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2025.05.30
タグ・ホイヤー「モナコ」に、新作3連発
今年2025年のWatches and Wonders Genevaで、タグ・ホイヤーが発表した新作の目玉といえば、同社の傑作モナコにスプリットセコンド・クロノグラフを搭載してセラミックケースに収めた「「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ | F1®」であろう。
その感動も束の間、先日開催されたF1モナコG Pに合わせて、またしても魅力的な新作のモナコ3モデルが追加で発表された。とにかく今年は、モナコが熱いのだ。では、早速、注目の3モデルを見ていこう。

「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ ストップウォッチ」。自動巻き。ケース39㎜。グレード2チタンケース。カーフストラップ。100m防水。世界限定970本。147万4000円。
最初に紹介するのは、黒いケースに身を包んだ「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ ストップウォッチ」。見るからにモダンな印象のクロノグラフだが、このモデルには模範としているストップウォッチがある。モータースポーツの黄金期、1960年代から1970年代にかけて白熱するレースを支えた、ホイヤー社のストップウォッチだ。
ダイアルの中央部はブラック、その周りはホワイト、そしてその外側のケースはブラック。ホワイト部分に刻まれたミニッツトラックとセンタークロノグラフ針はレッドという極めて視認性の高い「ブラック・ホワイト・レッド」は、まさにオリジナルのカラーパレットそのものである。丸型のストップウォッチを角型モナコに落とし込んだデザイン性も見事だ。

「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ x ガルフ」。自動巻き。ケース39㎜。グレード2チタンケース。テキスタイルストラップ(パンチング加工を施したブルーのカーフストラップ付属)。100m防水。世界限定971本。142万4500円。
2本目の新作モナコは、1本目とは対照的な全身ホワイト。ガルフカラーが印象的な「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ x ガルフ」だ。ガルフ(Gulf)とは、モーターレースには欠かせないオイルや燃料のスペシャリスト。モナコが伝説となった理由の一つは、スティーブ・マックイーンが主演した1971年の映画『栄光のル・マン』で、モナコを着用していたこと。その写真はあまりにも有名だが、その時マックイーンがハンドルを握ったポルシェ917Kやレーシングスーツのカラーリングが、この新作のイメージソースとなっている。
新作はこのカラーリングに加え、「仕上げ」という点でもこだわりを見せる。ガルフストライプが映えるシルバーダイアルにはファイングレイン仕上げが施され、その質感と合わせるように、グレード2のチタンケースはサンドブラスト仕上げに。またホワイトのテキスタイルストラップはプロのレーシングスーツに使用される耐熱性を備えた「ノーメックス®」が採用されている。興味深いのはこの「ノーメックス®」が、映画『栄光のル・マン』でスティーブ・マックイーンが実際に着用したレーシングスーツを製造したアメリカの老舗メーカー、ヒンチマン社から調達されていることだ。

「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ」。自動巻き。ケース41㎜。TH-チタンケース。テキスタイルストラップ。30m防水。受注生産。2084万5000円。
最後に紹介する3本目は、スプリットセコンド クロノグラフを搭載した「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ」。1916年、1/100秒単位で2つの時間を計測できるストップウォッチ「マイクロスプリット」を開発して以来、同社にとってスプリットセコンド クロノグラフは特別な存在であり、アイコン。
スプリットセコンド機構を搭載していることが最大の魅力ではあるが、こちらの新作を唯一無二の存在にしているのが、ケース採用されている素材だ。それが新たに開発された「TH-チタン」である。独自の熱処理を加えると金属が原子レベルで変容。不規則な模様が表面に浮かび上がるため同じ柄は2つとないという。
この「TH-チタン」ケースに加え、搭載ムーブメント「TH81-00」もチタン製となり、ムーブメントの重さは30gしかない。ストラップとバックルまでいれた時計トータルの重さでも86gという軽量化を実現している。
これまで数々の伝説を生み出してきたタグ・ホイヤーのモナコ。この歴史的マスターピースには、やはり「革新」という言葉が、よく似合う。タグ・ホイヤーの開発陣は、この歴史的背景の重要性を深く理解しており、新たな時計作りへの情熱につなげている。
商品の問い合わせ/タグ・ホイヤー公式サイト
文・構成/市塚忠義