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2025.06.25
アントワーヌ プレジウソ ジュネーブから熱い日差しを乗り切る 爽やかすぎる「夏時計」
イタリア「シエナ」の青空をダイアルに
かつてフランク ミュラーと同じ時計学校に通い、2人で切磋琢磨しながら時計のスキルを学んだアントワーヌ・プレジウソ。オートマタウォッチやトリプルトゥールビヨンなど、個性的かつ革新的な複雑機構の使い手として知られる独立時計師である。
1981年、ジュネーブに時計工房を設立すると、1986年に自身の名をブランド名に冠した初めての時計コレクションを発表。それが「シエナ」コレクションだ。ちょっと意外かもしれないが、それは複雑時計ではなく、2針のシンプルな丸型時計であった。
彼はブランドを立ち上げる前、世界中を旅して時計作りへの製作意欲を高めていったと言う。イタリア・トスカーナ地方の古都シエナに立ち寄った際、世界で最も美しい広場と称されるカンポ広場の「マンジャの時計塔」に目を奪われた。
そして誕生したのが「シエナ」コレクションなのである。最大の特徴は、ラグのないケースと、中世のバロック様式を思わせる躍動的な装飾針。時計塔のオリジナルの針は「1本針」で時刻を表示するのだが、腕時計では視認性を高めるため時針・分針の2本スタイルにアレンジされた。
初代「シエナ」コレクションはその後、生産終了となるが復活を望むファンが多く、2023年にファーストモデルと同じエッジのたった小ぶりな34.5㎜ケースで復刻された。

「シエナ」SISSM.0405510S/CR。自動巻き。径34.5㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。3気圧防水。96万8000円。
ここに紹介するのは、その最新作。マザー・オブ・パールの透き通るようなブルーダイアル、そして繊細な装飾針に、爽やかなホワイトアリゲーターストラップが組み合わされた。その鮮やかな姿は、カンポ広場から見上げた、シエナの美しい青空そのもの。これからの季節にぴったりな、日差しに映える「夏時計」と言えよう。

「シエナ」SISSM.0405510S/SAD。自動巻き。径34.5㎜。SSケース(ダイヤモンド、VV S1)。アリゲーターストラップ。3気圧防水。178万2000円。
なお、この新作のケース素材はステンレススティールだが、ベゼルにダイヤモンドをセットしたタイプも用意されている。どちらのモデルもパワーリザーブ約56時間の自動巻きムーブメントを搭載しており、ケース厚が9㎜と薄型なことも、エレガントさに貢献している。