コルム「アドミラル」にフィット感バツグンの日本限定モデルが登場

小ぶりな径38㎜ケースに往年の５連ブレスが復活！

「アドミラル 38　オートマティック ジャパン リミテッド エディション」。A082/03181-B。自動巻き。径38㎜。SSケース＆ブレスレット。５気圧防水。90万2000円。

多くの時計メゾンは、そのメゾンの“顔”となるアイコン時計を大事にしている。通常それらのアイコンは、シンプルな３針、スポーツモデル、ダイバーズモデル、ヒストリカルモデルなど、系統にそってコレクションされている場合がほとんどだ。

その点で、コルムほどユニークなアイコン時計を確立したブランドは、他にはない。本物のコインを採用した「コインウォッチ」、基本輪列が一直線に並んだムーブメントが丸見えの「ゴールデンブリッジ」、半球体のサファイアクリスタル風防を持つ「バブル」、リアルな孔雀の羽を文字盤に採用した「フェザーウォッチ」等々、どれもが決まった枠には収まらない個性派ばかりだ。

中でも、コルムのアイコン時計として熱狂的な人気を誇っているのが、航海レースをイメージしたマリンウォッチの「アドミラル」である。アドミラルコレクションの歴史は長く、誕生したのは1960年。その65周年を記念した特別な日本限定モデルが、この度発表された。

実は、あまり知られてはいないが、初代アドミラルは、クラシカルな角形時計であった。裏蓋にはアドミラルズカップの文字とヨットがエングレービングされており、角形でも高い防水性が備わっていた。

最新作の日本限定のアドミラルでは、その代名詞である国際海洋信号旗が、より大きくレイアウトされている。

現在のアドミラルの直接的なルーツとなるのは、1983年に誕生したモデルだ。国際海洋信号旗のアワーインデックスと12角形ベゼルが最大の特徴である。コルム創業者ルネ・ヴァンヴァルト氏の息子であり、1966年にコルムに入社したジャン＝ルネ・ヴァンヴァルトが手がけた最大の代表作が、このアドミラルだ。

当時としては最先端だったPVD加工技術で時計のケースとブレスレットを「ブルー」で染めた時計は、あまりにも斬新。後にこのブルーは、ファンの間で「ガンブルー」と呼ばれるようになった。

そして何よりアドミラルコレクションを唯一無二な存在にしているのは、ダイアルのインデックスが通常の数字やバーではなく、海の世界では世界共通の意味を持つ国際海洋信号旗が採用されていることだ。

この国際海洋信号旗を、見た目が近い「国旗」と勘違いしている人が多いが、アドミラルのダイアルに採用されているのは、数字の「０」から「９」までを表す国際海洋信号旗である。日本の国旗のように見えているのは、数字の「１」。よって「11」を示すインデックスには、この「１」を示す旗が２つ組み合わされている。

アドミラルの最新作となる日本限定モデルは、ケース系が「38㎜」と小ぶりなのが特徴。ケース厚も9.3㎜と薄型の小径ケースに、可動域の大きい５連のメタルブレスレットが組み合わされ、腕に吸い付くようなフィット感を実現している。

コルム新CEOを特別インタビュー

この日本限定アドミラルお披露目のタイミングで、2025年４月にコルムCEOに就任したばかりのハソ・メフメドヴィッチ氏にインタビュー。今後のコルムについて聞いてみた。

Q　コルムとの最初の出会いは？

A　時計学校に通っている時に、コルムのゴールデンブリッジに出会いました。輪列を一直線にレイアウトする複雑かつユニークな構造と、それと相反してシンプルに見せる表現力に魅せられました。

Q　他のブランドにはない、コルムの強みとは？

A　コルムは大胆・創造性にあふれている他社とは大きく違うところが強みです。初のフェザーダイアル、初の自動車とのコラボ、直線型ムーブメントのゴールデンブリッジ等、時代の先端を突き進むヘリテージがたくさんあります。

Q　コルムには、個性的な時計が多いが、その理由は？

A  コルムは1955年の創業当時から、常に挑戦を続けているブランドです。時計の常識にとらわれずに革新的なモデルを作り続けている歴史が、その様な印象を与えていると感じます。その評価として、ルネ・ヴァンヴァルトは2000年に時計界のノーベル賞と言われるGAIA賞のクリエイション部門を、起業家として初めて受賞致しました。時計師以外で唯一となる受賞が、それを物語っていると思います。

Q　ゴールデンブリッジ、バブル、コインウォッチといったコルムの名作を、今度どのように進化させていくつもりですか？

A  今は全てをお伝え出来ませんが、増えすぎてしまったコレクションを整理しつつ、それぞれの品質向上を目指します。

Q  今、一番知ってもらいたいコルムの時計（新作）と、そのアピールポイントを教えてください。

A  ずばり「アドミラル 38　オートマティック ジャパン リミテッド エディション」です。大きくデザインされた国際海洋信号旗インデックスと、1980年代に人気を博した5連のブレスレットを組み合わせた日本限定。往年のスタイルを復活させた意欲作です。

問い合わせ／コルム公式サイト

ジーエムインターナショナル　TEL03-5828-9080

文・構成／市塚忠義