーダイアルがセットされ、トノウ型を強調するブルーインナーケースと見事に調和している。自動巻き。SSケース。58.1×36㎜。クロコダイル+ラバーストラップ。日常生活防水。予価308万円。発売時期未定。

問い合わせ/フランク ミュラー公式サイト

 

■クストスの新作

チャレンジ トゥールビヨン 8

クストスは2025年の今年で、ブランド創業20周年を迎える。これまでの革新的なチャレンジを象徴するような、渾身の新作が発表された。それがこの、スケルトン仕様のトゥールビヨンである。スケルトンダイアルというよりは、もはや“ムーブメントが浮かんでいる”という表現の方が、しっくりくるだろう。インフィニティ ムーブメントと名付けられた新キャリバーは、8の字型。インフィニティ(終わりがないもの)、そして無限大(∞)の可能性を表している。究極のオープンワークが施されたムーブメントが浮かんでいるように見えるのは、同じく極限まで肉抜きされたケース構造から。ケースバックだけではなく、ケースサイドもサファイアクリスタルをはめこみ、軽量化を果たすと同時にムーブメントの姿を360度で楽しめる構造になっている。手巻き。チタンケース。53.7×41㎜。ラバーストラップ。予価1430万円。発売時期未定。

問い合わせ/クストス公式サイト

 

■HYTの新作

S1ビーズブラスト チタンレッド

S1スポーツウォッチコレクションから登場した新作は、かなり強めのマット加工(ビーズブラスト仕上げ)が施されたチタンケースと、赤い液体のコントラストが見事。この時計は時刻の表示方法が独特で、パッと見ではわからないと思うので念のために解説すると、センターに取り付けられているのは、分針。そして時針の代わりとなるのが、赤い液体。この赤い液体は、透明な液体と壁をつくっており、その壁(境目)が「時」。写真の状態は、1時11分を示している。なお2つの液体が交わることはなく、この境界線がレトログラードすることで時刻を表示する。液体をレトログラードさせるために装置が、ダイアルの下部で抜群の存在感を放つ2つのベローズ。これが伸縮を繰り返すことで、液体を押し出したり、戻したりするわけだ。液体は時針で非常にゆっくりと進むため、動いていることを目で確認することは難しいが、リューズ操作で分針を動かせば、赤い液体が細いチューブの中を流れる様子が楽しめる。手巻き。チタンケース。径43.5㎜。ブラックラバーストラップ(写真のライトグレーベルクロストラップが付属)。50m防水。予価1309万円。

問い合わせ/HYT公式サイト