2025.07.29

横向きデジタル表示、しかも機械式!

1970年代伝説のドライバーズウォッチ「アミダ」が復活

「デジトレンド」。自動巻き。ケース縦39×横39.6、厚さ15.6mm。5気圧防水。SSケース&ブレスレット(アルカンターラ®ストラップがセット)。左から(SS)64万3500円。(ゴールドPVD)76万2300円。(ブラックDLC)71万2800円。

昨今のジェンタブームからわかるように、いま時計業界には1970年代テイストの波が、確実に押し寄せている。これは単に「レトロ回帰」という時代の繰り返し作業ではない。この時代、機械式時計はクオーツ時計の台頭により苦境に立たされており、巻き返しを図るべく、あの手この手を使って、時計作りと本気で向き合っていた。

つまり、1970年代の腕時計には、いま見ても非常にエキサイティングなものが多い。中には度を越したものもあるが、何か新しいことにチャレンジしなければならないという意気込みが、保守的なスイス時計業界の中にわきおこったのだ。

時を同じくして、モータースポーツの世界も、1970年代と言えばF1の黄金期。よりパワフルで、より速いマッスルカーが世界各地を盛り上げ、レース上の中でも外でも、流線的なスポーツカーが人気を集めた。

オープンサファイア仕様の「デジトレンド オープン サファイア」。96万300円。
こちらもSSブレスレットにアルカンターラ®ストラップが付属する。

そんな時に生まれた腕時計が、スイスの時計ブランド「AMIDA(アミダ)」のドライバーズウォッチ「Digitrend(デジトレンド)」である。ドライバーズウォッチとは、ドライバーがハンドルを握ったままでも時刻が読めるように配慮された腕時計のこと。

今の時代でも、スマホを手持ちしながらも運転は、非常に危険を伴う。時代は違えど、時計ブランド各社が、安全性を担保しつつも趣向を凝らしたドライバーズウォッチを打ち出した。ハンドルを握ったとき、腕が斜めになることからダイアル自体を90度回転させた時計や、腕の「上」ではなく「横」にセットする腕時計まで。

そんな中、一際斬新なアイデアを思いついたのが、アミダ。機械式で回転するディスク表示の時刻(ジャンピングアワー)を、三角柱(プリズム)を使ってケース側面に反射させてデジタル表示で映し出したのだ。

潜水艦の「潜望鏡」にヒントを得たというこの側面ディスプレイは、アミダが1973年にスイスで特許を取得しており(特許番号3,786,626)、「Light Reflecting Display」と名付けられている。

50年の時を経て、この側面ディスプレイの「デジトレンド」が復活する!

モーリス・ラクロアなどの輸入代理店として知られる老舗商社DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンが独立系スイスブランドのアミダと独占販売契約を締結。新たに再設計した伝説の「デジトレンド」4種を発表した。これらのアミダの新作は、伊勢丹新宿店 本館5階ウォッチにて先行展開され、今後は順次販路を拡大していくという。

新作4種の内訳は、外装ケースの違い。SSケース、SSケースにブラックDLCコーティング、そしてSSケースに4NゴールドPVDしたモデルと、注目はなんと言ってもオープンサファイアのモデルだろう。

ケースバックもシースルーバック仕様になっている。

ケース側面のディスプレイは他3種と同じだが、上から見たところがサファイアクリスタルになっており、これならジャンピングアワーのメカニズムを永遠に楽しむことができるわけだ。ただし、オープンサファイア仕様は初年度150本の限定生産となる。

アミダ公式サイト

問い合わせ/DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパン

cg.csc1@dksh.com

文/市塚忠義